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終わりのない青さは 終わりがある青さで 気づかないフリしながら 後ろは振り返らずに

久々のnote。
小さい頃から割とよく日記を書いていたけど、時間が経ってから読み返してみると、いつも何が言いたいのか分からない文章になっていることが多かったです。
「ねむい」とか「おなかすいた」とかそのとき思っていたであろう感情が一言だけ書いてあったり、妙にポエマーちっくだったり、自分が気になることを延々と調べ続けていたり、書くだけ書いて満足してゴールに辿り着かないことばかり…日々の出来事を綴るであろう「日記」としては、全く成り立っていなかったなぁ。。。


この週末、私は2つの書を読みました。
その書について、読書感想文を書いてみることにしました。読書感想文なんてものを書くのは、中学生以来かもしれません。




「自由契約となりました」を読んで


「皆さん、こんにちは。今はU-NEXT Piratesの石橋伸洋です」
このnoteはこんな書き出しで始まる。
noteの作者の石橋伸洋(以下石橋プロと記載)は最高位戦日本プロ麻雀協会という団体に所属する現役の麻雀プロであり、麻雀のプロリーグ『Mリーグ』で、株式会社U-NEXTによるチーム『U-NEXT Pirates』に所属しているMリーガー。今は。
彼は8月末の契約終了に伴って4年間所属したそのチームを離れることになり、このnoteの中で自分の想いやこの先の未来についてを語っている。

読書感想文を書くと言いながらも、石橋プロのこのnoteは有料(¥484)なので、その内容が分かってしまうような感想は書けない。
なので内容に直接触れるのではなく、無料部分に記載されている『5つのテーマ』について、私が感じたことを書いてみる。


★なぜ、石橋はこんなに負けたのか?
麻雀は純粋な技術や経験以外に、運に左右される面がとても大きいゲームなので、どんなに強い人でも麻雀を始めたばかりの人に負けてしまうことがあったりする。
それでも強い人はやっぱり強くて、どんなに運の神様が邪魔をしてきても、それに真っ向から立ち向かって自分の持てるものを駆使して勝利を掴みとるために闘う。
石橋プロはnoteの中で、自分が考えるMリーグでの敗因について述べているのだけど、「何が大事で」「何が自分に足りなかったか(と思っているか)」が分かりやすく書かれている。
私が参加させてもらっている浅井塾の浅井先生(最高位戦日本プロ麻雀協会 浅井裕介プロ)もよく言うのだけど、自分の考えていること・脳内の情報を、相手に伝わるように言語化する作業って本当に難しい。況してや伝える相手が複数なら尚更。
だけど石橋プロの言葉は簡潔明瞭で、「なぜ負けたのか」が万人に伝わるように著されていたように思う。
私もこんな風に文章が書ければ良いのに。


★思い込みをしないことの大切さ
このテーマでは、Mリーグ2021-2022セミファイナルシリーズ最終日初戦にして石橋プロの最後の試合で、運命を分けたあの南3局5本場について語られている。
あの試合で勝ち抜くために、あの場面で石橋プロがどんなことを考えていたか。そしてなぜあの放銃が生まれたのか。
読んでいるだけであのシーンが浮かび上がってくる。
私自身、どちらかと言うと(どちらかと言わなくても)思い込みが激しい。それが思い込みじゃないことも多々あるけど、やっぱり激しい。
それは私の中ではある程度理由がはっきりしていて、私が何かを思い込もうとするのは、ほぼ100%ショックを受けているとき。
悲しいことがあったとき、むかつくことがあったとき、信じられないことがあったとき、その傷を浅くするというか、要は心に防護線をはりたくて「あー結局○○だから○○なんだ」と思い込むことで耐えたり諦めたりできる。だから私にとって『思い込む』のは結構必要なことだったりする。
でもこのテーマにおいては『思い込みをしない』ことの重要性が綴られており、これは私の日常にも大いに当てはまることだったので、今後は状況に応じて思い込みすぎないように意識したいと思った。
(それでもきっと、自己防衛のための思い込みは続けてしまうだろうけど)


★条件戦だけが取り柄だった
このテーマでは石橋プロの考える『条件戦に起用されるということ』と『条件戦で必要なこと』について書かれており、感想をシンプルに表現するなら「これがBLACK…!」の一言に尽きる。
私はプロでもないし競技麻雀ガチ勢でもないので、条件が必要な場面で麻雀を打つことは基本的にない。
リーグ戦などに参加することはあっても、あんなにも重要なシーンでの条件を満たすことの難しさを明確にイメージすることはできないし、この先もそんなシーンに遭遇することはたぶんない。
つくづく麻雀には相手の観察と対応が必要であり、常に自分のことでいっぱいいっぱいの私には到底辿り着けない世界の話だった。


★Mリーグの舞台に戻るためには
4年間の成績とこの先のMリーグのチーム状況を踏まえた上で、自分がもう一度Mリーガーになるためにはどうすべきか、石橋プロなりの分析。
勝負の世界は非情且つ無情で、更にそれを見ている周りの人たちはいつも厳しい目を持っていて、ただ頑張るだけでは道は切り開けない。
(TwitterやABEMAのコメント欄でも酷い暴言を放つ人たちをよく見かけるけど、その人たちは麻雀に限らず、日常生活でも同じようなことを周りにしているんだろうか。それで平穏無事な毎日を送れているなら、周りがめちゃくちゃ優しい人しかいない世界で暮らしているんだろうなと個人的には思う)
そしてMリーガーになりたくて頑張る麻雀プロが業界に溢れている中で、そんな人たちを差し置いて自分が再びあの場所に戻るための、石橋伸洋冒険譚がこれから始まる。
私はそれを、一読者として楽しみにしたい。


★石橋さんの今後の仕事について
はじめの一文がドストレートすぎてちょっと笑った。
これから先も私たちが石橋プロの麻雀を観る機会はあるし、一緒に打てる機会もあるかもしれない。更に言えば麻雀以外の場で遭遇するチャンスもあるかもしれない。
Mリーグの場に石橋プロはいなくなるけど、それはとても寂しいことだけど、実は石橋プロファンの未来は全然捨てたもんじゃない!…かもしれない。。。と感じる締め括りだった。



「4年間ありがとうございました」を読んで


このnoteの作者は、朝倉康心(以下朝倉プロと記載)。
石橋プロと同じ最高位戦日本プロ麻雀協会に所属する麻雀プロで、更に石橋プロと同じ8月末のタイミングで契約終了となり、『U-NEXT Pirates』を離れることになった。
私が朝倉プロを知ったのはMリーグ2018のドラフト会議だったけど、それ以前から彼は麻雀業界では名の知れた麻雀打ちだったらしい。
(そもそも私は観る雀自体がRTDリーグからなので、昔から団体のリーグ戦を観ていた人たちからしたら、とても歴が浅い)
彼は過去にオンライン麻雀ゲーム『天鳳』で天鳳位に2度到達した男で、それはとてもすごいことのはずで、本人にとっても周りの古くからのファンにとっても、それは一種のステータスなんだとは思う。だけど。
私にとっての朝倉プロは『U-NEXT Pirates所属のMリーガー』で『最高位戦日本プロ麻雀協会所属のA1リーガー』で、天鳳時代のことは知らない。Mリーグ2018のドラフト会議で、朝倉プロがU-NEXT Piratesから2巡目指名されたときも、「天鳳位って何…?」だった。
でもだからこそ、変な目線抜きで応援できたのかもしれない。

基本的にMリーグを観てきた人達はだいたい分かるだろうけど、彼は一言で言うととにかくネガティブだった。勝ってもネガティブ、負けてもネガティブ。
そのネガティブさ故に槍玉にあげられることも少なくなく、「そんなこと言わなければ叩かれないのに…!」って思うことは多々あったけど、それでも嫌いにはならなかった。
私自身がネガティブ思考で、他人に「そんなこと言わなきゃいい」って言われることが多くて、でもそれは言わなきゃいいって言われて止められるものでもなくて。
「我慢しててもポロッて出ちゃう側の気持ちにもなってくれ…!ポジティブがそんなに偉いのか…!」と心の中で反発しては、また「あーあ」って思うまでが日常茶飯事。
でも、ネガティブだって生きている。そしてこれからも、ネガティブでも生きていく。

noteの中で朝倉プロは、4年間で感じたことや自分の未熟さ、今後の展望について語っている。いつもよりネガティブ要素は気持ち少な目で。
最近、YouTube配信に力を入れている麻雀プロは多いが、朝倉プロもその一人。noteにも書かれているのだけど、純粋に麻雀を打って一喜一憂する姿は、傍から見ていて楽しそうだ。
仕事は好きなことや楽しいことだけが続くことはありえないけど、それでも『好きこそものの上手なれ』ということわざがあるように、好きじゃなければ続けられないことはある。器用な人はたくさんのことを同じ熱量で好きになれて同じようにこなせるけど、みんながみんなそうじゃない。それこそ一つを極めようとするだけで手一杯な人はたくさんいる。
私の中では、朝倉プロはそういう人だ。あくまで個人の見解なので間違ってると言われても仕方ないけど、朝倉プロは麻雀が大好き過ぎると思う。
だから麻雀基準で物事を判断してしまうこともあるし、そのことで人と揉めたり自分にとって良くない事態を招くこともあるけど、すべては麻雀が大好き過ぎるが故の結果。
結局本人も言う通り生粋の『麻雀バカ』なのだろう。子供が大好き過ぎる親バカと同じ、麻雀が大好き過ぎる麻雀バカ。そこまでバカになれるものに出会える人生は、ちょっとだけうらやましい。(器用な人にも憧れるから、ちょっとだけ)

Mリーガーではなくなったあと、朝倉プロは一人の麻雀プロとしてまた新しい視点で麻雀に向き合っていく。
一生麻雀と付き合っていく中で、朝倉プロ自身だけでなく、朝倉プロの麻雀がどのように変化していくのか、一麻雀ファンとして見届けていきたい。


「最後に一つだけ」で石橋プロに投げかけた言葉。
今は修正されているけど、そういう大事なところでツッコミを入れられてしまうのが、また朝倉プロらしいということか…。





星の夢の終わりに

(↑このフレーズが何かパッと分かる人とは仲良くなれるかもしれない)

石橋プロ、朝倉プロ、4年間U-NEXT Piratesの一員としてクルーの期待を背負って闘い続けてくれて本当にありがとうございました。
これからは『海賊』ではなく『海賊とよばれた男』として闘いに身を投じる生活になると思いますが、クルーのはしくれとして、お二人の新たな船出を陰ながら応援していきたいと思います。
そしてまたいつか…海賊物語の続編が制作されたら嬉しいです。


二人を思い浮かべて、スピッツの曲を一つずつここにそっと置いてみる。
そんな(どんな)火曜日。


for KING : https://mf.awa.fm/3O4iJHc

for ASAPIN : https://mf.awa.fm/3NSx1Lp



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