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「年配の人だから横柄」とは思わないけれど…。

「店員さんも失礼なお客さんに対して、強く出られればいいのに」

普段、平日の仕事終わりに立ち寄るお総菜屋さんでのこと。
夕方から閉店までは、留学生がお店に立っていることが殆どだ。
そんなお総菜屋に週の半分以上、同じような時間帯に通っているためか、店員さんとはあっという間に顔なじみになっている。

そんな店内で起こったちょっとした事件(大げさだけど…)。
私の前に、見た目60代~70代の白髪の男性が会計をしていた。
レジを打っていたのは、最近入ったばかりの留学生男子。年は20代前半くらいだろうか。
店員さんはまだレジ打ちや接客にはあまり慣れていないようで、大体仲間が彼をサポートしているのだが、この日の22時過ぎには彼しかいなかった。

白髪の男性は会計を済ませて商品を持って帰ろうとしたが、レジ袋が有料ということを知らず、運悪く店員さんもレジ袋がいるかどうかを聞き忘れてしまったので、

「なんでちゃんと聞かねぇんだよ、バカ野郎。レジ袋はいるに決まってるだろう」

と怒り、店の雰囲気がちょっと悪くなった。

正直、ここで店員の彼を助けたいという思いもあったが、ここで私が白髪の男性に何かを言うことで、却って火に油を注ぐリスクも感じたから、何も言うことができなかった。
直後に私が会計を済ませたとき、彼の表情を見てみると、何かに怯えているような表情をしていた。

しかし店を出た後、家までの帰り道、
「なんで助けることができなかったんだ」
「雰囲気を悪くしたとしても、ガツンと言うのが大人の男の役目でないのか」
「普段お世話になっている人を助けられないでどうする?」

そんな思いを感じながら、家へと歩みを進めた。

家に着いて、ご飯を食べている最中には、
「年を重ねると、あんな横柄になれるのか」
「一体全体、あの人は昔職場でどんな態度で仕事仲間と接していたのか」
「ああいう人が、コロナだなんだ、マスクしろとかどうだとか、迷惑かけているのではないか」

そんな思いが目まぐるしく頭の中をよぎっていた。

別に、「年配の人だから横柄」とは思わないけれど、私が見た限り、お店で店員さんを下に見ているんだろうなぁっていう態度の人は、大概の人が年配だった。
僕はこういった人達を最高の反面教師として、どんなに年齢を重ねたとしても謙虚な姿勢を持ち続けられる自分でありたい。
そして、
「あまりにも失礼な客(客と言うより傍から見れば貧乏神なのだろうが)には、店員が『もうウチには来なくて良い』と言えるような世の中になって欲しい」と思った。
後者は、「口コミ」の存在が却って災いしてしまい、なかなか難しいかもしれないけど、店員が何も言えないことをいいことに、客が強く出られてしまうのはいかがなものかと思う。

そしてお客さんに責められた彼、日本を嫌いにならないでくれたらいいな。

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