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ほぼゼロから内定者フォローを企画した

こんにちは、デザインマネジメントファームCOLOGUEの藤井です。今回はCOLOGUEの所属するデジタル・アド・サービスで、新卒の内定者に対して内定後から入社前までのフォローアップの仕組みを半年間整えたので、その企画方法について共有します。

この記事のターゲット

  • 内定者に対してフォローアップを検討している人事担当者

  • 人事がない中小企業で、内定者辞退を減らしたい採用担当者

  • 内定者を会社に早く慣らしたいマネージャー


内定者フォローで実施したこと、まとめ

  1. das.社員と連絡が取れる、Slackチャンネルに招待

  2. 内定〜入社までのイベントカレンダーの配布(Notion)

  3. よくあるけど聞きづらい質問集の配布(Notion)

  4. 月に1度、1時間のオンラインミーティング

  5. 内定後と入社前に現在の状態のアンケートを記入

詳しい実施内容はこちらの記事を参照ください


内定者フォローの効果

内定後・入社前のタイミングで同様のアンケートを記入してもらったところ、対象者どちらにもポイントの上昇が見られました!

うれしい!
全く当てはまらない(1)〜よく当てはまる(5)の5段階評価で評価してもらいました


企画にあたり、ベースとした考え方

内定者フォローを「内定者を組織に定着・慣れさせるための研修」と位置づけ、こちらの書籍を参考に企画を行いました。


1.研修の目的は「経営・現場にインパクトをもたらすこと」

研修とは「仕事場以外の場所において、学んだことを仕事場で実践してもらうことを通して経営・現場にインパクトをもたらす仕組み」。あくまでも手段の一つに過ぎないと考える。
2022、中原淳・関根雅泰・島村公俊・林博之、
「研修開発入門 「研修評価」の教科書 「数字」と「物語」で経営・現場を変える」
ダイヤモンド社より、引用し要約。

著書では、研修の目的は「経営と現場にインパクトをもたらすこと」を目的とされ、学習は「現場での行動変容」を導くものであるとしています。今回の内定者フォローも「新入社員が入社したときの行動が経営と現場にインパクトをもたらせる」ことを目的とすることで、人事・採用以外のメンバーに対しても協力をしてもらえるよう呼びかけました。


2.成果の明文化と、行動の抽出が重要

先行研究から「(研修で期待する)成果」につながるのは「行動(現場で実践したかどうか)」である。
2022、中原淳・関根雅泰・島村公俊・林博之、
「研修開発入門 「研修評価」の教科書 「数字」と「物語」で経営・現場を変える」
ダイヤモンド社より、引用し補足。

研修後のアンケートでよく計測する「満足度」では、学習を活用してインパクト(成果)や現場での実践度を予測できないと述べられています。そのため、研修において成果を出すためには「どんな成果を出したいか」そして「現場でどんな行動をすると成果に結びつくのか」を明文化し、この「行動」を指標にすることが重要です。


起こしたいインパクトから、現場行動を明文化

運営メンバーと対話しながら「全社・部門目標(起こしたいインパクト)」からバックキャスティングして「結果・状態」「理想的な入社後の現場行動」「学習目標」を設定していきました。

こんなふうに考えて、内定者フォローの学習目標を設計していきました


理想的な現場での行動を、さらに解像度をあげる

検討した理想的な行動を、さらにシーンが頭に浮かぶように明文化していきます。このシーンを内定者フォローにおける「指標」として、アンケート項目に流用していきました。

アンケートは5段階評価に


学習目標をもとに、フォローコンテンツを作成

学習目標を達成するために、具体的にどんなアクションが必要かを検討して、コンテンツに落としていきました。例えば「チームメンバーの顔と名前が一致している」という理想的な現場目標をもとに、「チームメンバーと対話する」などと学習目標を立て、では「入社前にチームメンバーと顔合わせミーティングをしよう」と企画を考えます。


月に1度のミーティング後にふりかえり実施

具体的な取り組みのひとつとして、月に1度内定者とのミーティングを行いました。ミーティング後には内定者に簡単なアンケートを記入してもらい、内定者がふりかえり・内省する機会をつくります。
また、ミーティングに参加した社員に対してもアンケートの結果をフィードバックすることで、社員のモチベーションや、社員と運営メンバーの関係性の向上も見受けられました。

アンケートはこんな感じです


内定直後と入社前に、理想的な行動を計測する

アンケートで理想的な行動(入社前なので「できそう」という自己効力感の計測がメインです)ができそうか、5段階で評価してもらい、内定者フォローの効果を測定しました。結果を内定者や配属先にも共有することで「不安ない入社へのスタートを切ることができそう!」とコメントをもらうこともできました。

ポイントの上昇が見られました!


まとめ、内定者フォローの効果

ビフォー・アフター

経営戦略に基づき、インパクトあるフォローができた

内定者フォローは、正解がない取り組みなので、単発での実施やアイデアベースになりがちだったところを、会社の経営戦略に基づいて、理想的な行動・学習目標を設定したフォローを設計できました。

内定者フォローを毎年続けられる仕組みをつくれた

指標を計測するアンケートで得られた「定量データ」とアンケート結果をもとにしたインタビューの「質的データ」の両方が内定者フォローをすることで得られるので、次年度に向けてブラッシュアップするポイントも見つけやすいので、内定者フォローを続ける仕組みをつくれたとも思います。

内定者の自己効力感を計測・向上させることができた

評価指標から学習目標を立てたので、フォローを通して「入社後にこれならできそう」という自己効力感のポイント(指標)を目に見えるかたちで向上できたのは成果だと感じています。

半年間で、大きく変えられる!!!

これらの取り組みは、3人の運営メンバーで半年間で企画・実施を行いました。仕組み化していなかった内定者フォローでも、思ったより短期間で成果を出すことが出来ました。採用においては、いかに獲得した人材を定着させるかも課題のひとつかと思います。皆さまの活動のヒントになりましたら幸いです。ここまで読んでくださりありがとうございました。

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