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モニタースピーカー 耳鳴り発症からPSI audioに行き着くまで


耳鳴りと共存するようになってから、耳へのダメージを考慮してヘッドホンはやめました。

ちなみにヘッドホンは、SonyのM1STを数年使用(その前は、25年ほど、Sony CD900ST)しており、RME ADI-2 PRO fs(ハイパワーモード)を通して聴くと、解像度も音の硬さも心地よく満足しておりました。

耳鳴りになって無理になったこと、きつくなったことが耳あて電話(通話)です。
長く耳に当てて聴くと、ダメージが大きく、数日は耳鳴りの音量がマックスになります。

数ヶ月耳を休ませたのち、今まで使っていたモニタースピーカーでは、すぐに耳が詰まる(耳塞感)が出てくるので買い替えを検討しました。

自宅の小さな作業場では、Genelecの8020Aを使用してきました。
ポン置きでも立体的に鳴ってくれて、ワクワクする感じで結構、気に入っておりましたが、、なんだか圧迫感もあり時間が経つにつれ疲労感が増してきます。

あとで気づいたのですが、音の領域があるとすれば、その中に入る(潜る)ような感覚の出音だと個人的に感じます。演奏する方としては、音の中にいるようなので指先のフィーリングがもろに分かり弾きやすいのです。要は、没入感がある反面、細かい粗を探してしまう。恐れずに言うと神経を使う音とも言えます。


耳に疲労感が少ないナチュラルな出音が良いと思いまして、様々なメーカーを検討しました。

最終的には、PSI audio、Amphion、Musikなどが残りましたが
今流行の補正系、Neumann  KH80dspを試してみることにしました。

ラージサイズのスピーカーのフィーリングを持っているという評があり
しかも部屋に合わせて補正ができて、補正すると焦点があう感覚だと。

実際試してみて感じたことは、個人的には、面白くない音というフィーリングでした。モニタースピーカー、制作用なので、味付けがない方が良い?とは思うのですが、Genelecが没入型=音が耳元までくるとしたら、Neumannは背景のように、距離感があり、近づこうとすると音量が必要で、音量を下げると解像度がよくわからなくなりました。

ヘッドホンの良さには、解像度が高く、指先と音の距離が近いことがあります。
ただでさえ、PC音楽制作では、レイテンシー(遅れ)が生じるので自然に体が合わせて反応するわけです。遅れることを先に脳が予測してますので、できるだけ違和感が少ないほうが良い。

反対の側面から考えると、距離感があるということは、客観的でもあるわけで、ミックスで良い効果がでることも分かります。実際、KH80で作業すると今まで拘っていた部分の無駄にすぐ気付かされます。

ただ、自分の体が元気なときは、気長に付き合っていこうとなるのですが
実際問題、一日に10分作業すると耳がアウトになってしまう身です。

GenelecとNeumannの間のような距離感で解像度が高く、かつ安心感がほしいと思いました。

最終的には、PSI audioとAmphionで悩み、Amphionはアンプが別で、これまた沼に陥りそう(父がオーディオアンプの開発をしていたので、嫌というほど沼は知っております。)なのでPSI audioにしました。部屋の大きさ、耳の負担、音量も考え一番小さい14m(5インチ)を導入しました。

実際PSIの音を聞いてみると、近くもなく、遠くもなく、その場に音が配置されていて、聴いていて安心感、安定感があり、質感という面では、木質を感じさせる優しい音で、個人的に好きな90年代のシックなニューヨーク家具を思い出させられる愛しい音です。

とにもかくにもスピーカー探しは一旦落ち着きました。
あとは、耳と相談しながら自分の音楽を追求していければと思います。


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