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韓国バイオレンス三連発「新感染」「オールドボーイ」「アシュラ」


デビルマンからのリハビリに三連発で韓国バイオレンス映画を観たので報告です。ぜんぶ面白かったけど、さすがに胃もたれしたわ。

評価基準
キレ:アクションの爽快感
酸味:肉体的なダメージ感
苦味:精神的な屈服感
甘味:ご褒美的な安心できる時間
コク:通底する哲学や温度

『新感染 ファイナルエクスプレス』(釜山行)(2017年の映画)

キレ:★★★★☆ 
酸味:★★☆☆☆
苦味:★☆☆☆☆
甘味:★★★★☆
コク:★★★☆☆

高速鉄道の中でゾンビっぽいやつに追い掛け回される作品。
マ・ドンソクは肉体的説得力が強くアクションがキモチイイ。
バイオレンスは控え目で欠損表現などはない。
卑怯な人間は出てくるがインガオホーが描かれており人間性の勝利で終わる。
徹底して犠牲者の選択と自己犠牲と強いられる展開であり考えさせられる。
口当たり良く滑らかで大ヒットもうなずける出来だ。

『オールドボーイ』(2003年の映画)

キレ:★★★☆☆
酸味:★★★★★★★★★★
苦味:★★★★★★★★★★
甘味:★★★☆☆→☆☆☆☆☆
コク:★★★★★

突然15年間私設刑務所へ収監された男がなぜ収監されたのかを求める旅に出る。
シャドーボクシングで鍛えたアクションは切れがある。
鈍器や斧を中心にしたアクションは血なまぐさく拷問シーンは痛すぎる。
精神的な屈服さは映画史上に残るのではないだろうか。ここまで「嫌」を描けるエグさは感動するしかない。
一見して口当たりがよかった甘味はある時点で苦味に反転する性質があり致死量。慈悲はない。
作品全体を貫く厭世観は見事なもので誰も救われない。
全ての要素に規格外の量を注ぎ込んだ怪作で度数が高いので軽い気持ちでの視聴はオススメできない。飲みごたえはバツグンなのは間違いない。

『アシュラ』(2016年の映画)

キレ:★★☆☆☆
酸味:★★★★★
苦味:★★★★★
甘味:★☆☆☆☆
コク:★★☆☆☆

架空都市アンナム市の市長であるソンベは市長以外の仕事ができないナチュラルボーン市長であり市長の座を守るためにありとあらゆる手段でアンナム市に君臨する。
アクションは鈍重。格闘技ではなく嫌な暴力をふるう人々が多数出現するので顔面にダメージが残り後味が悪い。一方でカーアクションは凄まじく良く動くので鈍重さは意図的なものだと言うことが分かる。
精神的な追い込みはかなりのもので幼児性豊かな悪の市長がいきいきと追い込みをかけていく姿は市長の精神は狂気ではなくフラットに異常なんだということがわかるので非常に嫌だ。
救いのあるシーンは少ない。後輩君とのメシのやり取り等たしかなBroを感じる部分があり若干の清涼剤(血まみれ)だ。
ストーリーの意図や哲学はよくわからない。「全員悪人」「バケモノにはバケモノをぶつけるんだよ!!」のような明確な意図があるわけではなく、全ての登場人物が死(デス)の排水溝(ドレイン)に流れ込むので無常値が高まっていく。

未来へ

撮りためておいた作品をまとめてみると韓国映画のレベルの高さがわかる。バイオレンスに対する純粋な姿勢はどうなっているんだろうか。邦画でもこの傾向は増えてきたけど痛いのは苦手だよ。「暴力」を「アクション化」せずにエンターテイメントにしないというのは北野映画と同様のラインなんだろうか。反動でアクション・エンターテイメントとヒューマニティがほしい。

そして映画に点数をつけるのはむずかしいね。要素を分解して評価することはできるけど、数値が高ければ面白いわけじゃないから実際に感想文を読んでみないと評価がよくわからない。

総合的に『新感染』はオススメしやすいけど数値は薄め。これはビールなんかと一緒で飲み込みやすいものの方がよく数値が濃ければいいというものではない。『オールドボーイ』はあらゆる要素が濃スギ。『アシュラ』はバランスが偏っている分、クセが強く語りがいがある作品という感じだ。

なのでレビューサイトの点数よりも信頼できるレビュワーを信じて映画をチョイスするとよいと思うよ。

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