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思考の監獄から飛び出そう!「ACT」脱フュージョン

注意

・本記事の執筆者は専門家ではありません。
・本記事は精神疾患(適応障害)当事者が書いたものです。
・必ず専門家が書いた関連書籍をお読みください。
・本記事の内容は体験談及び書籍等の知識を執筆者自身が利用しやすくするために解釈したものをシェアするものです。専門性を担保するものではありません。
・本記事の内容をご利用する際にはご自身の責任においてご利用ください。
・「心」が辛い時は精神科や心療内科、カウンセラーなどの専門家を受診してください。

脱フュージョンの有効性(私談)

・様々な自己評価や他者との比較、自身の役割、自身の過去の失敗などの思考(これ以降はマインドと呼びます。)への没頭から抜け出せる
・マインドへの没頭から抜け出すことにより、少し冷静になれる
・冷静になることにより、有効性の高い行動を取りやすくなる

脱フュージョン簡単体験

「私は失敗した」を
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁたぁぁぁぁぁぁぁぁぁしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁしぃぃぃぃぃぃっっっっっっっっぱぁぁぁぁぁぁぁいぃぃぃぃぃぃぃぃぃしぃぃぃぃぃぃぃぃたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」と声に出してみてください。(公共の場でこれを読んでいる人は頭の中で再生してみてください。周囲が驚いてしまいますから。)
どうですか?
普通に「私は失敗した」と「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁたぁぁぁぁぁぁぁぁぁしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁしぃぃぃぃぃぃっっっっっっっっぱぁぁぁぁぁぁぁいぃぃぃぃぃぃぃぃぃしぃぃぃぃぃぃぃぃたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」と言った場合、後者の方が心にズンっとくる嫌な感じが減りません?
そう、このように言語による影響を減らすのが脱フュージョンなのです。

脱フュージョンとは

マインドの監獄「認知的フュージョン」

「ACT」ではメンタルヘルスを悪化させてしまう要因の一つとしてマインドとの認知的フュージョンという概念があります。

認知的フュージョンとは思考つまりマインドにより構築された言語的な制約により、自由に身動きが取れなくなってしまっている状態なのです。

さて、ここで一つ実験です。「私は画面をスクロールできない」と本気で思いながら画面をスクロールしてみてください。(ちゃんと戻ってきてくださいね。)

どうでしたか?
「私は画面をスクロールできない」と本気で思いながらスクロールできましたか?
できた方は言語的な制約から解き放たれたています。

しかし、これが不思議なことに「仕事を休職しているから食事を食べてはいけない」、「私は優しい人間だから常に自己犠牲を払わなければならない」、「一番最後まで職場にいなきゃいけない」、「私は〇〇さんより劣っているから存在価値がない」などのような評価的な言語的構築物は簡単に行動に制約を与えるのです。

監獄の扉を開けろ「脱フュージョン」

認知的フュージョンの制約ってどうでしょう?
その制約に縛られたまま、行動すると活き活きとした感覚が得られるでしょうか。

私は上記のようなマインドと長年、認知的フュージョンの状態にありました。
その結果が適応障害の発症です。

じゃあ、どうすれば?
そこで脱フュージョンの出番です。

脱フュージョンでは言語的構築物の行動に対する制約力(影響力)を減らすことを目的としています。

上記の「私は画面をスクロールできない」実験では言語的影響力をほとんど感じなかったのではないでしょうか?
評価的で苦痛を感じるような言語的構築物が持つ、行動に対する影響力をこの実験の時と同じくらいまで減らせればもっと自由に行動ができるのではないでしょうか。

そう、脱フュージョンではエクササイズを通して言語的構築物が持つ行動に対する影響力を減らす、つまり望む行動を取りやすくするための下準備をするのです。

脱フュージョンのエクササイズ

脱フュージョンのエクササイズはたくさん発案されています。
その中でも私が実際にやってみて自分に合っていたものを紹介したいと思います。

流れに漂う葉っぱエクササイズ

川に流れる葉っぱをイメージしてください。
その葉っぱに浮かんできたマインドを乗せてください。

また、一つ。また、一つ。

そう、葉っぱにマインドを乗せ、川に流れていくのを眺めてください。

また、一つ。また、一つ。

どうですか?
マインドが川に流れるのを眺められていますか?
それとも、マインドと認知的フュージョンを起こし、自分が葉っぱに乗っていますか。

もし、それに気づいたらもう一度、川に流れる葉っぱをイメージして、マインドを葉っぱに乗せましょう。

以上が私のお気に入りのエクササイズです。

「ACT」のセルフヘルプ本には他のエクササイズも載っているので、そちらもご参考ください。
皆さんに合ったエクササイズが見つかれば幸いです。

脱フュージョンの注意

・脱フュージョンとの認知的フュージョンを起こさない
・脱フュージョンは必ず"行動"とセットで実施する
・脱フュージョンが上手くできているか評価しない
・マインドの内容について評価しない
・マインドとの認知的フュージョンは常に悪いものではなく有効な時もある、問題はそれを使い分けられないことである

まとめ

・認知的フュージョンとはマインドが作り出す言語的構築物により行動が制限されること
・脱フュージョンとは言語的構築物の行動に対する制限(影響力)を減らし、行動する余裕を作り出すこと、平たく表現すると自分を俯瞰すること
・脱フュージョンそれ自体はゴールではなく必ず"行動"がセットとなる

以上が脱フュージョンに対する精神疾患(適応障害)当事者としての理解です。

何かご参考になれば幸いです。

セルフヘルプ本

参考書籍

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