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三日月の夜

消え入りそうな三日月は
爪痕みたいに喰い込むから
鋭い光に泣く

細い細い張り詰めた弦から
ピンと音が跳ねたような
そんな空気

それでも夜を照らして

わたしはどこまでいくんだろう
美しいものって
痛いほど冷たくて透明だから
ただただ空を見上げて泣く

わたしには何もない
非力な私にはきっとちょうどいい
なんにも

だけど
願いはあるんだよ
どうか どうか って
願うんだよ
叶ったって 叶わなくたって
心が裂けるほどの 願い

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