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『スローな武士にしてくれ』の5つの見所

どうもお望月さんです。
意欲的な最新時代劇『スローな武士にしてくれ』は見ましたか?
感想は以下の通り。5億点なので見てない人はみてね。いじょうです。

(これまでのあらすじ)
天才的な技量を持ちながら、まともに台詞を吐けず斬られ役止まりの大部屋俳優(内野聖陽)が新ドラマで近藤勇役に抜擢。しかし、そのドラマはNHKの最新撮影技術を投入した意欲的なパイロット版であった。どうなる斬られ役!どうなる旧態依然の時代劇撮影所!

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個人の感想です。解釈や真実には多様性があります。

改めまして、お望月さんです。時代劇お好きですか?結構!

3/24に放送された『【痛快娯楽!新感覚時代劇】スローな武士にしてくれ~京都 撮影所ラプソディー』が大変に面白かったので、再放送を見逃さないためにもアッピールしようとして筆を執りました。

ところが「とてもとても面白かった作品を見てほしい時になんて言えばいい?」「とにかく"見ろ"の一言だよな」という状況にはまり込んでしまい、細かい解説を書くよりも、当日の実況ツイートを引用して興奮している様子をみせつつ解説していこうと思います。

見所1 主人公が無味乾燥

主人公(内野聖陽)が腕が立つが台詞に難ありの大部屋俳優という役回りを好演している。彼は非常に恵まれた環境で大部屋俳優をのんびりと続けており、好きなことを好きなようにさせてくれる家族に恵まれていて、娘も父親や時代劇にあこがれながら成長しているという何不自由のない生活を送っている。このため(余計な展開に時間を割かず)ストーリー展開に遅滞が生じることなく非常にテンポよく物語が進行した。

見所2 殺陣のアクションがすごい

「大部屋俳優の斬られ役」役の俳優がそろっておりアクションがすごい。さすが4Kスーパースローカメラを用いているだけあって、手抜きが一切ない。中盤の『21秒13人斬り』は圧巻でエンドロールでもう一回出てきた。

見所3 最新機材&撮影チームパワー

このドラマは、最新機材で時代劇を撮影する、という点に重点が置かれているため、ストレスフルな「旧態依然の老人たちが最新機材を受け入れない」という場面が存在せず、価値観をぶつけることなく「最新技術は撮影に自由をもたらす」と好意的に受け入れてくれる。ここでも(余計な展開に時間を割かない)という美点を徹底している。

ドローン、ハイスピード重量カメラ、ワイヤーアクション。撮影チームのベテランパワーに加えて最新機材の活用には体力も必要という若い人材の投入をアピールしてくるスタンスも垣間見える。

また「エンターテイメントの前には史実は道を譲る」という「あかんやつら」的な名言が飛び出すなど、春日太一先生が本作をどのように見たのか非常に気になるところだ。

見所4 大部屋俳優怒りの咆哮

主人公の天才性や周囲からの評価が丁寧に描かれています。見事に水枕を両断するシーンは、おそらく銘刀だと信じこんだ刀が銘刀になった近藤勇的なエピソードではないかと思います。本当に切れちゃった。

一方で見所1で消化された主人公の設定がきちんと回収されるのが脚本の凄いところで、大部屋俳優仲間の中村獅童はそんな主人公に歯がゆさを覚えているんですね。自分に持っていないものをすべて持っている主人公。それを自覚すらしていない幸福の王子に対して怒りを爆発させる獅童。

本番では、急にアドリブで「名を名乗れ」とか言い出す獅童。
名乗りすらできなかった主人公に対して「このセリフを言えればお前はナンバーワンだ!ちゃんと俺を切り殺せ!」とでもいうべき熱い友情を見せます。それにこたえる銀ちゃんもかっこいい……!

見所5 撮影終了後も気を抜けない

詳しい言及を避けますが、最終的な落としどころは予想の範囲内ではあるんですけど「本当にそれをやるのか!!」という意味で予想外の結末を迎えました。最高かよぉ~!!

未来へ

と、いうわけでまだ見ていないメンがいたら再放送を忘れずにチェックイットアウトしてね。オンデマンドでも配信されるみたいですよ。未来への希望が持てた。

まあ、いくつか設定倒れの部分とか消化不良な部分もあるんですが、それはそれ。これはこれ。加点方式で行きましょう。

(帰国子女の時代劇感と現場のズレが特に生じないとか。NHKがどう見ても闇のクローン職員を雇用している部分とか)


いじょうです。


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