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ugto310
らくがき王国⑦
ピーターとジョナサンは考えた末、外の世界にほんの少しだけ行ってみることにしました。
「王様、ぼくたちに外の世界への行き方を教えてください」
ピーターは王様にお願いをしました。
「そこの机で一本の線を描きなさい。その線が外への地図となり、道しるべになる」
ピーターは机の上で線を一本描きました。そして、描いた一本線が宙に浮き上がり、ピーターの手のひらに乗りました。
「これが外への道か。なんかあっけないな」
ジョナサンがいいました。
「行き方は難しくないのだ。行き方を秘密にしていただけだからな。あとは、外に出て地図にしたがえば世界が見えてくる」
王様がいいました。
「ありがとうございます。帰るときはどうすればいいのですか?」
ジョナサンが聞きました。
「その線がまた教えてくれる。だが、絶対にその線を失くしてはいけない。その線がないとらくがき王国に戻ってくることができないからの。それから夜になる前に戻ってきなさい。外の夜は君たちの地図を飲み込んでしまうからね」
王様の話を聞いて、二人はつばをごくりと飲みました。
「王様、ぼくたちのわがままを許してくれてありがとうございます。らくがき王国に戻ったらぼくはいくらでも叱られる覚悟です」
ピーターが頭をさげていいました。
「叱られる?今日は感謝祭で国民はお城に入っていい決まりのはずだがね。それにワシは外の世界へ行ってはいけないとはいったことがない」
王様は笑いながらいいました。
ピーターとジョナサンもお互いの顔をみて笑いました。
「いってきます!」
二人は声をそろえていいました。
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