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アジア4ヵ国から届いた8月の越境ニュースキュレーション!クリエイティブカルチャー、マーケティングの最新情報 ( 2021 )

アジアのクリエイティブカルチャーやマーケティングの最新の動向について、月イチで配信する "ubies Newsletter" から、ubies Alliance Members が自国のニュースをピックアップする News Curation のコーナーを、noteでもお届けします。

🇮🇩 インドネシア

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👉  Seek-A-Seek #2: Kon/jun/gsi at Dia.Lo.Gue

Summary :
第2回目となった "Seek-A-Seek" のエキシビジョン&プログラムは "Kon / jun / gsi"(インドネシア語で結合の意)をテーマに、デジタル時代に成長する手段として、インドネシアのデザイナー間のつながりの重要性に光を当てている。ジャカルタ在住のグラフィックデザイン集団によって企画された2カ月に及ぶエキシビジョンでは、インスタレーション、音楽パフォーマンス、デザイナートークショー、書籍フェアにキュレーターツアーまで、魅力的なプログラムが用意された。40を超える厳選されたデザインスタジオが、正方形の展示スペース内で自らの特性とアイデアを紹介し来場者をワクワクさせ、インタラクションを促した。また、ジャカルタのデザイン、クリエイティブ業界の関係者が運営するワークショップやトークショーの他、アートマーケット "Smart Dialogue" や、音楽ショーも開催された。

Comment :
Seek-A-Seekは、インドネシアのグラフィックデザイン関係者の多様な作品の価値を認め、それらを祝うグラフィックデザイン/デザインビジュアルコミュニケーションの祝典だ。グラフィックデザインは同国のクリエイティブエコノミーに重要な影響を持つが、Seek-A-Seekの主な目的は、創作プロセスを知ることによって、その真価が広く認知されることである。プログラムにおいて強調すべきは、デザイン、特にグラフィックデザインに関する意識とリテラシー向上のため、講演、対話などを行う教育を軸としたことだろう。インドネシアのグラフィックデザイン業界は、デザイナーの質の向上と、増加の両面でますます進化しているが、グラフィックデザインの職業としての価値を世に知ってもらうために、若いデザイナーたちが発表とコラボレーションの機会を継続して持ち続けることがとても重要だと感じていた。2016年、第1回目のSeek-A-Seek は大成功で、約3週間でグラフィックデザイナー70人以上が参加し、毎日10,000人を超える観衆が訪れた。 Seek-A-Seekの成功は、業界の未来が明るい証となり、2019年にはグラフィックデザインを祝福するため復活し、第2回目を開催。幅広いコミュニティと一般の方々を招き、会期を通してグラフィックデザインの作品、プロセス、アイデアを披露した。

🇯🇵 日本

庄野 裕晃

👉  日本初公開の韓国映画、新・動画配信サービス「WATCHA」にて順次配信へ

Summary :
これまで日本で劇場公開がなかった韓国の数々の傑作映画が、新しい⽉額動画配信サービス「WATCHA(ウォッチャ)」にて、7⽉より順次独占配信された。ユン・ソンヒョン監督が韓国国立映画アカデミー(KAFA)在学時に制作し韓国国内の映画賞を賑わせた "BLEAK NIGHT 番人" など、Amazon Prime VideoやNetflixでは配信がなかった独立系映画まで鑑賞可能になり、韓国映画ファンにはたまらない出来事となった。ステイホーム期に生まれた "愛の不時着" "梨泰院クラス" などの第4次韓流ブーム、そして "パラサイト-半地下の家族-" に続き、"ミナリ" で助演女優賞を獲得した韓国映画界の快進撃は、日本でもまたひとつ前進し、深まりそうな気配だ。

Comment :
なぜ韓国映画はこんなに面白いのか、日本映画といつの間に差が付いてしまったのか、ということが多くの映画ファンに語られている。文化庁のデータによれば、年間の国民一人当たりに換算した文化支出額は、韓国が5,842円、日本は922円と、その差は6倍以上もあり、国からの支援の違いが先ず挙げられる。また、日本の文化庁が映画にかける助成金は約20億円だと言われているが、韓国映画振興委員会(KOFIC)は年間約400億円を支出するなど、国内外で映画の勉強、研究をする人数の違いも大きく影響しているのだろう。韓国作品は、歴史や事件の実話をベースにした作品が多く、国内の問題を躊躇なく追求していることも大きな特徴だ。1979年に朴正煕大統領が、中央情報部部長キム・ジェギュに暗殺された実話を基にした "KCIA 南山の部長たち" は、個人的に今年上半期のNo.1作品だ。なぜ韓国映画が面白いのかについて、配偶者は映画監督で、自身は映画祭の仕事もこなす韓国のソンさん(後日私のコラムで紹介)に聞いてみたところ、韓国の映画館の入場料は約600~1,000円と安価で気軽に楽しめ、エンターテインメントの手段として、日本よりも身近に根付いていることも大きいとのことだった。

🇰🇷 韓国

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👉 韓国の東海岸は今、ニューワールド!

Summary :
コロナの影響で観光産業が凍りついた中でも、開発が進むエリアがいくつかある。その代表格が、ヤンヤン(襄陽)とソクチョ(束草)だ。ソウルから車で2時間の場所にあり、サーファーが愛する韓国の東海岸に位置する。このエリアはコロナ禍による特需を享受している。いまは海外旅行を自由に楽しめないため、多くの人々が韓国内のこの東海岸に訪れ、余暇を楽しんでいる。

Comment :
このエリアに集まるのは、単に旅行客ではない。アーティスト、芸能人、デザイナー、建築家など、文化芸術系のインフルエンサーが大勢集まり、新たな市場がつくられている。その例として、WALKERHILL、LF、Hanwha、Banyan Treeなどの大企業やホテルグループが相次いでリゾートホテルをオープン。江南のホットラウンジクラブ、カフェ、そしてレストランや様々なバーも、このヤンヤンとソクチョにセカンドブランドのアンテナショップをオープンした。毎週のようにカルチャーマップが変わると言われるほど、このエリアには急速に様々なコンテンツが流入しており、様々な空間が生まれている。過去に東京近郊の"鎌倉"に多くの若い文化人たちが集まり、"湘南"という文化が形成されたように、ヤンヤンとソクチョは韓国版の"鎌倉"のようである。

🇨🇳 中国

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👉  Himalayas Museum created the first global NFT Artverse by cooperating with ReNFT Shard Protocol

Summary :
2021年5月15日、 上海ヒマラヤ博物館は "Re-NFT Shards Protocol" と提携し、"HIMA Artverse" を構築することによりNFTの分野へ正式に参加。HIMA Artverseでは、ギャラリーやアートミュージアム関係者、アーティスト、コレクター、アート批評家は、NFTアートワークについてアイデアの披露、コメントのやりとり、情報交換、及びアートをメディアとした社会活動を行うことができる。さらに、HIMA Artverseには "HIMA VR Museum" があり、オーディエンスを没入させるオンライン・オフラインでのアート鑑賞体験を提供する。

Comment :
NFTメタバースのコンセプトに基づいた世界初のVRアートギャラリー "HIMA Artverse" は、新たに出現した分野同士の融合のみならず、NFTとバーチャルインタラクション技術の組み合わせの最初の事例だ。このような革新的な共創は、伝統的アートミュージアムとアート業界全体の発展に、より多くのイマジネーションを与え、また、NFTによる新たな可能性を示唆している。


📩 このコンテンツは、8月10日配信の ubies Newsletter vol.2 に掲載されたものです。タイのTikさんのNew Curationは、今月はお休みです。次回をお楽しみに。

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