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私と子ども①

私は幼い頃から、赤ちゃんや小さな子どもが好きでした。
それが理由で中学生の時は「職業体験」で保育所に行ったし、保育の勉強もできる高校(総合学科)へ進学したし、幼児教育が学べる大学に通いました。

だからと言って、心底、保育士や幼稚園の先生になりたかったかと言われたらそうでもなくて、本当は芸能界(裏方)やデザインの世界に興味があったというのが本音です。

だけど、その勇気がなくて。

高校3年生の時、一歩踏み出す勇気がなくて、無難そうな保育の道に進むことを決めました。

だけど、今振り返ればその選択をして正解だったと思えます。

まず、大学生活が最高だった。
元々勉強は嫌いな方じゃないので、幼児教育や発達心理学などの座学が楽しくて仕方なかったのです。
難しいこともあったけれど興味深い内容ばかりでした。

また、実技科目もこれまた最高でした。
体育、身体表現、造形、自然、音楽表現
すべての科目が楽しくて、追求したくて。

ただ一つ、ピアノの授業だけは苦手意識が最後まで残り、不得意なまま終わってしまいました。
(作曲(伴奏作り)だけは好きでした。)

これは後になって後悔する羽目になるので、学生時代から頑張って練習すれば良かったなぁと反省しています。

とにかく授業内容が楽しくて、同じ志を持ったクラスメイトと過ごすことが心地よくて。
最終的には幼稚園での教育実習がきっかけで本気で「子どもたちの先生になりたい!」と思うようになりました。
その実習はとても厳しいものでしたが、やりがいや仕事の良さを実感したのです。実習先の先生方や子どもたちにはとても感謝しています。

そして、地元富山でいよいよ幼稚園に就職。(のちにこども園となる)
音楽に力を入れている伝統ある仏教園でした。
その時の就活システムとして、県内の幼稚園が合同で実施する筆記試験・実技試験・集団面接を受けて、評価され、その結果を見て、各園が学生に個別にアプローチするというものでした。なので、訳も分からず一番に電話を掛けてくださった園の最終試験を受けることにしました。
そこでも実技試験と面接があり無事、採用していただけることに。

しかしそのシステムがあったため、自分で園を選んだというよりは、声を掛けてくれた園に決めたというニュアンスの方が正しかったので、いざ就職してびっくり!!なことの連続でした。

今、その就活システムがあるのかどうか分かりませんが、私も前もっていろいろな園の見学などをしておくべきだったなぁと今なら思います。
だけど、電話がかかってきたら、もう他に連絡をくれる園がないのではないか!という不安から、最初に連絡をくれた園を選ばざるを得ない状況が作られたとも言えます。

とにかく、私はその園でいろいろな衝撃を受けながらも、たくさんのことを学ぶことになりました。
簡単に言うと、とても厳しい園でした。
保育園や幼稚園というのは園のカラーが本当にそれぞれ異なるので自分に合った園を選ぶことがとても大切だと思います。
私に合っていたとは思わないけれど、それでも本当に素晴らしい先生方が多く、厳しくも愛のある指導を7年間受けることとなりました。

とっても心が鍛えられて度胸がついたし、苦手だったピアノも人並みに弾けるようになったし、何より子どもへの言葉掛けについて深く考えさせられました。

一人ひとりに合った言葉掛け。

これは、簡単なようでとても難しいこと。
だけど、一人ひとりの子どもをじっくり見ていくと、不思議と何となく分かっていく。

「あー、この子はこんなふうに言えばいいんだな」
「この言葉のかけ方は、この子には合わないな」

そんなふうに、子どもの性格や性質、状況によって、かける言葉を使い分けていくことができるようになりました。

そうすると、子どもの心に届いていく。
子どもと心が通じ合う感覚。
信頼関係が築かれていくのを実感しました。

そして、
「いつか自分の子どもを自分の手で育てたいな」
そんな思いが芽生えたのです。


つづく

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