見出し画像

モルディブ・リッツ滞在記2【フライト】

▽フライト11時間

モルディブは、日本から計約11時間のフライトで着く。

9時間余でスリランカの首都・コロンボのバンダラナイケ国際空港に到着し、そこで乗り継ぎ、さらに1時間半ほど。インドの南端からさらに南西の洋上に位置している。

1200近い島々が集まり、まさに「観光立国」を体現したような国だ。「1島1リゾート計画」なる計画もあるらしく、すでに140島超がリゾート化されているらしい。

ひとまず旅程を追っていく。
午前に成田空港を発ち、コロンボへと向かう。もちろんパスポートは必携。

ビザは不要だが、渡航前に健康に関するセルフチェックが求められる。

新型コロナウイルス対策かなと思ったが、尋ねられるのは「黄熱が流行っている国や地域」への訪問歴だった。国が違えば疫病事情も違うものらしい。空港のチェックインでQRコードが求められるので、スクショを保存しておくとよい。

機内では本を読み、あとは座席についている液晶で映画を観賞した。

大画面だと怖そうなので敬遠していた「ジョーカー」と、いつかと思いつつ機会のなかった「インビクタス」。日本語字幕がなかったので、中盤までは英語で鑑賞し、後半は諦めて日本語吹き替えで見た。

もちろんこの原稿は旅行記なので、ジョーカーついて語ると脱線になってしまうが……ただ、映画や音楽、本は、なぜかそれを体験した状況と結びついて記憶されることがままある。

学生時代に夜行バスで朝を迎え、車窓越しに荒野を眺めながら聞いた音楽は、今も覚えている。大好きな映画「レ・ミゼラブル」を最初に見たのも、たしか飛行機内だった。

ジョーカーは面白かった。面白かったし、強者が栄え、弱い者がますます苦境に立たされる時代の辛さをひしひしと感じた。きっと何年か経って見返すとき、「確か飛行機の中で見たんだよなぁ」と思い出すんだろう。

僕にとっては、これも旅の思い出のひとつである。

▽いくつかの便利グッズ

フライトは快適。昼食と夕飯の2食がついていた。成田発とはいえ、見る限り日本人客は少数だ。

隣に座る妻といえば、終始、うらやましいくらい寝て過ごしていた。成田空港の無印良品に滑り込んで購入した枕(2000円弱)が活躍したらしい。30歳を過ぎると、首回りを支える枕は長時間移動に不可欠となる。

一方、僕は妻の「モルディブも朝と夜は冷えるらしいよ」という情報をもとに、空港のユニクロで2000円弱のパーカーを購入。もくろみ外れて現地では使わなかったが、フライト中の機内はだいぶ冷えたので重宝した。

あとは100円ショップで購入できるゴムボールを首や腰にあてがい、だましだまし痛みをほぐした。これも優れものなので、旅行のときは必ず携帯している。

つまるところ、旅にお金が必要なのは当然として、身体を適度にケアしておくことも同じくらい必要になってくる。

「腰が痛い」とベソをかきながら観光をして、十分に楽しめると言えるだろうか?
――それが今の僕なのだけれど。

▽乗り継ぎ、到着

中継のために降り立ったのは、スリランカの首都・コロンボ(バンダラナイケ国際空港)。2時間ほど待って、モルディブ行きの飛行機に乗り継ぐ。

バンダラナイケ国際空港

空港からは出られないが、JALも加盟しているOneworldアライアンスの特典があれば、ラウンジが使える……ということを、妻が発見。

そそくさと発着スペースをあとにし、「セレンディバラウンジ」へと向かう。Wi-Fi、ソファの側にUSBの充電口、軽食も完備、と文句の付けようがない。フルーツの入ったケーキと、酢豚みたいなチキンが美味しかった。

何皿かおかわりしていると、受け付けの女性が「搭乗が始まりましたよ」と教えてくれた。

もう夜だというのに、ラウンジ内の液晶は延々と午前10時台のフライト予定を映していたので……不安になっていた頃だった。感謝を告げて搭乗ゲートに向かう。

スリランカ航空のモルディブ行きの便に乗ると、いよいよ日本人は少数になる。目指すマレ国際空港までのフライトは約1時間半。

好みの問題かも知れないが、座席で見られる映画のラインアップは、日本―コロンボの便よりも充実していた。隣の妻が「こっちのほうがいいじゃん」と口を尖らせる。

すでに9時間超のフライトを経験した我々には、快適な空の旅が1時間半追加されることなど取るに足らない。

もう疲れていたので機内で何をやったのかすら覚えていないが、おそらく快適に過ごし、快適にマレについたのだと思う。

(続き)

(記事一覧はこちら)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?