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モノクロ画面に灯台だけのビジュアルと霧笛が鳴り響くだけの予告篇がそそる「ライトハウス」見た

The Lighthouse / 2019
鑑賞:2021.7.15 公開:2024.6.12
監督・脚本:ロバート・エガース

予告編と宣伝ビジュアルから醸し出される異質感に鑑賞は決定。
しかもA24製作なので安心。
ただただ上映を楽しみに待ってた。

プログラムの灯台

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ネタバレアリ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

訳はわからないけどすごいインパクト!

訳のわからなそうな映画を見行ったら訳が分からなかったので大満足。
監督はアニャ・テイラー=ジョイを主役に「セイラムの魔女裁判」を題材にした『The Witch/The VVitch: A New-England Folktale』のロバート・エガースさん。真面目で実直な物作りをする印象の人。

映画マニアっぽい絵作り

今作は基本は古いホラー映画のオーマジュなのだろうか。ライティングがそうゆう感じに見えた。画角もスタンダード(かな?)だし。でも画角に関しては、部屋の狭さと灯台の縦に長い感じを表現するためかもしれない。その辺実直すぎるほど生真面目な印象。「ウィレム・デフォーの顔面に下のどの角度からライティングするとそれっぽくなるかな?」みたいなことを永遠とやってるんだろーな、と見える。それくらい、いい絵だった。ウィレム・デフォーの顔は多くの映画監督に愛されている。

ウィレム・デフォーの愛されフェイス。プログラムから。

見所はドコだ!

見所はやはり、過酷な環境で追い詰められた2人の男追い詰められる様だと思う。題材、見せ方、メッセージ、全てがシンプルに追い詰められた男たちの狂気に繋がっていて、しかもちゃんとそこを徹底的に掘り下げる気満々でちゃんとアイデアもある。という、シンプルに作家性を打ち出した作品としてお手本みたいな作品だった。

基本的に場所は外界から隔たれた灯台。キャストは男二人だけ。そのシチュエーションで起こるアレやコレやなので、必然役者の魅力がそのまま反映される作品だと思う。そのせいか二人とも楽しそう。生々しい言い合いや取っ組み合い。長回しもあるし、外連味のある長台詞のシーンも多い。
わかりやすい物語があるわけでは無いけど、だんだんあの狭い灯台守りの建物に一緒に何週間も暮らした気になってきて楽しかった。

狂気もなかなか良かった。隠しきれない秘密が不安を呼び、過酷な環境が逃避を促し、得体の知れない人物がストレスをかけてくる。抑圧、衝突、トラブル、空腹。もう狂う他に選択肢のない絶好のシチュエーションで期待通りに壊れてゆく若いの。
イイ。

ロバート・パティンソンに見えないロバート・パティンソンさん。プログラムから。

お話的にはやはり神話や文化的な下敷きがありそうだけど、そこはよくわからなかった。というか迫力に負けずについて行くのに精一杯でそれどころではなかった。

次回作も期待

『The Witch』は面白いけどパンチの弱さが気になった。なのに今作はパンチだけで出来てるような作品を仕上げてきてびっくり。ロバート・エガース監督の次回作があるなら是非見たい。

プログラムには伊藤潤二先生の漫画も載ってて嬉しい。

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