マリオカート64 -魅惑のコーナリング-

1996年にNINTENDO64で発売されたマリオカート64。
マリオカートシリーズの2作目にあたり、64用ソフトとして国内で最も売れたソフトでもある。
ちなみにシリーズ全体の累計売上は2020年の時点で1億5000万本突破しているとか。すごい。

マリオカートとの出会いは第一作目のスーパーマリオカート(SFC)で、小学生の時分によく遊んでいた。
レースゲームそのものに触れたのが初めてで、無我夢中になってグランプリを駆け抜けていた記憶がある。スーファミのマリカーは独特の操作性で今やっても全然むずい。
でもそれが癖になってるところもある。

マリオカート64が我が家に来た日は確か友達の家に遊びに行っていた。
17時を過ぎて家に帰ってくると、姉と妹の二人が無いはずのマリカーですでに遊んでいたのだ。
あると思ってなかったもんだからビックリして、めちゃくちゃテンションが上がった。サプライズは記憶に残りやすい。


64のマリカーで思い出されることといえば、やはり一番は多人数プレーの思い出。
スーファミと違い標準で4人プレイができるようになったことでハードそのものがパーティー向けになっていたし、実際多人数でワイワイガヤガヤするゲームが多く発売されていた。スマブラやマリパもようやった。

その中でもマリカーは特にみんなと遊んだ。
初心者でもとっつきやすいゲーム性と最後まで展開の読めないハラハラ感がいいアクセントになって、やめ時をなくしてしまうのだ。1レースもそんなに時間がかからないし、終わったらすぐもう一回、もう一回とプレイを重ねてしまう。レースに飽きた頃には互いの風船を潰し合うバトルモードで気分転換もできるし、一本で何度も美味しいゲームだ。

ドライバーは全員で8人で、今の水準で見たら少なめに映るが当時としては十分。お気に入りは圧倒的にキノピオだった。


マリカーを語る上で欠かせないのがドリフトとミニターボ。
速さを追求しはじめると、どうしてもこのシステムと向き合わなければならない。

コーナーを曲がる際にRボタンを押してミニジャンプをするとドリフトの体制になる。これにより急なカーブから緩やかなカーブまで、コーナリングが自由自在に決まるようになる。
さらにドリフトを維持したまま3Dスティックを左右に入力すると排気煙の色が変わっていき、赤色になったタイミングでRボタンをはなすとミニターボができる。
ダッシュキノコと比べると僅かではあるが、しっかりと加速してくれる。

文字からも伝わるかもしれないが、慣れるまで上記の一連の動作はなかなか煩雑で難しい。コーナリング中に3Dスティックを左右に入力するのは、操作によほど慣れだした頃じゃないと余裕がない。


ただ一度コツを掴めさえすれば、途端に麻薬的な楽しさを感じる様になる。

ミニターボを決めるまでの煩雑な手順も、慣れてくれば逆に自分が凄いことを成し遂げているかのような肯定感を生み出してくれるし、カートの速くなる様子やキャラクターの歓声、カートのダッシュ音など、全部の要素から「俺やってやった感」を程よく感じられるのだ。

次第に無意識にミニターボが決められるようになると、次はレース中いかに多くのミニターボを決められるか、といった思考へ変わっていく。スポーツ競技で技を決める選手のような気分だ。
このコーナーは長いし3回はミニターボできるな、などといったミニターボへの勘も働くようになってくる。

最初は見向きもしなかったタイムアタックに魅力を感じはじめたのは、この頃だったように思う。

どこかひとつコースを絞って、ひたすらストイックにコースを攻めはじめる。
少しでもミスするとはじめからやり直して、自分の思い描く理想のライン取りとミニターボを実現する作業に入る。
そしていい結果が出るとそのプレイ記録をゴーストとして保存し、今度は過去の自分と戦い始める。そうして少しでも速い記録を残す。

こうなるともうマリカーの虜である。


やってることはただ速く走るだけ。
だけどそこには奥の深い(と自分で思っているだけかもしれないが)遊びの幅が眠っている。
人と競うのはもちろん、最終的には自分と競うことすら楽しくなってくるからこのゲームは恐ろしい。いくらでも出来てしまう。



つい先日、Nintendo Onlineの追加パックに64のゲームが追加されたので、早速Switchで64のマリカーを遊んでみた。
昔はバリバリコーナーも攻めれたコースで思い描くような走りが全く出来ず、ジュゲムにお世話になることが増えてしまった。悲しい。こんなに下手やったっけ。

64のマリカーもまたじわじわ遊びたいと同時に、Switch用の64コントローラーを買いたくなってしまった。どうしよう。

この記事が参加している募集

#心に残ったゲーム

4,920件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?