SOC忘年会のおしらせ
忘年会のお知らせ
会場:ジェイドマムシの部屋2
たのしい会です。日頃のうっぷんを晴らしてスカッとしよう。
テルヤケもあるよ。
その日はSOCの構成員のほぼ全員が勢ぞろいするという忘年会が行われていた。
名シェフジェイドマムシのふるまうテルヤケにマグロのカルパッチョ。
ナハトローニンが故郷から取り寄せたソーセージで乾杯。
チーム内の趣味嗜好を把握しきったロングゲイトの手練手管のプレゼント攻勢に一喜一憂。
部屋の内装はトラップマスターも手伝った。壁の四方の見事な『海老』『鯛』『茄子』『フジサン』が宴に華を添えている。
ブラスハートは偉そうに胸を張りテレビを見ている。リモコンは渡さないつもりだ。
その背後でジツを用いて無断でチャンネルを変えるアモクウェイブ。
しけったカールが好きなエゾテリスムの主張を聞き流しながらチーズ味を極度乾燥しているデシケイター。
遅れてきたエッジウォーカーの顔がまた変わっていて一同爆笑。
メイレインの提案した「サツガイ崇拝ゲーム」は全員が無視したのでソロプレイになった。
#1
宴もたけなわ、誰からともなくこんな声が上がった。
「この中で一番強いのはオレだよなー」
「いや、私だ」
「興味ないけど俺でしょ」
「俺だ」
「ンフフフフ、気楽に殺り合えばいいだろ?」
みしり。
急激に充満するアトモスフィアに空間が悲鳴を上げた。
「イヤーッ!!」
真っ先に仕掛けたのはデシケイター!!BusinessはSpeedだ!!
袖や裾から甲虫ドローンが這い出し無差別に襲い掛かる。
メイレインは飛び退きアンタイウェポンに甲虫を飲み込ませる。
ナハトローニンはカタナで切り払い、トラップマスターは壁の向こうへ消える。
ブラスハートとエゾテリスムはゆったりと距離を置き傍観の構え。
有効な攻撃手段を持たないジェイドマムシとエッジウォーカーは甲虫に追われて逃げ惑う。そこへ衝撃波が到達し甲虫をまとめて破壊した。
瞬間移動して距離を取ったロングゲイトのソニックカラテだ!!
「イヤッイヤッ!!イヤーッ!!!」
ソニックカラテを放ち甲虫に手を触れずに攻撃を加えるロングゲイト。ジツの相性ではロングゲイトが有利か?しかし、デシケイターはロングゲイトを横目にホロキーボードを操作しながら経済取引に集中をしている。
(舐めた真似を!)ロングゲイトが大技のソニックツキを繰り出そうと足を止めた瞬間(カリッ)ロングゲイトの足元に軽い疼痛が走った。それは床を掘りぬいてカーペットから出現した甲虫ドロイド!!一瞬にしてロングゲイトは極度乾燥しカツオブシめいて拡散した!
「サヨナラ!」
「サヨナラ!」
一瞬遅れて爆発四散したのは攻勢にあったデシケイターである。
いったい何が!?
CM:「パパー、今日もお肉が無いの?」「ハハハ、我が家の大君主くん! 見て御覧なさい」パパはサラダボウルにタンパク質チップをザラザラと入れ、ケチャップをかけた。「デジタル・プロテインでパワーケミカルさ!」「やったあ! バッファロー味だ!」「もはや肉よりも高級。ポブチャ社のプロチップ」
#2
「「サヨナラ!」」
ロングゲイトと共に攻勢にあったはずのデシケイターが爆発四散!!
いったい何が起こったのか!?
「ハハハ、参ったな俺か?」
アモクウェイブのジョルリ・ジツである!!無数の甲虫ドロイドのうち、ただ1体を操りミナヅキ・ジツの発動に合わせて攻撃したのだ。
「自分のドロイドの動きくらい把握しておかないとな。ハハハハ!」
甲虫ドロイドによる面制圧局面が途絶え室内各所で組手が開始された。ブラスハートは濁った視線を天井に向けると無造作にチョップを突き刺した。
「サヨナラ!!」トラップマスターは爆発四散!!
ジェイドマムシのマグロ爆弾がエゾテリスムを直撃!!爆炎と砂埃が舞う中、煙の中からツキジめいたマグロの惨殺死体をサクリファイスした無傷のエゾテリスムが出現。ジェイドマムシの胸板を貫き、さらに魂を啜る!!
「サヨナラ!!」
ニンジャだらけのブレイコ・パーティではエッジウォーカーは逃げ場を見いだせない。ナハトローニンのイアイによって首を切断された。
「サヨナラ!!」
メイレインはムシアナ・ポータルを断続的に発動し威嚇する。
「お前らもう少し真剣に(サツガイを)崇拝しろ!特にお前ッッ!!」
白目を激しく血走らせたメイレインは緑グリッドが走る暗黒空間からアンタイLBA(大戦闘斧)を掴み取るとブラスハートへ向けて投げつけた。
KABOOM!!!
アンタイウェポンはブラスハートの目前で壁にぶつかったように爆発!!
「何!?」
「スゥーッ!ハァーッ!」
予想外の光景に虚を突かれたメイレインの胸を決断的速度で接近したブラスハートのチョップ突きが貫く。
「俺に求めるのではない。俺が求めるのだ」
ブラスハートは脈動する心臓を握りつぶした。
「サヨナラ!!」
室内には、それぞれ構成員を爆発四散させたブラスハート、エゾテリスム、アモクウェイブ、ナハトローニン。
「俺はお前らの仲間入りするつもりはないぞ。今日は断りに来ただけだからな!!」
ナハトローニンか副剣の柄頭をねじり機構を発動。アクティブ・カタナの青い光が室内に充満した!!
CM:「パパー、今日もお肉が無いの?」「ハハハ、我が家の大君主くん! 見て御覧なさい」パパはサラダボウルにタンパク質チップをザラザラと入れ、ケチャップをかけた。「デジタル・プロテインでパワーケミカルさ!」「やったあ! バッファロー味だ!」「もはや肉よりも高級。ポブチャ社のプロチップ」
#3
一目で危険を察知したブラスハートは後退。独特の呼吸法で病んだ光に抵抗する。爆発四散したニンジャ生命力をサクリファイスしたエゾテリスムはカラテ抵抗力が高まった状態だがナハトローニンへの接近はやや荷が勝つか。
一瞬の膠着状態の中、アモクウェイブがジツを発動した。シャドウトレース・ジツ&ジョルリ・ジツの合わせ技によって生み出されたナハトローニンの影がナハトローニンとカラテラリーを開始。生物、無機物問わずに崩壊させるアクティブ・カタナだがカラテ生成ニンジャは意に介さず襲い掛かる。
トレースされた影に疲れという概念は存在しない。ブレッシング・ジツを発動し続けるナハトローニンがやや不利か。否!わずかながらナハトローニンが押し返している。
「アバッ!」アモクウェイブが吐血!
マンションの一室ではアクティブ・カタナの影響範囲から逃れることはできなかったか!!集中が乱れ影は雲散霧消。倒れ伏したアモクウェイブをナハトローニンがカイシャクした。
「サヨナラ!!」
じりっ。
油断なき足さばきでナハトローニンが迫る。
「辛抱……!辛抱……!」
ブラスハートとエゾテリスムは顔を見合わせ、ジュージツを構えた。
先に動いたのはエゾテリスム!魔術ナイフ投擲!!
ナハトローニンはナイフを切り払い、同時に繰り出されたブラスハートの丸太めいたケリ・キックを十字ブロックで受ける。そこへリスクを負って突撃したエゾテリスムが迫り暗黒カラテ奥義ベアハッグの体勢に入った。このままナハトローニンを自爆オヒガン・ボムの餌食としてサクリファイスし自らを復活させるつもりだ!
「離せっ!」
エゾテリスムの身体が膨張して暗黒に輝き……
「「サヨナラ!!」」
爆発四散した!!
CM:「パパー、今日もお肉が無いの?」「ハハハ、我が家の大君主くん! 見て御覧なさい」パパはサラダボウルにタンパク質チップをザラザラと入れ、ケチャップをかけた。「デジタル・プロテインでパワーケミカルさ!」「やったあ! バッファロー味だ!」「もはや肉よりも高級。ポブチャ社のプロチップ」
提 供
この番組はポブチャ社の提供でお送りしました。
CM:「タダイマー……ンまあ! それ、ポブチャ社のプロチップ、バッファロー味ね?」「ダーリン、おかえり。どうしたんだい。アッまさか、君もプロチップを……?」「大丈夫よ。私はターキー味を買って来たから」「流石ママだぜ!」「もはや肉よりも高級。ポブチャ社のプロチップ」
CM:「ゴーーンゴーーーンエブリワンゴーーーーン。デジジョヤ・ノ・カネをダウンロードでログインボーナスカルマ倍点!!カナガワコラボ実施中!!今ならキョウアクハンザイシャ(SSR)もらえる!!」
#4
「「サヨナラ!!」」
爆発四散したのはナハトローニンとエゾテリスム。光芒に包まれた掌打が二人をまとめて貫いていた。バチバチと音を立てて火花と共に姿を現したのはステルス装束に身を包んだストリングベンドである。
ステルス状態でナハトローニンの1インチ距離を保ちブレッシング・ジツの恩恵を得たうえでのアンブッシュであった。
ストリングベンドとブラスハートは2LDKの距離で向かい合った。
「ドーモ、ブラスハート=サン。ストリングベンドです。」
「ドーモ、ストリングベンド=サン。ブラスハートです。」
オジギ終了の0.02秒後!!
「帰る。ヨイオトシを!」
ストリングベンドは荷物をまとめて退出していた。
#ストリングベンド =サンがジェイドマムシの部屋2を退出しました。
「俺も。ヨイオトシを!」
#ブラスハート =サンがジェイドマムシの部屋2を退出しました。
こうしてグリーンのワイヤフレームで構成されたマンションの一室は無人となり、一瞬後には何事もなかったかのようにリフレッシュされた。
------------------
「フンフン……フンフンフン……」ジェイドマムシは新鮮な赤身をスライスしてゆく。清潔なナフキンで手を拭き、携帯端末に手をのばす。IRC-SNSに新着メッセージ。
「String_Bend#今年はちゃんと俺も点呼してくれよ。最初からいたんだから」
「フフッ」SOCの仲間との関係は良好だ。こんな集まりが毎年続けばいいのに。
ファオー。『来客ドスエ』インタフォンが押された。
いつもたくさんのチヤホヤをありがとうございます。頂いたサポートは取材に使用したり他の記事のサポートに使用させてもらっています。