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好きな水辺:阿寺渓谷

きれいな水辺が好きです。
行ってよかった水辺の話をします。
無免許人間なので、私の旅行記は9割、電車・バス・自転車で行けるところとなっております。
徒歩旅仲間へ捧ぐ。
 
今回は、阿寺渓谷!

※2022年7月の旅行
 
なんの拍子か「阿寺渓谷」なるすんばらしい水辺があることを知った。
電車で行って、お宿は駅から送迎ありで、
お宿から歩いて行ける。

……行こう。
マリンシューズ持って。 


野尻駅へ

新幹線で名古屋へ。
乗り継ぎ時に改札を切符が通ってくれず、駅員さんに頼る。
切符を見た駅員さんが「なんでや……」とつぶやいたので、
おお~西にきたぜ!!って小さく感動した。
(問題なく通れました)
 
特急「しなの」ではお隣のおばさまがお話し好きでいらした。娘さんに会いに長野まで行かれるそうで。
「学生さん?」
「今年40なんですよ、今日休みとってて……」
年配の方には、妙齢(!?)の女性がひとりで旅行してるってまだ珍しいのかもな~
家にもおらず、職場にもおらず。傍らに友だちも夫も子どももおらず。
 
中津川で乗り換え。車内で切符確認があると田舎に来たなって実感する。
大小の羽虫も一緒に乗車している。
夏の風景が広がる。夏の空。緑が濃い。晴れている!
野尻駅についた。

This is 夏休み!!

阿寺渓谷沿いをひたすら歩く

お宿までは歩いて15分くらいらしいが、迎えに来てもらった。
たったひとりなのに迎えに来てくれるありがたさ。
大きな荷物を置いて、身支度をして徒歩で出発。
レンタサイクルもあるが、1日3000円……ゆっくり歩こう。
宿から数百メートル歩くともう渓谷の入り口である。
 
そこからは坂道を登っていく。
自転車で下ってくる水着のカップル。バスが追い抜いていく。
暑い。歩きの人が全然いない。
平日だから、というかみんなレンタサイクルかバスなんだな。シャトルバスあるんですよ。
じゃあなぜバスに乗らなかったか?
 
ここに来たかったからだよ!

バスが通りすぎてしまう最初の絶景ポイント

狸ヶ淵。
 
川べりは本当にさわやか。水はまさしくエメラルドグリーン。
「夏休みだーーーー!」

浅瀬大好き
ご機嫌なオレンジマリンシューズで川へイン

それからまた歩いて、六段の滝を見ながらランチしたり、遊歩道へ入ってみたり。
熊ヶ淵も最高!

滝を見ながらランチしたよアピール
飛び込みたい(危ない)
なんという青空

川の不思議について

水が尽きてしまったが、上流にキャンプ地があり、そこには「美顔水」なる飲める水が湧いているというのであてにして来た。

冷たくておいしい

無事に水をゲット!
キャンプする数家族にまじって川に足をつける。
しびれるような冷たさ。
 
川って、なぜこんなに毎日、1分1秒も休まず、流れ続けられるんだろう。
こんなに勢いよく惜しみなく流れて、「もう上に水はありません」ってならないのが不思議。
1週間、10日とか、雨が降らないときもありそうなものだが……
とか益体もないことを考えてしまう。
青空である。

足ときどきあげないと水マジ冷たい


疲れた足を励ましつつ、元の道を戻る。
狸が淵にもう一度下りる。時間がたつとまた違う。
ちょっと深いところまで行ってみる。
転びかけるも膝上を濡らすにとどまった。
ひとりで何をしているのか。

夕方もいいよね

何かが報われる空

夕方の下り道は羽虫との闘いであった。
ずーっとつきまとってくる。手ぬぐいを振り回して応戦。
 
手ぬぐいを振り回す謎の旅人を、車が数台、追い越していった。
一台、手を振ってくれたので振り返す。
 
この日、バスも車も自転車も使わず、入り口からキャンプ場まで徒歩で往復した人間は私だけなのではないかと思われた。
 
17時過ぎ、まだ明るい夏の夕方、
渓谷を出たところでそれが頭上に現れた。
虹。
しかも、二重ではないか?

うっすら二重! ……かな?

数少ない通行人みな空を見上げた。
最終バスに乗って宿に帰っていたら、見逃していたところだった。
よかった、14km歩き通して!(足痛い)

2日目:阿寺渓谷ふたたび(牛が淵)

翌日も朝から晴れた。
さすがに足が痛い。これで一日いけるのか不安になる。
バス往復1000円をおとなしく支払った。
2日連続の阿寺渓谷である。
バスは楽だった。
そこで体力温存したおかげで、
牛ヶ淵へ下りることができた!

「牛の姿に似ている」……だと……?

プライベートリバー!!
水着なら飛び込むところだ。
しかしこの水温では厳しいか。真夏なのに水の冷たいこと!!
 
道から川へ下りると(まあまあ険しい下り)、全然空気が違う。
ズボンを脱ぐ。変質者ではない。短パンを下に履いているのだ。

リュックを置いて浅瀬をうろうろする人の視界

やったーーー(恒例)

ひゃっほーーーーーーこれをしに来ているのだ

こうして2日目の阿寺渓谷も存分に楽しんだ。
夏休み!!

夏 休 み !!

奈良井宿へ

お宿の方に駅まで、ではなく蕎麦屋さんまで送ってもらう。
申し訳ないくらい融通がきく(やはり一人利用)。

人気のお蕎麦屋さん おんたけ おいしかった

完璧な夏の青空の下、駅への道を一人歩く。
夏休み感が半端ない。 

街道の名残りか
スイカ? 果物じゃ電車は乗れないねえ

奈良井へ。
2両の列車はほぼ埋まっていた。立っていた方が外は見やすいがさすがに疲れた。途中からおじさんの空いた隣に座る。
それにしても山また山。
「木曽路はすべて山の中である」ってあったな。なんだったっけ。
……島崎藤村の『夜明け前』。スマホですぐ調べられるのありがたい。
奈良井駅に着いた。

奈良井宿は阿寺渓谷のついで観光だったが、素晴らしい場所だった。
3時間半いたが、5時間あってもいいくらいだった。
ここで例の中山道Tシャツも購入。

あちこちに水場がある

上問屋資料館が特によかった。16時過ぎに入ったら誰もいなくて貸し切り状態で、え、ここもここも上がっていいの?みたいな、昔の立派な住宅?を見せてもらえて。日本史の先生なら垂涎モノだろうな、という資料がどんどんって置いてあって。(何もわからないもったいない人)
畳に座ってあと10分ボーっとしたかった。

資料館2階から道を見下ろす

いや、最高の夏休みだった。

旅の顛末

……で終われば最高だったが、災難は最後に襲ってきた。
まず、沿線火災発生。1時間半車内で待たされる。
乗り換えた特急は「大雨による信号不具合」により2時間停車……
火事の次は大雨って(涙)
 
不幸中の幸いは、駅のホームに足湯がついていたこと。
いつ動き出すかわからないので様子を伺いながら、足湯チャレンジ。
さらにはホームから花火鑑賞。けっこう近くで打ち上げてた。
動けないみんなで半ば呆然と夜空を見上げた。

上諏訪駅の足湯 ありがたや

4時間遅れ(!)で電車は出発。
信号は完全には直っておらず、「特殊な運転方法」で運行しているという。
「特殊な運転方法」……繰り返しアナウンスされると不安になるフレーズ……
 
結局家にたどりついたのは深夜1時ごろだった。
色々忘れえぬ旅となった。

きれいな水辺 大好き!



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