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#国技館ロイヤルランブル 【製作ノート】

(ネタバレ要素が多いので後日有料化するかも。また、追加の質問などがあれば追記の形で回答します)

「国技館ロイヤルランブル」のライナーノーツです。

本編についてはこちらをご覧ください。

【製作ノート】

おつかれさまでした。
本作は一気に書いたのでほとんど創作メモは残っていないんですが、要素を思い出しながら書き残しておこうと思います。

2018年4月にパイロット版が誕生

本作の執筆は2018年4月に急に頭に沸いたアイデアを発端とする。

「力士を大量に土俵に詰め込んだらきっとおもしろいな」
「それをさせるためには土俵を一定の重量に保つ設定にしよう」
「じゃあ新幹線大爆破だ。力士平均重量x2名では足りない400kgにしようか」
「ちょっとアホ味を効かせるために脅迫を真に受けたことにしよう」

ということでパイロット版が完成した。思考時間は数分に満たない。

当時は「土俵の力士クリーミィデブ」の影に隠れて目立たなかったが気に入っていたので頭の片隅に放り込んでおいた。(みんなも気軽にインターネットに胡乱なアイデアを不法投棄しようね!)

2018年10月の逆噴射小説大賞をきっかけに再開発。

ちょうど投稿するネタがなく、なぜか相撲パルプがブームになっていたので持ちネタを投下するべ、という軽い気持ちだった。あらすじはパイロット版とほぼ同じ。140文字から400文字使えるようになったのでデティールをアップグレードしてアホ味をさらに加速させる。これからの展開を予感させる新キャラの投入、土俵にリングインする人数を20名から16名に変更するなどリアル寄りの調整が行われた。

これも簡単なアップグレードなので実質的には15分程度で書き上げた。私は設定を可能な限り詰め込むので考えすぎないくらいが良い。

逆噴射小説大賞後に連載開始を決意。

すでに「恋の千秋楽(魔法の力士クリーミィ舞海)」が完結していたので試しに続きの執筆を開始する。
ストーリー開始前に特定のプロットは用意せずキャラクター同士のぶつかり合いに任せた。完全に試合を観戦する気軽な気持ちだ。

「舞海」で、すでに設定していたメキシコ出身の横綱をこちらにも投入(パラレルまたは前日譚くらいの気持ち)、失恋部屋の未来の親方として大失恋を設定。ここまでが連載執筆前に決めていた内容。つまり、時系列的には「恋の千秋楽」の前日譚となります。

そのあとは適当に力士を16名並べて個性をつけ始める。力士は「力士ネーム」が正確や行動のすべてを表しているのでこれはやりやすかった。(数合わせで投入された立ち食いソバ系の四力士もなかなか良い味わいを出してくれた。ちなみに全員掛け技が得意)

キャラクターが立てば勝手にストーリーが生まれてくるのでとんとん拍子で話が進んだ。およそ1日で13話分の執筆と1話ごとのペース配分ができていたのは逆噴射プラクティスの賜物だろう。

特に最初から最終プロットを考えていたわけではない。失恋部屋が設立されるくらいだったのに、遠くへきたもんだ。どこでボタンを掛け違っちまったんだろうな……。まさかあんなスケールの大きな話になるとは。

おまけ:力士語り

名前が気に入っている力士は、ハーキュリーズ・ヘラクレス。名前の意味が二重になっているのでアホ味がありかわいい。(私は多重表現が好きだ)偶然HHだったので最終的にHHHになってもらった。(私は多重表現がとても好きだ)

特に人気が出た大失恋と爆弾怪人時限ゼミは力を入れていたので人気が出たのはうれしかったが、作者的にはすでに結末を書き上げた状態で連載を続けていたのでめちゃくちゃつらかった。

大失恋は恋愛を捨てる非情の相撲に徹すれば横綱に手が届いていたと思う。けど、それができないからこその大関というエモみの強い力士であり、ストーリー上のある場面では「勝手に力士が動いた」。これによってキャラクターが完成したんだと思う。 #そのとき力士が動いた

時限ゼミは全力士入場時の明らかにネタ枠なのに特にツッコミは入らず読者的に存在をスルーされているのかな?と思いきや、その後のストレートな青春展開とバイオ生物の悲哀が話題を呼んだ。ほんと辛い。

伝説力士の2名は場に置くだけでどんどん格が上がっていきヤバいことになった。どうすれば倒せるの? くらいまでスケールアップを試みたら自然と(ある解決策)が浮かんだ。相撲竜巻とか発揮揚揚のアイデアはかなり良いので真似してください。あと《Kフィールド》という呼称は神が宿ったので公式でも採用してください。

八極弾は、たぶん一番好きな力士で最後までイキイキしていた。誰よりもナイーブで自分の心の傷に敏感で他人の気持ちがわからない奴です。こいつが最後に美味しいところを持っていくのはちょっと予想していなかった。完璧なエンディングだ。(おかげで完結時の評価も高かった!)

旧支配者(豊臣家)と新しい神々(徳川家)の最終対決については、どこから湧いたイメージだっけ。後付けです。わはは。最後まで由比輝の由来を隠し通しでデウスエクスマキナできたのは非常にうまくいきました。最初から公開している情報なのに読者が動揺してた。してやったぜ!!

2018年11月連載開始。

その後、実際に連載を開始しながら誤字を修正したり設定や描写を微調整した。私は誤字にやさしくそのままにしてあげるタイプだ。

完璧な第2話。前シーズンの謎を1話で全て解決して新キャラが登場して《全く別物のストーリー》へ持ちことができた。完璧なシーズンツーのスタートが切れたのが大きく、ストーリーの飛躍にも勢いがついた。

連載準備原稿から大きく内容を変更したポイントポイントは3点。意外と変えていない。

・真田幸村の登場
大坂方の描写を強調するために、彼を摺り足で描写することで読者のニューロンを焼きにかかり、見事に焼き切った。これは終盤の超展開の伏線になっていて、最初期から伏線を張っていたことにした。内緒だよ。

・万寺の描写を強化
メキシコ出身というだけで個性の薄かった万寺をテコ入れ。カポエラの達人であり空中殺法も行けるというマリアッチな力士像を作り上げた。おかげで最終局面での「LET'S PLAY」は完全にハマったと思う。

・決着がうやむやになった理由
最終決着放棄の理由を「NHKが大河ドラマの放送を優先した」から「彼が大河ドラマを見たがったから」に変更。稚気じみたかわいげのようなものが生み出されたので、そういうことにしました。これで続編で合流しやすくなったね。

本筋を変えないことが前提ですが連載をしながら読者の反応を見て焦点を合わせる描写のバランスをとって、ちょっとずつ方向修正をしていくのは有効だと感じました。

「先の展開」が決まっている力士を描くのは辛かったです。特に感情移入しやすい二名の力士は応援も多くてツラかったです。でも、その悲鳴がうれしかったので「先生のカバッ!」は最高のお線香になったのではないかな。ストレイツォさん、終わったよ。

未来へ

連載中はめちゃくちゃ楽しかったです。何人ものニューロンを焼き切れたようでとても良かった。にっこり(パスみのある笑顔)

「力士名鑑」がトゥギャッターのオススメに入ったりして、新たな被害者を生み出そうとしていて、とても問題あると思いました。(ニッコス)

続編嘘予告

南極から帰還した第三帝国。幹部として帰ってきた八極弾。ヒゲの男と南極の氷解山脈に眠る古のエルダー力士達。移動国技館 vs 不沈土俵型空母。

八極弾も帰ってくる!!

(続かない)

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