アメリカの高速でスピンして逆走した話。
ついに書きましょう。
アメリカ生活最大のアクシデント、いえ、アクシデント未遂で済んだからこそ、今こうして生きてnoteを書けている、急死に一生の物語を…!
アメリカはカリフォルニア州サンディエゴに留学していた時のことです。
車がないととても生活していけない街ですから、私も三菱のシルバーの車を日本人の先輩から中古で買って、毎日高速をかっ飛ばして学校に通っていました。
ちなみにアメリカの高速は無料なので、日本で言うところのバイパスみたいな感じで、いつも気軽に利用していました。
その日は、かつてラスベガスでハウスシェアをしていた日本人の親友さきこが遊びに来てくれていて、私の運転でモールかどこかに行こうとしていました。
高速道路に入る時って、日本でもよくありますが、なんかちょっと急カーブが続いたりするじゃないですか?
左にハンドルを傾けて、アクセルをさほど緩めなかったものだから、タイヤからきゅきゅきゅ!なんて音が鳴って、さきこが「きゃー!ちょっとー!減速ー!」とかなんとか笑っていたような気がします。
そして、高速道路のストレートな5車線に進入した、その時です。
突然、ハンドルのコントロールが効かなくなり、車が右に左にスピンしだしたのです!!!
「ぎゃああああああああああああああ!」
さきこです。
「死ぬーーーーーーーー!!!!!!!!!」
さきこです。
私はと言いますと、人間、こう言う場面になると、本当に全てがスローモーションに見えて、とてつもなく冷静に状況把握と今後の対策が出来るのですね。
とりあえず、このスピンが終わるまでは、抗わず、アクセルから足を離して待とうと。
右に左に体をぶんぶん振られながら、助手席のさきこの叫びを遠くに聞きながら、冷静にその時を待ちました。
そして車が落ち着きを取り戻し、ハンドルとアクセルが私のコントロール下に戻ったことを察すると、即座に車線に沿って走り出しました。
ほっ。。
とする間もなく、次に見えた景色は、5車線すべてを埋め尽くす車。
逆走です。
正面から走ってくる車の運転席の黒人の女性の、驚きのあまり目も口も大きく開けたその表情と、黒人の方らしいくるくるの髪型が、まっすぐしっかり目に入ってきました。
それくらい、体感がゆっくりなんです。
さらに言うと、私は目が悪くて、本来ならそんな細部なんて見えるわけがないのに、見えたんです。
ここぞ!って時のパワーは恐ろしいですね。
そして、全車線から車が向かってきており、逃げ場もなく、絶体絶命のピンチかのように思われたその時。
相変わらず「死ぬーー!死ぬーー!」と叫ぶさきこに「大丈夫!いける!」と答えながら、1番端にある緊急時に車を停められるレーンに向かって、思いっきりUターンを切りました。
そして見事その緊急レーンにおさまり、車を停めた瞬間。
もう漫画みたいに、全5車線の車たちがひゅん!ひゅん!ひゅん!と私の車の隣を通り過ぎて行きました。
1番右の車線にいたお兄さんが、やっぱり口をあんぐり開けてこちらを見ていたのも覚えています。
ふぅーーーー。
これにて、本当に、一件落着です。
と思ったら、なんだかめちゃくちゃ笑えて来ました!爆笑です!やっば!やっば!
さきこは呆然と泣いていました。
そりゃそうです。
ごめんね、さきこ。
ここで振り返ってみると、まず何よりも、高速のストレートの5車線に入った瞬間に、1台も車が走っていなかったことがもう奇跡。
その後私がどれくらいの時間スピンしていたのかわかりませんが、その間だってそう。
そして私の頭が常に冷静で、360度何が起こっているのか全て見えていて、この先どうしたらいいのかも考えるよりも早く分かっていて、行動も的確で、超人過ぎたことです。
ひとしきり爆笑した後は、ちゃんと恐怖が訪れて、手が震えて来ました。
何もなかったことにしたくなって、「仕切り直して、行こっ!」(仕切り直せる神経もすごい)と元々の目的地に向かって車を走らせようとすると…
ガタン、ガタン、ゴトン、ガタン
パンクです。
仕方なく、その緊急レーンで手を挙げながら、タイヤを交換してくれる優しい誰かを待っていたら、割とすぐに優しいお兄さんがスペアタイヤと交換してくれました。
アメリカのこの助けあいシステム、大好きです!
その後まずはタイヤ屋さんに行き、パンクしたタイヤを見ると、そこには釘が刺さっていました。
どのタイミングで釘がささって、パンクが原因でスピンをしたのか、スピンが原因でパンクしたのかは、タイヤ屋さんにも分からないようでした。
まぁ、その時はもう早くこんな怖かったことは忘れて、モールに行ってアバクロで買い物したりボバティー飲んだりしたかったので、そこからのことは覚えていません。
ここまで【九死に一生】と呼べるほどではなくても、私の人生って割と危ないことがよく起こるんですが、私はいつだって無事オブ無事。
これはもう、神様か、ご先祖様か、天使か、女神か、龍か、もはやわかりませんが、そう言う誰かが助けてくれてるとしか思えない!
いつもありがとうございます。
このことだって、その後どれだけの人たちに話しては、ひと盛り上がりさせてきたことか。
本当に、私が今も元気に生きてるから話せることばかりですけど。
ということで、今日は私の人生はネタだらけ!の代表格をお届けしました。
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