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らくがき王国⑦

ピーターとジョナサンは考えた末、外の世界にほんの少しだけ行ってみることにしました。

「王様、ぼくたちに外の世界への行き方を教えてください」

ピーターは王様にお願いをしました。

「そこの机で一本の線を描きなさい。その線が外への地図となり、道しるべになる」

ピーターは机の上で線を一本描きました。そして、描いた一本線が宙に浮き上がり、ピーターの手のひらに乗りました。

「これが外への道か。なんかあっけないな」

ジョナサンがいいました。

「行き方は難しくないのだ。行き方を秘密にしていただけだからな。あとは、外に出て地図にしたがえば世界が見えてくる」

王様がいいました。

「ありがとうございます。帰るときはどうすればいいのですか?」

ジョナサンが聞きました。

「その線がまた教えてくれる。だが、絶対にその線を失くしてはいけない。その線がないとらくがき王国に戻ってくることができないからの。それから夜になる前に戻ってきなさい。外の夜は君たちの地図を飲み込んでしまうからね」

王様の話を聞いて、二人はつばをごくりと飲みました。

「王様、ぼくたちのわがままを許してくれてありがとうございます。らくがき王国に戻ったらぼくはいくらでも叱られる覚悟です」

ピーターが頭をさげていいました。

「叱られる?今日は感謝祭で国民はお城に入っていい決まりのはずだがね。それにワシは外の世界へ行ってはいけないとはいったことがない」

王様は笑いながらいいました。

ピーターとジョナサンもお互いの顔をみて笑いました。

「いってきます!」

二人は声をそろえていいました。




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