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村で出会った仲間たち Vol.1

家具修復工房をオープンするにあたり
多分一番心配だったことが
TAPICERIAという椅子などの布張り半同業者をライバルにしたくないというところでした。

半同業者とはいうものの、私が修行したフリアの工房は分業制で
家具の木の部分や塗装、組み立てなどは全部私たちがしていましたが
椅子の布張り、籐編み(トーネットチェアの座面などのアミアミ)、金属部の研磨、ガラス職人などは
近所にあるそれぞれの専門職人に回していました。
もちろん逆も然り。
バルセロナのサン・アントニ地区は昔そういう職人工房のひしめく場所で、
それは全く自然かつ当たり前のことでした。

しかしながら私がバルセロナを離れる頃には、当時いた布張り職人、籐職人、金属職人はみんな隠居の身となり、
その工房は新しい店舗としてスーパーになってしまったりオフィスになってしまったり。
残っているのはガラス職人のみ。(こちらは今でも綺麗な店舗を改装して継続しています。)

というわけで、私はそれらの専門知識は学ばないまま、ただ木材専門の家具修理をしています。
だ・か・ら
どうしても布張りと籐編みの職人さんは確保したかったし
布張りは本で学んだりネット情報で自己流でやっていたけれど
とても本職に張り合うレベルではないしそんな気もさらさらないです。
ので、
変に競争相手を勘違いされては困るどころか、協力業者として組ませていただきたいというのが意向でした。

そこへ、まさに神は手を差し伸べた!笑

いつも通りゴソゴソ作業しているところへフットワークの軽そうなお兄ちゃん(?とおじさんのあいだくらい)がやってきて
「俺、TAPICEROやねん」(関西弁ではなかったけど、そんな雰囲気)
きたー!!!!!

と、ばかりにさっそく一連の事情を説明し、協定締結。

ダヴィはお父さんから家業を継いだ二代目。
いつも同業者はおじいちゃんばっかりなので比較的近い世代で嬉しい。笑
チャビーのバイクの椅子も張り替えたりするのでよく通るらしい。
ラッキー。

その後は見積もりの相談から素材の確保、簡単な布張り技術まで色々サポートしてもらっています。
こちらは逆に、彼らの扱わない虫喰い処理や塗装塗り替えをサポート。
これまでそこはノータッチでやっていたらしいので
せっかくリニューアルするのに安っぽいニスのままにするはやめよう!と説得して
そういうお仕事を流してくれるようになりました。


そしてまた数ヶ月後、
オーダーをいただいたお客様の紹介で連絡してみたのがルッキー。
ルッキーは同じく布張り専門で、ルッキーデザインのソファーなんかは雑誌とかにも掲載されて人気の職人さん。
彼も同じく二代目で、籐編みもやります!

もう最高。これにて、全部カバーできます。

布張りは勉強中。
籐編みもいつかは自分でできるようになりたいけれど
とりあえず今のところは協力体制ばっちり。

お互いに色々刺激も受けるし、特にルッキーがやってるショップは超おしゃれ。
旅先でピックアップして来たものや地元アーティストの作品などの販売もしています。

我が工房の着物も扱ってもらってます。
憧れる100%!!

そして
ベテラン・ペラに続き、地元の大工さん、ホセルイスとカルロス兄弟とも別のお仕事の関係で繋がりました。
工房もめちゃ近所なので何かあればすぐ行ける距離。
そして実はホセルイス兄弟とダヴィは従兄弟です。
世間、せまっ!!むら!!

さらには
昔、お料理教室をやっていた料理教室工房の一枚板テーブルを作ったペドロからも
なぜか連絡をもらって、木材調達面などなど協力できることになりました。

めっちゃ心強い。私の持っていない、昔、大工コースで使っていたでっかい機械がいっぱいあるので
欲しい厚さにカットしてもらうとかできるし。



工房、開いてみるまではビビってなかなか踏み切れなかったけど
一度開いてみたら思ってもいなかった世界が見えてきた。
これはいわゆる、一歩踏み出してみる、というやつだな。

そして目的があれば仲間は集まる。機会は生まれる。

でもやっぱり
「有難い」の気持ちを超えるものはございません。

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