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台湾で祝う「孔子2572歳お誕生日」

「孔子2572歳のお誕生日パーティー」に参加してきた。9月28日のこと。

きっかけは9月中旬、大学が開いてくれた孔子廟の見学ツアー。ガイドさんが「毎年9月28日、朝5時からココで○○が開かれている」と話していて、そのときは○○の中身までは理解できず、自分のGoogleカレンダーに「孔子廟の何かがある」と登録しただけ。前日になって思い出して調べ、朝の早さに迷いつつ結局行くことにしたのである。

これがとってもよかった。

まず朝4時台に台南の街を歩けたこと。

近所の牛肉湯屋さんがこんな朝早くからやっていたなんて。このお店はなんといっても、地の利をフルに生かした、この公道に接した喫食スペースが最大の魅力。街がまだ寝ているなか、この店だけがイカ釣り漁船のように営業してる感じ、すごく良い。

孔子廟までの徒歩30分ほどの道のり、クルマやバイクがほとんど走っていないのも新鮮だった。こんな静かな台南を感じるのは初めて。

さて「お誕生日パーティー」。

もちろん正式名称は別にあって、もらったパンフレットには「孔子誕辰 2572週年釋奠典禮」と書いてある。湯島聖堂(東京都文京区)のウェブサイトによると、

釋奠(せきてん)とは、古く中国で孔子をはじめとする先聖導師に、牛や羊などのいけにえを備えて祀ったことに始まり、現在の聖堂ではお酒、生鯉、野菜などをお供えして孔子とその学問を顕彰しております。
湯島聖堂 伝統行事「孔子祭」

とのこと。

観光客が見学できるのは廟の外からのみ。廟のなかではいろんな儀式が行われていたみたいだけれど、そこまではよく見えず。

ただパンフレットにはかなり詳しく式次第が書いてあり、いまは来賓の紹介をしてるっぽいな、いま盃を捧げているっぽいな、生贄の牛の血をなにかしたらやってるっぽいな、というくらいは伝わってくる。

ちなみに来賓は市議会議員のほか、市内の小中学校の校長先生や、なにかしら優秀な教員として選抜された担任の先生が多いようだった。孔子といえば教育者なので、孔子のお誕生日パーティーは教育者を表彰する場でもあるみたい。なお9月28日は台湾では「教師の日」とされているとのこと。

式進行の中国語、ほとんど聞き取れないけど、ひとつだけわかったのは、何度も繰り返された、

一鞠躬,再鞠躬,三鞠躬!

という掛け声。鞠躬jūgōngは「お辞儀をする」という意味。儀式に正式に参列している人だけがお辞儀する場合もあれば、自分たちのような観覧客も含めて全員がお辞儀する場合もあった。

朝5時ぴったりに始まった典礼は、約1時間で終了した。

最初は真っ暗だった空、式が進むにつれ段々と明るくなり、式が終わるころにはもうすっかり朝になっていた。ただ単に「1時間が経った」というより、夜明けが、この厳かな典礼を引き立てる壮大な舞台装置になっているようだった。

ごく簡単な動画を作ってみたので、ご興味ある方は是非ご覧ください(本投稿の冒頭に貼り付けています)。

中学校の「模範生代表」も観覧していたようでした
帰りに記念グッズをもらった。消しゴム&鉛筆。消しゴムの「全臺首學」は孔子廟正門に揮毫された言葉で、「台湾初にして台湾随一の学問の聖地ですよ」ということを意味するらしい。

【2022/09/28の日記】

先述の通り孔子廟の典礼に参加。前日夜に寮の断水のお知らせがあったが、3時30分ころ起きたときは一滴も水が出なかった。地震に備えて買ってあったミネラルウォーターで歯を磨き、そのミネラルウォーターで濡らしたタオルで顔をぬぐう。

水曜日は8時から授業なので、寮に1度戻るような時間はない。ところが朝が早すぎて大学施設はほとんど閉まっている。

すごく気が重かったHSKの単語集を再開。

そしてこの日、どこかで学生証を落としてしまった。入境後の隔離期間中だった台北ではクレジットカードを紛失したし、なんだかそそっかしさ目立つ今日この頃。

机に向かっての勉強時間は2時間51分。

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