drawどちらも勝てた試合

チャンスの数でもないし、どれだけスーパープレイを繰り出せたか、ゴールに近付いたかではなく、
本当に、ゴールを割ったか、ゴールネットを揺らしたか、そこでしかない。90分とロスタイム(今はアディショナルタイム)が終わって、点数をどちらが多く取ったか、
端的なゲームであることを、改めて考えさせられた。
アルゼンチンが猛攻を仕掛けても得点を奪えずに最後は大敗するのも、ドイツがカウンターによる虎の子の1点に泣くのも、スペインが素晴らしいボールの過ごし方で翻弄しても敵の大エースにハットトリックを許せば、負けは負けだし惜敗も引き分けもすべて、勝利の美酒を味わうには値しない最悪の結果なのである。
凄く只々、当たり前のことを言っている。日本にとって、セネガル戦は勝てた試合だった。しかし、セネガルにとってもそうした想いは同じだろう。
前日の、ドイツ対スウェーデンでの劇的逆転勝利の残像を思い浮かべて、歓喜の雄叫びをあげる準備はしていたが、同点決着。
どれだけ内容が充実していようとも、最後に繋がらなければ、試合終了の笛とともに、後悔の念が滲むのは言うまでもない。ここまで、勝って引き分け、最後に28日(29日)にどうグループリーグ最終戦を締めるのか、その先の景色には何を見据えることになるのか。
次戦で引き分け以上で決勝T進出に王手とし、敗退決定したポーランドのモチベーションがどれほど保たれているのか、幾らか追い風になる要素は揃っている。
勝てたというならば、正に今節の悔し過ぎて悔し過ぎる引分を糧に、次節ポーランド戦で何をもたらすのか。必ずネクストステージへ進出してダークホースとして暴れまくって頂きたい。
やはり、先制点を許す展開、追いかける展開はリーグ戦といえども、こういう一戦一戦が決戦のようなビッグコンペティションでは、強弱の格差やFIFAランクがそのままスコアにすんなり反映されないこともあり、膠着or拮抗した試合になるので、点数という目に見えての劣勢は、出来ることならば回避したい。
逆転というものは、相当難しい。だから、先制点と勝ち越し点だけは、許すまじの気概と試合運びは必要不可欠だ。全体を通して、そのことが身に染みる10日間となった。
采配は2失点目で即座にメンバーチェンジと、切り替える為のスイッチとして機能し、反撃のメッセージをピッチに与えることが出来て、見事に2度目の同点弾に繋がった。
監督交代がサムライブルーを暗転させることはなく、沈みかけていた指針不明の船に、再び道筋を示すことができ、選手一人ひとりからチームという集団が、生き返った蘇った。折角ここまでもの上昇気流に上手くライドしたサッカー日本代表をまだまだ見たい。
破れては、そこまでのチームだったという見方になってしまうだろう。でも、今や根っからのサッカーファンも急場で俄かな方々も、W杯開幕前とは打って変わった日本代表のシンデレラチックなサクセスストーリーを引き続き「観たい、応援したい、この一体感をもっと持続させたい」という機運が盛り上がっているに違いない。
観る方観ない方、観てきていない方、これから観たい方、様々いらっしゃることは承知しますが、次のポーランド戦も見逃すわけにはいかなくなってしまった。寝不足が連日続き、体調管理に暑さにやられないように気を付けたい。

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