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みなとせ はるさんの『メトロノーム』を読んで。

kindle出版をされた「みなとせ はる」さんの中編小説、メトロノームを読みました。



みなとせさん、ごめんなさい!ここでいきなり謝罪を!w

みなとせさんが「メトロノーム」を連載をしているのは知ってはいましたが、私、連載小説ほとんど読まないんです!
どうしてもその気持ちのまま一気に読み進めたいという思いと、昔から読み始めたら最後まで読まないと気が済まないという厄介な性格から、web小説の連載ものは読まなくなってしまいました(短編小説集みたいのは別ですけどね)

なので、私自身も連載というのはしなくなりました。
全部書き切って、世に出せるかな?というところまでいって、納得できたらサイトに公開しています。なので1作書くのにめちゃめちゃ時間がかかります。

そんなこともあって、みなとせさんのこの作品も連載が終わるのを待っていました。
そして、気付けばkindle出版。はやいっ!
もうこれは読むしかない!

読み終えたのは少し前ですが、一言でいうなら、やっぱり一気に読んで良かった!です。

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みなとせさんの公開している短編小説を以前読ませていただいたことがあったので、文章力、描写、表現、すべてが上手すぎる作家さんと感じていました。

なので、『メトロノーム』もなんの抵抗もなく読み進めることができました。むしろ読んでいるのが心地いいと思えるほど、どんどん読み進めることが出来たんです。
これは、作家として本当に憧れるところ。
「えっと……えっと……」と、手を止めることなく、どんどん読めるというのは、その世界に自分が入り込んでいる証拠ですよね。
一気に読ませることが出来る作家さんは本当にすごいと思うのです。
私の課題でもあるなぁ(泣)

そして、みなとせさんのプロフィールにあるように好きだと言うピアノが作品の鍵アイテムとして出て来ます。
ご本人が好きなだけあって、とても詳しく書かれ、その表現もとても素敵でした。

実はですね……有名なプロの作家さんの短編小説を読んだ時、ピアニストという設定で物語が書かれていました。
ですが私は自分がピアノも弾けないし、楽譜も読めないし、音楽に無知なので音楽の専門用語が延々と続いたその作品を読むことが出来なくなりました。
短編小説ですから10数ページの本当に短いお話です。そのほとんどを飛ばして読んでしまうくらい自分の中にストーリーがまったく入ってこなかったのです。
申し訳ないけれど、面白いのか、そうでないのかすらまったくわかりませんでした。(ヤバイ)
これは私の勉強不足かな?と反省しましたが、本当に難しくて読めなかったんです。

みなとせさんのこの『メトロノーム』にもそういったピアノの表現はたくさん出てきました。ですが、驚くほどに違和感なく読み進めることが出来たんです。

あれ? 無知な私に合わせてくれたのかな?wと思うくらい、難しい表現がほどほどにそのピアノの世界に入っていけることが出来たんです。
表現が美しく、出てくる曲名やその意味、すべてが作品にぴったりで、本当に「素敵~」と思いながら読めたのです。
これを意識的に書かれていたのなら、本当に素晴らしいし、読者のことを考えてくれているんだなって思いました。

私もね、編集さんに「説教くさい!」と怒られたことがあるもんですからw
読者にとって専門的な知識を入れすぎるのは「飽き」に繋がってしまうんだと勉強させられました。
上手いタイミングで引くというテクニックも必要なんだなって、これからも気をつけなきゃなって思います。

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そして、この『メトロノーム』ですが、私の好みがたくさん詰まっていたことに本当に驚いたんです。

主人公の正義感の強い性格や、クールな先生。
主人公を見守る友達たち。
主人公の母親の存在。
優しさを隠し持つ悪役。

私の大好きなキャラ設定がこの本のなかで、物語をどんどん動かしていくんです。
手が止められなくなる要素がてんこ盛りでした。

私は作品の中で、キーとなる悪役をただ悪いままで終わらせるということをあまりしません。
もちろん、ただ通り過ぎるだけの悪役は悪いままの方が読者もスッキリするかな?とも思うのですが、なんとなく底抜けに悪い人でも何か悩みがあるのでは?と考えてしまうからです。
そんな悪役が、みなとせさんの作品に登場したことに感動しました。

作者の奥に秘めた思いというか、みなとせさんの優しさが表れているなって感じました。

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物語の設定、伏線、「ああ、なるほどね」と言わせるラスト。

本当に素敵な作品を読むことが出来て、嬉しかったし、とても勉強になりました。

みなとせさんが、どう物語を作りだしているのか、プロットに時間をかけるのか、作品を産み出すまでの、そんなお話もぜひ聞いてみたいと思いました。

本当に素晴らしい作品を、ありがとうございました!

いつか、みなとせさんと小説の書き方なんていうお話をしてみたいと本気で思いました。






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