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コロナ渦直前にカフェ開業しても潰れなかった理由

2019年12月に自家焙煎のカフェを内装から自分で作りオーナーさんとの協力で開業しました。しかし、翌年(今年)の2月辺りからコロナさんが頭角を現し始め開店早々にコロナ渦に巻き込まれることになってしまいました。

開業から2年半でコロナの洗礼を受けつつも2022年5月現在まで廃業せずに運営することができました。(今は当初の2倍以上の売上がたっています)
今回はコロナ渦に開業して思ったことと厳しい中でも潰れなかった理由と個人見解を僕の経験から簡単に書いていこうと思います。

後に開業を志す方でも、不況やコロナのような天災などの想像の範疇を超えたタイミングで来る可能性は十二分にあります。
そういった中でもやりくりしていかなければいけないことを想定して動くための参考にしていただけると幸いです。

p.s:後に実店舗やECなどの開業や運営に関して役立つ情報を発信していこうと思います。興味のある方はフォローしていただけると幸いです。


①カフェは工夫がないと儲からない。本気で儲けたいならお酒やフードで客単価を取りに行くべきだが、他の要素でも工夫次第で行ける。


まず最初にカフェを開業しようとしている皆さんに向けてのメッセージを残したいと思います。

結論から言うと『コーヒーは客単価が低いため大きな利益を生むにはひと工夫必要』という点をしっかりと理解することが大切です。

まず、月商100万円を目指すなら無休でやったとしても1日34,000円ほどの売上が必要になります。

コーヒーの単価は400円~700円程度になります。
コーヒーだけを飲みに来るお客様のことを考えて客単価は上記の平均値550円とします。1日に34,000円売り上げるためには34,000÷550=62人の数字が必要になってきます。

一見簡単そうな数字に見えますが、僕が開業したカフェの1日の平均客数は約40人です。
繁華街や東京の1等地でカフェを運営するのであればもっと客数は見込めますが、その分テナント代が月に3桁近く行ってしまうところもあるため、確実に利益を踏んでいくためにはある程度安いところを選ぶことを検討されている方も多いと思うしそれが普通の考え方だと思います。


コーヒーだけで商売するなら低客単価で客数を増やすことになっていきますが、客数は本当におもったように伸びません。
更にいうと1日50人を超えるとお客様の入り方にもよりますが、1オペでの運営は非常にしんどいです。(ましてや無休運営を想定しているなら確実に心身ともに壊れます。)

大事なことをまとめると

①客数は思った以上にはじめは伸びない。(コロナならなおさら)
②コーヒーだけでは低客単価になってしまうので、客数で稼ぐ回転数稼ぎよりも客単価をいかに高く持っていけるかを考える方が辛さが3倍くらい違う。
③1オペで人件費をカットするのは◎ただし、客数勝負の事業形態は心身ともに壊れる可能性があるので無理のない運営環境を考える必要がある。

という感じです。


客単価を上げていく考え方になった方は「それじゃあどのように客単価を上げていくの?」という話になると思います。
おそらくお酒などのアルコールの類、フードなどで客単価を上げていくことを考えているでしょう。

アルコールは現在飲食店経営の保健所許可で問題なく提供が可能ですので、うまくカフェでもアルコールを飲めるようにブランディングすればすぐにでも導入できると思います。
フードに関しては少人数運営の場合は美味しさの次に『手間』を非常によく考えてメニュー考案をすることをおすすめします。
『手間』がかかってしまうフードは提供時間が遅れるなどの状況を発生しかねます。他に仕込みに時間がかかるフードなどを導入した際は仕込み時間も労働時間に組み込まなくてはいけません。最終的にお客様の満足度を下げる結果に繋がりかねないためなるべく簡単に作れるものでかつ美味しさを追求できるものを考案することをおすすめします。


上記のフードメニューの強化、アルコール提供などでも客単価は上がりますが、それ以外でも客単価のUPは現実的に可能です。
カフェの強みとして『コーヒー以外と掛け合わせることでよりブランド力を強化できる』という何かと合わせることでより高みを目指せる複合的な特性を持っています。

例えば、アパレル販売やグッズ販売、美容室や他業種との複合運営と言ったものと一緒にコーヒーを販売することで、客単価問題を著しく改善させることが可能です。

開業を考える段階で、ゆくゆくはそういうムーブができるようにコーヒー以外にも様々な知識やスキルを身に着けていくことがおすすめです。



②天候は顕著に売上に影響する。多分実店舗なら他の分野でも一緒だと思うが。。。


次にお話する内容は『天候』です。
飲食店やカフェに限らず、実店舗経営の場合は必ず想定しなければいけない要素の一つになります。

1年を通してみても雨の日が多い梅雨や真夏の暑い日、そして冬の外に出る人が減るタイミングなど月によっても人の動きは基本的に天候に左右されます。
月の売上予算はそういった内容からも考えるべきなので、一つの指標として必ず考えに入れておきましょう。


また、テナントの属性によっては雨の日のほうが人の出入りが多くなるといったこともあります。(駅前などは普段徒歩や自転車などの利用客が雨天時公共機関を使うため多くなる傾向があります。)
そういった天候を考えたテナントのメリット・デメリットを開業前にしっかり予測をたてておくのは非常に重要です。
その際の対策などを練っておくだけで開業後にできる余裕が違います。

また、僕の開業したカフェでは開業1年目は雨の日は全く人が来ない状況がほとんどでした。(目安として普段の売上の3分の1程度)
基本僕一人の1オペで人件費を使っていなかったため店を開けても赤字にはなりませんが、人件費を割いているお店にとっては運営することで赤字になる日があるということです。

ただ、地域の知名度が上がるにつれて2年目以降は雨の日でも安定した売上がたつようになりました。
要因としては以下の通りと考えます。

①近隣の知名度が上がることで雨の日でも安定した集客ができるようになった。
②一見さんではなく常連さんを多く獲得する努力をすることで、あえて人が空いている雨の日に来訪される常連さんを作る。

正直に言うと雨の日対策は僕のカフェでは全くやっていません。
ただ上記の項目しかやっていませんでしたが、その地道な積み重ねで今の安定感が生まれていると確信しています。

また、それでも即効性のある効果を求める対策を講じるのであれば、雨の日サービスなども設けてもいいかもしれません。
雨の日に来訪するとなにかサービスが発生するなどお客様にとってメリットを掲げれば反応してくれる方も多いはずです。



③人は最初は雇うべきではない、なるべく固定費や変動費をカットするのが◎


経営の基礎的な考え方ですが、『なるべく固定費、変動費などの諸経費は抑える』という点で一つカフェをやる際で人件費のお話をします。

僕はカフェを行う際に最初は1オペで行うことを絶対としていました。
理由としてはメニューも確立していない状況下でスタッフの育成や初期の運営などを一緒にやる自信がなかったことと人件費という費用の削減を目的に1オペを選択しました。

人によってこの点は考え方は様々だと思いますが、僕はお金に余裕がなければ1オペをおすすめします。
対してお金に余裕があるのであれば、スタッフ育成などの基礎的なマニュアルも確立できているのを条件に最初から一緒に働く仲間を採用して行くのもスピード感のある事業成長のためには効果的だと思います。

一つ注意すべきは、人件費や他経費等を使うことに対して『楽するため』という考え方で望まないことです。
あくまでも『経営をスムーズにする』こと『後の事業成長のための投資』という基本的な考え方でお金は使いましょう。

そういった点で『固定費、変動費を極力抑える』という概念は非常に大切です。余ったお金は事業の成長のための投資に割けるのですからその部分は必ず押さえておきましょう。




④モチベーション管理が大切。自分の頑張る気持ちが無くなった時点でゲームオーバーだと思う。


最後に『モチベーション』の話をします。

開業をするにあたりどの事業でもいえますが、モチベーション維持は必須と言っても過言ではありません。
やる気が失われるような状況はたくさん存在します。
僕の場合は開業2ヶ月目で起こったコロナが一番大きなモチベーションブレイク案件でしたが、他にも人間関係やオーナーとの関係性、近隣住民やお客様との関係でもモチベーションに関わってきます。

また、行っている業務の好き嫌いも考えなくてはいけません。
やっていることが継続するのが辛くなることが想定される場合は自分自身がこなう業務等を見直す必要性があります。
カフェ開業を志している方で「自分はコーヒーが好きだから大丈夫」と思っている人でもコーヒー業務以外のことをやらなければいけないことも業務内容で想定しなければいけません。
経理や事務作業、ポップづくりやデザイン作成、ウェブページ、SNS運営など事業運営を行っていく際に必須業務は意外と多くあります。
動ける人間が自分しかいない場合はそれらを自分一人でこなすことができるのか、または必要になった際や早急に改善が必要な場合動くことができるのかという点でもモチベーションと関連付けて考えてください。

僕の場合は経営や店舗運営に自分自身のリソースを割いて集中したかった為、経理などの事務作業はオーナーや別の人に任せました。
SNS運営やウェブページ作成は自分でできるノウハウを持っていたので業者さんに頼まず自分で作成しコスト削減しました。
それらの運営も嫌いな業務ではないので基本的にはメンテナンスやSNSや運営も僕自身で行っています。

業務内容の振り分けはご自身の能力や好き嫌いで決めるべきで、後々他の人に任せるにしろ最低2年は継続しても苦ではないように各々の担当を決めるべきです。
今やっている業務も少しずつ変化していくことは間違いないですが、モチベーション維持ができず継続できないということだけは何も生み出さないので避けるように努力しましょう。


終わりに

最終的にコロナ禍の話というよりは基本的にこれをやっていたら困難にも乗り越えられる確率がある項目といった感じになりましたが、ぜひ参考にしてみてください。

また、開業の類の情報をこれから発信していく予定なのでご興味のある方はフォローしていただけると幸いです。
(具体的な数字や特定の業務内容のノウハウなど有料情報も上げていきます。)



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