愛のじゃがじゃが事件
留学を終えて日本に帰ると、まず某大手英会話スクールの講師になりました。
ご縁とはやっぱり面白いもので、帰国して空港から家に着くなり、お母さんに「こんなのがあったよ!」と講師募集の新聞広告を見せられたのです。
帰国後は日本で英語に関わる仕事をすることを目標の1つにしていた私は、「これだ!」とその場でパソコンから応募をして、その1、2週間後には研修合宿に出かけていました。
人生、そういうもんですよね。
そういうもんな時は、無駄に頑張ることもなく、抗うこともなく、とんとんとーーんと進んでいく。決まっていく。
それにしても、当時の私のフットワークの軽さと決断力、未知なことをさほど考えずにわくわくに従うところには、目を見張りますね。
というわけで晴れて英会話講師として働き出した私には、アメリカやオーストラリア、イギリス出身の、ネイティブの講師の仲間がたくさん出来ました。
帰国しても英語ベースの日々が送れて、異文化を知ることも出来て、「英会話を教えることが天職だ!」と胸を張って言えるくらいに楽しかったし夢中でした。
そこからどうして、どうやって、またダンサーを目指して邁進しだしたのかは、また別の記事にて。
そんなある日、イギリス人の同僚の1人が、謎の病気にかかって緊急入院してしまいました。
日本語がぺらぺらな子でしたが、病院とのやり取りはなかなか難しく、異国の地で1人で不安であろうその子の力に少しでもなれればと、私もちょくちょく病院に通っていました。
とは言え、私自身も東京という異国のような地で1人、心細かったんでしょうね。
その子のことも、自分のことも、抱えきれなくなってしまいました。
その時です!!!
ヒーロー、もとい、スーパーヒロイン、私のお母さんが、茨城から東京の病院まで来てくれたのです!!!
そしてなんと、入院食はあまりおいしくないだろうからと、そして私もろくなもん食べてないだろうからと、肉じゃがを作って持ってきてくれました。
涙です。心もお腹も震えます。
タッパーの蓋を開けると、あぁ、いい香り!お隣のベッドの方、ごめんなさいね!
さて、いただこうか!という時です!
お母さん「あぁ!!お肉を入れ忘れちゃった!!!」
・・・・・そ、
我々「それはもう、肉じゃがじゃなくて、じゃがじゃがじゃないか!!!!泣」
そんなお母さんのおちゃめ要素もこみこみで、その時食べたじゃがじゃがはとっても美味しかった。
イギリス人の同僚も、爆笑しながら美味しそうに嬉しそうに食べてくれました。
お母さん、助けに来てくれてありがとう。
ちなみにさっきの写真は全く関係のない、私の主催ワークショップでの一コマです。(新本千尋ちゃん、勝手に友情出演ありがとう!)
んー、しかし、お母さんのことだけ晒すのも気が引けるので、自分のちょっとした忘れん坊ぶりもさらっと。大したあれじゃないんですけど。
なんでだったか理由は忘れてしまったけれど、至急お母さんの実印を押してもらわなくてはいけない書類があって。
当時、お母さんは茨城、私は大阪に住んでいて、郵送でやり取りする時間は無い、それくらい急いでいたんですね。
なので、東京で待ち合わせして、その場で書類に印を押してもらおう!ということになりました。
いや、本当、何の書類だったのか全く覚えてないんだけど、そこまでするくらいの大急ぎって何?
まあ、そうして当日、待ち合わせして、急遽会えたことに喜びつつ、とりあえずランチしようと近くのお店に入り、私があーだこーだと近況報告をしていたら、お母さんが言いました。
お母さん「じゃ、忘れないうちに、まずははんこを押しちゃおうか!」
・・・・・・・・・
私「書類、忘れました!!!」
急遽東京に行けることとお母さんに会えることが嬉しくて、嬉しすぎて、肝心の目的を見失っていました。
そうだ、私は書類にはんこをもらいに帰って来たんだった、そんな気持ちでしたから。
そうして、それだけの急ぎの書類を結局どうしたのかは全く覚えていませんが、まぁこういうことはよくあります。
親娘、ですな!
(しんちゃん、4度の友情出演ありがとう!)
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