お散歩は5番をさすりながら / 2024.6.26

朝7時。「ストップ」とスマートフォンにお願いするのが毎朝の日課である。明日の自分への期待はもっとも怠惰な自分によってあっさりと裏切られてしまう。重ねてお願いする。「OK,google タイマー3分かけて」と。

正午をすぎた頃に今日の仕事は終わり、昼食をとったり仮眠したりした後で、ゆるゆると歯医者に向かう支度をはじめる。

ここ1，2ヶ月ほど、水曜日は諸々の治療のため歯医者に毎週通っている。昔に詰めた第二小臼歯が痛んできたので診てもらっている。犬歯の隣の隣、番号は5番。状態は〇。

歯は大事とあらゆる方向から見聞きしてきたが、治療中である歯の噛みずらさといったら煩わしく、常に噛む歯に気を遣わなくてはいけないし、そのせいでこの期間は十分に食事を堪能できた気がしなかった。それもこれも来週で行程が完了する。一安心。

水分をたんまり含んだ重たい雲に覆われた空模様は家を出た時とは相変わらず、傘を持ってきてなかったのでいつものように歯医者を出て左へ、足早に歩いて家に帰ろうかなとおもったのだが、今日はなんとなく右へと歩いてみた。持ち物は財布とスマホとイヤホンだけだったので、最悪走って帰れるくらいには身軽だった。時間は16時30分ごろだったか。下校途中だったり習い事ヘ向かうの小学生や中学生をちらほらと見かけた。

そういえばこの前同じくらいの時間に小学校の前を通ったのだが、そこには遊んでいる子が1人もいなかった校庭があった。がらんどうとした校庭を横目に、かつて日が暮れるまでサッカーして遊んでた自分の影をみながら、家でゲームでもしているのだろうか、今は誰かの家に集まらなくてもみんなでゲームができるから門限もそれほど気にせずにいっぱい遊べて楽しいだろうなとおもった。

いまは駐車場になった駄菓子屋跡地を通りすぎ、ここからあと10分くらい歩いたところにある薬局でリンデロンを買う事をいちおうの目的に設定した。日々の疲れのせいか、先日甘い物をドカ食いしたせいか、顔が荒れに荒れている。31アイスクリームのアイスケーキとドミノピザをむさぼるという明らかな愚行に対して愚行権を行使した代償は想像していたより尾を引いているが、後悔はしていない。だって美味しかったんだもん。

アイスの冷たさが恋しいじっとりとした気温の中、目的地に到着。リンデロン軟膏は税込み1980円くらいだった。3割負担のありがたみを知る。

少々小腹が空いたので、近くのモスバーガーに立ち寄る。ロースカツバーガーとホットドッグ。いつものセット。17時という狭間の時間で閑散とした店内でしずしずと平らげつつ、noteに書くテーマを考えようとしながらぼーっとした。なにも浮かばなかった。

今日はひさしぶりに日記を書こうと決めたのは作成画面を開いてからであるなんてことはつゆしらず、少しの焦りを覚えながら歩いて帰ることができた。気がつけば空は曇り空から晩に差し掛かっていた。

自宅に到着し、エアコンをつけ、シャワーを浴び、ラーメンを食い、今こうして日記を綴っている。この後は「おしまい。」と打ちこんで記事を下書きに保存し、最近パラ読みしている本をパラパラしてみて、床に就くつもりだ。

今日を振り返ってみると、ふだんは歩くときは何かしらの目的や移動、手段としての徒歩なのだが、今日はまったくといっていいほど目的ない散歩、初めて散歩らしい散歩をした気分だ。ひと言でいうなら凪。

といったところで今日は店じまいとする。明日の自分は果たして約束を守ってくれるだろうか。半分だけ期待してみるとしよう。

おしまい。