ダブルス戦術② 雁行陣のクロスラリーで高い軌道のラリーになった場合の攻撃方法

第1回目の戦術は多くの方にご感想を頂き大好評でした。ありがとうございました。引き続き、戦術をプレー以外でも勉強する事によって自分のプレーを進化させていくようにしましょう。

さて、第2回目は雁行陣のクロスラリーで高い軌道になった時の返球コースと対策です。普段、練習や試合でしているテニスと今から説明するテニスは全く戦術が違うと思います。今まで教わってきた方法は守る事が多い、つまりミスをしないようにと教わって来ていると思いますが、この戦術では自分からポイントを取る方法を伝えます。守る事を徹底するのではなく、攻撃をしていかなければ、何が良くて何が悪かったのかが全く分かりません。攻撃をしていく事こそが、次のステップに繋がる秘訣なのです。

雁行陣の時にありがちな高い軌道の戦い

まずは雁行陣の時に起こる高い軌道のクロスラリーとはどのような状況でしょうか。図で見てみましょう。

高い軌道のクロスラリー

これが雁行陣の時の高い軌道のクロスラリーです。この時に注意しなければいけないのはクロスラリーをしている人のポジションです。ベースラインから後ろに下がっているのが分かりますね。後ろに下がってしまうとロブを上げて戦うしかありません。

クロスラリー時の返球コース

このような状況になります。赤色の矢印がお互いの攻撃パターンです。どちらもストレートロブを狙うしか方法がありません。特に女性のダブルスになると、このような状況が多くなるでしょう。手前の選手には低く打った時の返球コースも黄色の矢印で記しておきました。しっかり振っても打ったボールが浅くなって前衛のボレーに捕まって攻撃されてしまう事が多くなるでしょう。

高い軌道のクロスラリーの脱却方法

この状況を打破する為には、クロスラリーの対決に変化をつけなければいけません。キーポイントはこの部分になります。

クロスラリー対決を打破するキーポイント

黄色の矢印を入れた部分が勝負する打点になります。つまり打つポイントです。1バウンドする前に展開を早くして攻撃をする方法がクロスラリーからの脱却方法です。この戦術をする為には攻撃する勇気が必要です。強気でノーバウンドでボレーする技術を身につけましょう。

クロスラリーの時に前に移動するタイミング

高い軌道のクロスラリー中に前に行くタイミングはいつなのでしょうか。レッスンの時にも良く質問に上がるのですが、前に行くタイミングは1バウンドして上がってきたぐらいに前に行きます(黄色の矢印の部分)。この方法で次の攻撃体制を作ります。強気に打ってこられても、ロブを上げられても大丈夫なポジションを取ります。ポジションの場所は上の図に描かれているように、後ろから前に来る選手はサービスラインの少し後ろに、前衛はそのままの場所をキープしておくと良いでしょう。ロブが多い場合は味方の前衛も後ろに下がって2人でロブケアのポジションに立ち、スマッシュを打てる構えを作っておきましょう。下の図がロブケアの時のポジションになります。

ロブケアのポジションを取った状態

勝負をするコース

さて、いよいよ勝負をするコースはどこかという説明になります。戦術はここまでが大切です。1番注意すべき点はバックハンドハイボレーを出来る限り使わないという事です。スピードが出せる人は使っても良いですが、攻撃力があり警戒されるショットと考えるとスマッシュが1番です。スマッシュを打つコースは以下の図の通りです。

スマッシュで攻撃するコース

このように後衛とは戦わずに前衛と戦うようにしましょう。相手の前衛のポジションを確認して、相手の横を通すようにしっかりと狙いましょう。相手がボレーでブロックしようとしても、上から打たれるショットはスピードが速いし、ボールも重たくなるのでブロックするのは至難の業でしょう。きっちりとスマッシュでポイントを獲得出来るようにしましょう。

まとめ

高い軌道のクロスラリーはどちらかがミスをしないと終わらないラリーです。ずっとロブ対ロブでラリーをして、相手のミスを待つぐらいなら自分のスキルアップをする事も含めて、相手との距離を縮めてスマッシュやドライブボレーで攻撃できるようにしましょう。テニスは後手に回ると進化は出来ません。相手の行動を予測して常に先手を取るようにしていきましょう。

いかがでしたでしょうか?前回に比べて少し難しい戦術を説明させて頂きました。しかし、この戦術を使える事によって相手とのレベルの差は一目瞭然となるでしょう。是非、対戦相手をアッと驚かせるようなレベルアップが出来るように一緒に頑張りましょう!

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