【連載】ノスタルジア大図鑑#11|日本全国キーホルダーぶらり旅:東京都編
約30年かけて集めたキーホルダーは2万点を超える(!)という日本一のキーホルダーコレクター・水上 友さんが「お土産キーホルダー」の魅力を語り尽くす<日本全国キーホルダーぶらり旅>。
第3回はやってきましたTOKYO!
西から東まで、お土産キーホルダーを求めてさぁ、東京観光へ参りましょう!
第1回「北海道編」はこちらから↓
第2回「京都編」はこちらから↓
第3回:東京都編
こんにちは。
お土産キーホルダー友の会会長の水上友と申します。全国の観光地を巡り、お土産キーホルダーの収集・研究・普及活動を行っています。
===土産屋百景===
日本全国キーホルダーぶらり旅第3回は、超高層ビルの立ち並ぶ大都会でありながら、自然豊かな奥多摩や島部を併せ持つ日本の首都“東京”です。
それでは、早速「らっしゃい東京」!
①皇居
本品は、いわゆる50Φ(パイ:直径記号)と呼ばれるシリーズ。その名の通り、直径が50㎜の円形で、現時点で生き残っているキーホルダーの中では最大級の規格であり、かつ、金メッキで油式バフ仕上げという最高級品となっています。
かつては、70Φという更に大きなシリーズも存在しましたが、ポケットに入らない大きさが仇となったのか、自然と姿を消していきました。
②国会議事堂
おもちゃを学校に持ち込んではいけないという暗黙のルールがあった昭和の時代、少年心をくすぐるギミック付きキーホルダーは、ランドセルに吊り下げて堂々と持ち歩ける貴重なアイテムでした。
数あるギミックの中でも、人気が高かったのが “万年カレンダー” です。「カレンダーを見た方が早いだろ」なんて突っ込むのは野暮というもの。これ見よがしに友達の前でくるくる回すのがステータスだったのです。
③東京タワー
小ぶりながらも、古美仕上げではない、長い時間を経過したものだけが纏う本物の風格。裏面に打刻された「41. 9. 1」の日付は、本品が実に半世紀以上の年月を経てきたことを物語ります。
当コレクションの中でもおそらく最古の部類に入るであろう本品は、お土産キーホルダーの始祖とも言える歴史的逸品。時代は移り変わっても、その鈍色の輝きは増すばかりです。
④葛飾柴又
「私、生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天で産湯を使い、姓は車、名は寅次郎、人呼んでフーテンの寅と発します」
映画『男はつらいよ』冒頭の名ゼリフは、「葛飾柴又」の名を一躍全国に知らしめました。
本品裏面に描かれた矢切の渡しを待つ寅さんの笑顔が何とも微笑ましく、江戸川の爽やかな風に吹かれながら土手を歩けば、思わず主題歌を口ずさんでしまうこと間違いなし!
⑤浅草
浅草は今も昔も日本を代表するお土産キーホルダー処です。雷門から本堂へと続く仲見世通りには、多くの土産屋が軒を連ね、店頭のラックでは多種多様なお土産キーホルダーが販売されています。
本品は、浅草のシンボルである“雷門の大提灯”を中心に据え置き、仲見世通りの活気ある様子を遠近感豊かに描きます。裏面には観光ごよみ。浅草最大の祭りである三社祭の浮彫り付きです。
⑥羽田空港(東京国際空港)
東京の空の玄関口・羽田空港からは、いつでも日本全国へ行けてしまうという夢のチケットの登場。航空券を模したシンプルなデザインながら、本物と見紛うほどの会心の仕上がりとなっています(モデルは昭和後期のANA航空券)。
社会科見学では見るだけだった憧れの飛行機に、大人になって初めて乗った時の感動。この精巧なメタル製チケットを手にすると、人生初のテイクオフの興奮と感動が蘇ります。
⑦池袋
サンシャイン60は、地上高239.7メートルで昭和53(1978)年の完成当時、東洋一の建築高を誇っていました。その高層階レストランでワインを片手に眺める大都会の夜景。どこまでも広がるネオンの海は、人の数だけ煌めき、見る者すべてを夢見心地へと誘います。
本品では、そんな特別な夜の思い出をラメ入りの硬質エポキシ樹脂のコーティングで閉じ込めました。バブリーな残り香の余韻を堪能しつつ、豪奢な一夜の思い出に浸るのもまた良し。
⑧高尾山
外縁修飾加工の代表格であるダイヤカットは、30回転の通称“アヤメ”が一般的なのですが、本品はアヤメの回転数の更に倍の60回転、複雑さを加えた“ホシアヤメ”。
裏面は薬王院と登山電車(ケーブルカー)の浮彫り仕立てで。登山者数日本一は富士山と思われがちですが、高尾山であることがミシュランガイドでも認められており、関東近郊の遠足やレクリエーションでお気軽ハイキングの定番となっています。
⑨伊豆大島
多景キーホルダーの中でも、最もポピュラーな40Φの放射4分割タイプ。本品では、三原山、波浮の港、連絡船、椿と、伊豆大島の見どころ4選を紹介しています。
特筆すべきは、アクセサリーとして付属する大島名産の本物の「椿の実」です。「椿の実」には、島名とともに、購入者の名前まで線彫りする大サービス付き。裏面のアンコ椿は、もしかして都はるみがモデルか?
==== キーホルダー用語解説③【多景】====
「多景」とは、ある観光地における複数の観光名所を分割して表示したデザインのことです。放射4分割の40Φメダル型が最も一般的ですが、3分割、5分割、7分割、裏表両面4分割の計8分割など様々なバリエーションがあります。
【メダル型】
【メダル型以外】
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エネルギッシュな成長を続ける大都会東京ならではのキーホルダーの数々いかがでしたでしょうか。
江戸時代からの伝統文化を継承しつつ、近代的な進化を遂げる東京で、これからまたどんなキーホルダーが登場するのか楽しみです!
次回は本州最北端の県「活彩あおもり」へ!
青森最大の観光地「十和田湖」を中心に、熱気ほとばしる「ねぶた祭」、みちのくの秘境「下北半島」、桜の名所「弘前公園」など、厳しい自然と朴訥とした文化が織り成す見どころ満載の青森県へ。
名産の海産物や農産物にちなんだキーホルダーを紹介する予定ですので乞うご期待!
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「日本全国キーホルダーぶらり旅」を含む、個性豊かな執筆陣による合同連載「ノスタルジア大図鑑」はこちらから↓
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