見出し画像

私は「ACT」でメンタルヘルスを持ち直した〜第3世代の認知行動療法「ACT」でのセルフケア〜


注意

・本記事の執筆者は専門家ではありません。
・本記事は精神疾患(適応障害)当事者が書いたものです。
・必ず専門家が書いた関連書籍をお読みください。
・本記事の内容は体験談及び書籍等の知識を執筆者自身が利用しやすくするために解釈したものをシェアするものです。専門性を担保するものではありません。
・本記事の内容をご利用する際にはご自身の責任においてご利用ください。
・「心」が辛い時は精神科や心療内科、カウンセラーなどの専門家を受診してください。

思考が変えられない

適応障害やうつ病を発症したことがある方なら聞いたことありませんか?
「認知の歪み」という言葉。
私も適応障害を発症して、"いわゆる"第2世代の認知行動療法を真っ先に目にしました。

この第2世代の療法の「認知」に対するアプローチは「非合理的な思考や認知」を「合理的な思考や認知」に修正していくということに焦点が置かれています。 

例えるなら故障している機械のパーツを取り替えるかのように「歪んでいる認知」を「正常な認知」へ置き換えるようなものです。

正直に私の感想を言うとこの療法は私には合わなかったです。
皆さんも経験ありませんか?
「そんなことないよ」、「考えすぎだよ」、「短所の裏返しは長所だよ」、「こう考えてみたらいいんじゃない」などの優しい声をかけられても、いまいち納得仕切れないモヤモヤした感覚が残ってしまうこと。

そんな感覚を私は第2世代の認知行動療法に対して抱きました。
(この療法でメンタルヘルスが良くなった方がいるかつ広く普及していることを鑑みれば、この療法が効果がないものとは考えていません。むしろ私がしっかり取り組めていなかったまたは特異な例と言えるかもしれません。)

「ACT」との遭遇

認知行動療法に対してモヤモヤした思いを抱えながら、書店で心理療法のコーナーを眺めている時にこんなキャッチコピーが目に入りました。
「自分自身にやさしくすれば悩みの出口が見えてくる」
そう、これが第3世代の認知行動療法「ACT」との遭遇でした。
その時に購入した本がこちらです。

第3世代の認知行動療法「ACT」とは

「ACT」とは機能的文脈主義という科学哲学に軸足を置き、行動分析学と関係フレーム理論を理論的基盤として、心理的な硬直状態についてアプローチしていくこと。
と、私は解釈しています。

はい、意味不明ですね。

「ACT」ではどのように心理的な問題にアプローチしていくのかというと、前提として人間が持つ「言語」の特殊な性質により、やりたいことを実行する上で頭の中で発生する不快な感情や思考、記憶は避けれらないものと考えます。そして、如何にしてそれらの事象に囚われずにやりたいことを実行するのか。
言い換えると頭の中の感情や思考、記憶に拘束されず、それらと共に向かいたい方向へ歩んでいくのか。

上記の状態が心理的な硬直がない状態、つまり心理的に柔軟な状態であり、メンタルヘルスが良い状態と考えます。

これらから言えることは従来のアプローチでは「非合理的な認知」を「合理的な認知」へ置き換えることにより行動を変容させることを狙いとしています。
一方「ACT」のアプローチでは「認知」の正しさを問題とするのではなく、「認知」は「認知」として捉え、「認知」が行動に与える支配力を弱め、柔軟に行動できるようになることを狙いとしている
と、私は解釈しています。

なぜ私にしっくり来たのか

なぜ、「ACT」が私にしっくり来たのかというと頭ですぐ反論や理屈を考えてしまうタイプまたはそれが強力な「クセ」になっていたことが大きな要因と推察しています。

従来のアプローチでは「非合理的な認知」を修正するために「合理的な認知」について理論的に反駁していきます。
私の場合は反駁を行うと「非合理的な認知」と「合理的な認知」が延々と反論・理論合戦を続け、単に疲弊していくだけでした。

一方「ACT」のアプローチでは「認知」、丁寧に表現すると「言語」が持つ字義性(意味)を弱め、やりたいことを実行することに焦点を置きます。
このようなケースに持ち込まれると反論や理屈は意味をなさなくなってしまいます。

そのために「ACT」では思考や感情など頭に浮かぶ「言語」が行動に及ぼす支配力を弱める様々なエクササイズやメタファーを行います。
そして、私の「言語」(従来のアプローチでは「認知」)は行動に対する支配力を徐々に弱めていったのです。

まとめ

・「ACT」では従来のアプローチと異なり「認知」の正しさを修正しようとしない
・「ACT」では「言語(認知)」の持つ行動に対する支配力を弱め、やりたいことを実行しやすくすることを狙いとする
・「ACT」の理論基盤は行動分析学と関係フレーム理論である
・「ACT」の科学哲学は機能的文脈主義である

というのが精神疾患(適応障害)の当事者としての「ACT」に対する理解です。

今回は「ACT」の概要となったので精神疾患(適応障害)当事者としてセルフヘルプで実践した経験の詳細についてはシェアできませんでした。

今後、詳細についても記事を投稿していく予定です。

「ACT」の概要は以下の動画でとても分かりやすく解説されています。
(私の個人的な解釈は書く必要はあったのか、、、)

おすすめセルフヘルプ本

私が本当にしんどい時に助けられた本でもあり、「ACT」を勉強し始めるきっかけにもなった本です。

上記のセルフヘルプ本よりも「ACT」の理論的な説明がされているセルフヘルプ本です。ただし、読むのが上の書籍よりもしんどいと感じました。

本記事執筆の際に参考とした書籍

以下は本記事執筆の際に参考とした書籍です。
カウンセラーやセラピスト向けに書かれている本なのでセルフヘルプ本として使うのには向いてません。

私をサポートするよりも、ご自身にご褒美をあげてください。 それでも、サポートいただけるならとても嬉しいです。