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モルディブ・リッツ滞在記5【リゾートへ】

▽プライベートボート

空港からリッツ・カールトンまでは、スピードボートで約50分かかる。乗客は僕たち夫婦と、もう一組、おそらく中国から来た夫婦だけだった。

たった50分間の移動、しかしリゾートの体験はここから始まっている。

ボートの船室。妻が一言「バチェラーじゃん」

船室は、小さなテーブルをソファが囲んでいる。完全なプライベート仕様に、否応なくテンションが上がる。

提供された軽食には、おなじみのライオンのロゴが入っていた。

船内で提供された軽食

そして出航。

ボートが白波を巻き上げて加速してゆく。妻が大喜びではしゃぎ、写真を撮りまくる。もう一組の夫婦も、外の座席で大笑いしながら水しぶきを浴びていた。

島々が海の向こう側から現れては、また後方へと流れ去ってゆく。同時に僕らの日常も、遥か彼方へと遠退いてゆく感じがした。

船窓から。さよなら日常

ただただ愉快な気分だった。僕らの旅は、最高の滑り出しとなった。

▽船酔い対策、そして到着

とはいえ、船上での50分間は意外と長い。

空港のお姉さんは波の様子を「私たちにとっては普通」と言ったが、乗り慣れていない人間には事情も異なる。

特に妻は乗り物酔いをしやすい体質だった。酔い止めを飲む、片耳のイヤホンで音楽を聴く、梅干しや飴をなめる――といったにわか療法を総動員して、なんとかしのいだ。

英語で乗り物酔いは”motion sickness”、船酔いは”sea sickness"。

空港のお姉さんに事情を伝えると、「出航の30分前に酔い止めの薬を飲むと良いわ」と教えてくれた。アレルギーや持病に関わる専門用語だけは、事前に調べておくのが安心だと思う。

船は減速しはじめた。

曇りかけていた妻の表情が、パッと明るくなる。「着いた?ここじゃない?」。青青とした海の上に、鮮やかな緑の島が浮かんでいた。

島の遠景※帰路に撮ったもの

日本から約半日の移動、そしてシティホテルでの前泊を経て、僕らはようやく目的の島にたどりついた。


(続き)

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