思い出す時間。 ―神保町―
Nolaさんのこの記事を読んでいて、自分が神保町に通っていた頃を思い出した。
私は漫画家をしていた頃、小学館に毎月何度か打ち合わせで通っていた。
まだ十代の頃からだから何も知らない神保町という場所で、編集さんにオシャレなカフェに連れて行ってもらったり、大好きなカレーを食べに連れていってもらった。
作家仲間と会うときも神保町が多かった。
このマンダラというカレー屋さんは、結婚した後も主人と食べに行くほど好きなカレー屋さんだ。
その他にもうなぎや、ロシア料理、その頃には経験したことのない料理を編集さんに食べに連れて行ってもらったのを思い出す。
それだけでなく神保町は私には特別で、お気に入りの文房具屋さんがあったり、本屋さんも多いことが有名だし、古書もたくさん売っていて、ドキドキしてしまう街。
喫茶店さぼうるもすごく個性的で雰囲気がいい場所。
多分、神保町に来ていた作家さんたちは、ここへ来たことがある方も多いんじゃないかと思う。
友人と一緒に出掛けた時は、神保町から歩いて水道橋まで出たこともある。
それくらい、いろんな探検をしたくなる街。
そんな神保町に作家がこもって原稿を書く場所というのが出来たというのだ。
こういう場所が、私が神保町に通っていた頃にあったらどんなに良かったか!と思ってしまう。ネーム作業もはかどったことだろう。
実際、近くにこういう場所があったら、きっと今も使いたいと思う。
近所にも有名カフェチェーンがあるが、学生が占領していてなんだか落ち着けない。
作家にとって居心地がよくて、雰囲気がよくて、そんな場所で集中して執筆出来たらどんなに幸せかと思う。
言ってしまえば、今の作家さんはこういう場所があること自体幸せで、いい環境だと思う。羨ましい。
今は、集中したいからと神保町まで通うなんてことは難しいが、まだ独身だったらしていたかもなぁと思うくらい魅力的だ。
思い返しても、今もとても好きな街、神保町。
作家としてまた、その場所へ通えるような、そんな自分になっていたい。
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