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【Chapter1】 誰でもできる最強ホテルの作り方

このマガジンは、2020年2月から5ヶ月間限定でnoteに無料公開していた記事(12記事)に、新たに追加していくというスタイルで、運営会社のノウハウではなく、個人的に編み出したホテル運営のアイディアを集めた運営ノウハウ集です。
100%同業者様向けとなりますので、続編以降は有料記事とさせていただいています。
また、このマガジンの全ての売上は、購入いただいた同業者様に還元したいと思っております (皆様の宿を利用させていただく予定です)

はじめまして。
瀬戸内リトリート青凪の総支配人、吉成です。

私のnoteでは、ニッチではありますが、現在ホテル業界で働いているスタッフさんや、ホテルマネージャーや若手の支配人の皆さんに、明日から使える実践的なホテル運営のノウハウとアイディアを中心にアウトプットしていきたいと考えています。

ホテルやゲストハウスの運営をしていて、離職率や集客に困ったり、ブランディングやマーケティングのノウハウがいまいち掴めないという方にピッタリです。そして、そのまま実践するだけで恐ろしい効果が見込める内容となります。

ご興味のある方は最後までお付き合いください。

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失敗から学ぶ、新時代の支配人スキル

私が支配人を務めている、瀬戸内リトリート青凪。
国内系ホテル初のミシュラン最高評価や世界ホテルアワード3冠など、やや輝かしいイメージばかりが先行していますが、開業から1年半は想像を絶するくらい危機的な状態が続いたホテルでした。

ここでは詳しく書けないのですが、開業早々に多くの人的トラブルが勃発。
開業営業戦略の失敗→大赤字、支配人の統率失敗→初期スタッフの連続退職。
などなど、混乱の中進んできました。

支配人は次から次へと退職し、1年半でなんと4名が入れ替わり。しかも4人目となる最後の支配人が、いわゆる”総あがり(スタッフ一斉に辞めること)”を行います。支配人と料理長、副料理長などのコアメンバーが退職日付を合わせて去ることになりました。
しかも日付は、8月10日。ホテルが一年でもっとも忙しくなるお盆シーズンの始まりでした。
(※この日を記念して青凪では"811"がメモリアルデーとなっています)

そんな流れで私が5代目の支配人となったのですが、当時役職もないいちスタッフとして採用された私がいきなり総支配人になれたのは、特に優秀だったからではなく、消去法で抜擢されたためです。

つまり他にやれそうな人材が全くいないので繰り上げ当選でやることになった。というスタートでした。
飲食店で例えると、店長がバックれちゃったので、昨日までのバイト君が店長になる!という感じです。実際に私の支配人初日のメイン業務は、レストラン配膳と皿洗いでした。

今思うと、当時はチームは4度の危機を経て完全に疲弊しており、会社もろとも崩壊に向かっていくような、不穏な空気が漂っていたという確かな記憶があります。

しかし、同時に、一つの事実を発見しました。


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4人の支配人の運営手法に”同じレシピ”はなかった。


あっという間に上司が何人も入れ替わる。
という経験がある方はどのくらいいるでしょうか。人材の入れ替わりが多いホテル業界でも、1年半で4人の支配人入れ替えは異常にレアケースだと思います。

我々が1年半の間でそこで見たものは、4人の支配人それぞれが、全く同じ施設で同じスタッフと共に仕事をしていながら、それぞれが全く別の指示をだし、それらが結果的に”良くない結末”を生みだし、退職に至るということでした。

10人の支配人がいたら、そこには10通りのスタイルと考え方があります。
そしてスタッフのマニュアルとルーティン表はあれど、支配人業務のマニュアルというものは世の中に基本的には存在しない。実際に支配人の全員が感覚や自己の物差しを使ってホテルを運営しようとしている。
つまりは、職人さんが現場の師匠の背中から学んだ肌仕事をしているのに近い状態であるという発見があったのです。

つまりホテル運営とは、ある意味、完全な自由である。
フォーマットなどない。恐ろしくクリエイティブな仕事である。

という事実に気がつきました。

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手探りではじめた改革


コロナ前の2020年2月時点で、我々  瀬戸内リトリート青凪は

・3年連続黒字収支
・前年対比売上:39ヶ月連続増
・過去2年の離職者:2名のみ(うち寿退社1名)
・社員全員昇給、パートにも賞与を支給
・トリップアドバイザーエクセレンス 5.0
・一休.com 口コミ西日本1位(旅館部門)

・ミシュラン最高評価(5レッドパビリオン)
・ワールドホテルアワード3冠


などの成績を納めることができました。
(一部抜粋です)

以下は実際に現場で行ってきた改革をまとめた記事です。

これはあくまで個人の見解に基づく、自己流のノウハウとなります。
ご興味がある方のみ、お進みください。

皆さんの運営する宿の参考となりますように。

もくじ
【Chapter2】 チームビルディング①  〜離職率改善〜 (3484字)
【Chapter3】 チームビルディング②  〜チーム改革〜 (2751字)
【Chapter4】 チームビルディング③  〜チームデザイン〜 (3510字)
【Chapter5】 コミュニティ形成① 〜ローカルコミュニティ形成〜(2868字)
【Chapter6】 コミュニティ形成② 〜SNS運用ノウハウ〜(3637字)
【Chapter7】 価格設定手法 〜プライシングロジック〜 (1856字)
【Chapter8】 ZOOM研修 (1489字)
【Chapter9】簡単なホテル利益分岐点の算出方法 (2009字)
【Chapter10】ホスピタリティ理解① (2537字)
【Chapter11】ホスピタリティ理解② (3215字)
【Chapter12】最強のツァイガルニクSTAY設計とは (2379字)


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瀬戸内リトリート青凪

愛媛県松山市に2015年12月開業した、スモールラグジュアリーホテル。
建築設計は、世界的な建築家の安藤忠雄氏。
1998年に建てられ、元々は美術館を併設したプライベートなゲストハウスとして誕生したが、2015年に運営会社、(株)温故知新によりラグジュアリーホテルとして運営スタート。
2018年には国内系ホテル初のミシュラン最高評価を獲得。翌年2019年には世界のホテルアワード3賞を獲得。

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