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「恐怖の口が目女」が来た!!(単行本の感想です)

「平成最後の夏、最高の虚無感を貴女に」

承前
崇山祟センセイの「恐怖の口が目女」の物理書籍単行本が手に入ったので感想したりクチガメー!したりします。この作品はNoteで連載されているので #コンテンツ会議 とかで取り上げるとよいのでは?

美空すずめは夢見がちな夢を見るか?

本編の魅力的な主人公 美空すずめはリアリズム重視でジャーナリズムに即した行動(信念のためにうでたまごを口から吐き出す等)をとるおてんばなお嬢様である。同年代の夢見がちな少年少女とは異なる行動様式は彼女が「夢を見ない」という体質からもたらされている可能性がある。

美空すずめは幼少時から「おかしな夢」を繰り返し見ていた。同じ内容で同じ変な光景が広がる夢。 ちくわ状物質が空を飛びかい砂のような地平からくるぶしが突き出し、くるぶしの口が開いて小型の何かを吐き出す。変な夢......。変な夢......。これは本当に夢なのだろうか。同じ内容の夢を何度も繰り返し見る? それではむしろ、その光景のほうが現実で学園生活のほうが夢なのでは?

現実的に拷問座りで拷問する美空すずめさん。

現実の向こう側へ

口が目女との長い戦いの果てに美空すずめは勇気ある行動をとる。それにより地上ではカタストロフが発生し救済とは程遠い最終戦争へ突入することになった。一方、光の中で美空すずめが見た光景は果たして何を意味するのか。目を覚ました彼女が直視した光景は間違いなく現実で、それまでの光景が走馬灯だったのか、新たな時空へ旅立ったのか、パトラッシュが来たのか、それは結末を読者にゆだねる形でエンディングを迎えます。

ストーリーとジャンルのうねりに乗れ

格闘アクション→学園ギャグ→学園ホラー→都市伝説ホラー→伝奇ホラー→SFホラー→ソリッドシチュエーションスリラー→ID史→コズミックホラー→なりすましスリラー→チーム冒険アクション→本当に怖いのは人間だホラー→カタストロフ→特異点への旅立ち→異世界→格闘アクション......。ページをめくるたびに移り変わるテンションとジャンルがあなたをゆさぶります。

たまにシリアスな表情を見せる美空すずめさん。

しかし、統一感のある美空すずめのパワーと力強さが読者に一定の力を与えてくれます。 満足のできる結末に向けてひた走るパワーを感じる。 「作者(おれ)を信じろ! スピードの向こう側へ連れてってやんよ!?」的な勢いで最終カラーページへ到達した時、きっと何も得るものはなく。なんだこれ。さすがだぜ。ふざけてるな。ナイスガッツ。やったぜ!という極上の虚無感を味わえるはず。

#平成最後の夏極上の虚無で乗り越えてみませんか。

「恐怖の口が目女」は最高の虚無体験だぜ。

余談

作者のシナリオパワーや整合性をほめていたら最後の対談でとんでもないこと言ってました。 先のことなんて考えてなかったんか。 そうだとはうすうす感づいてたけど、やっぱり考えておらんかったのか。 なんてこった虚無感倍増。つまり最高だ。

この世でもっともかっこいいのはイカだ!!

なお、単行本の販促で書いたとされる読み切り「いかさま」が公開されています。めちゃくちゃかわいくて好き。こっちの路線もたくさん読みたいよ。
でも、クチガメと全く関係がないので「趣旨を間違えた読み切り」とされている。間違えるのも、またよし!!

劇画狼のエクストリームマンガ学園より

「いかさま」

コミックキューのロボ増刊を思い出す出来。すばらしい。

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