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急拡大中サービスの安定稼働を支える「裏方」役ならではの楽しさ/SREチーム対談

2023年12月、TVerの月間ユニークブラウザ数は初の3,100万台突破となる3,129万MUBを達成しました。月間再生数も3.98億回を突破し、4億回再生へと迫っています。

サービスのアクセス数や利用時間が急増する中、TVerをユーザーの方に楽しんでいただくためには、高負荷なシステムの安定稼働を実現しなければなりません。現在は、少数精鋭のメンバーがセキュアな環境の構築・運用を支えています。

今回は、TVerの安定稼働において欠かせないインフラ構築・運用を担うSREチームの仕事を紹介します。「裏方だからこそのやりがいがある」と語る丸山と鈴木に、日々の取り組みやTVerで働く楽しさを聞きました。

■プロフィール
サービスプロダクト本部 エンジニアリングタスク:鈴木 彩人(写真左)
BtoBサービスを扱う事業会社2社にて、システムの開発・運用を経験。前職でSREに携わり、システムの統合的なモニタリング体制強化とトイルの削減に取り組む。2023年11月に株式会社TVerへ入社し、SREとして運用改善につながるツールの検証・開発・導入をリード。

サービスプロダクト本部 エンジニアリングタスク:丸山 隆宏(写真右)
技術者派遣会社に長く在籍し、SIerをはじめ放送局や広告運用代行会社など多種多様な業種の企業を経験。エンジニアとして、ネットワークやサーバー、クラウド環境の運用管理に携わる。2020年10月にグループ会社の株式会社TVer Technologiesへ入社し、事業吸収を経てインフラエンジニアとして幅広い業務を担当している。

※TVerにおける「タスク」とは、部署のことを指します。


TVerのインフラ・セキュリティの根幹を担い、開発現場の効率的な仕組みづくりにも貢献

——お二人がTVerへ入社を決めたのは、どのようないきさつがあったのでしょうか?

丸山:私はもともと、2020年10月にTVerの子会社であるTVer Technologiesへと入社しています。これまで長く経験してきたシステム管理・運用経験を活かせる、情報システム部門の担当として声をかけてもらっての転職でした。

2021年4月にTVerへ事業吸収することになり、その後は現在に至るまでSRE/インフラエンジニアとして勤務しています。

鈴木:私は前職時代の2020年頃からSREの仕事に携わるようになり「この領域でさらなる経験を積みたい」と転職を考え始めました。その中で「自分の経験を活かしつつ、さらにキャリアを広げていける」と考え、TVerへ入社したのが2023年11月のことです。

転職活動ではとくに業界を定めていませんでしたが、その中でTVerを選んだ理由は、自分の希望する条件が叶うだけでなく、事業と組織の成長可能性が非常に大きいと感じたからです。選考で「これからTVerでSRE組織を作っていく」と聞き、組織の立ち上げを経験したことのない私にとって、新たなチャレンジができる点も魅力的に映りました。

——続いて、現在の担当業務について聞かせてください。

丸山:TVerのサービスを構築するインフラやセキュリティ、運用管理にまつわる一連の業務を担当しています。AWS、Google Cloud、各種SaaS基盤の管理、整備、支援にはじまり、システムの技術的な問題を発見して解決したり、障害検知やパフォーマンス最適化のためのモニタリング環境を整備したりと、業務は多岐にわたります。

エンジニアメンバーが円滑に開発業務を行えるよう、外部サービスやツールの選定・導入やコスト管理に関わる場面も多いです。また、現在はエンジニアリングタスク内でSREチームの立ち上げにも取り組んでいます。

鈴木:私も丸山と同じSREチームに所属しています。現在メインで担っているのは、システムの運用改善につながるツールの選定・導入です。

「このツールを導入してほしい」といった、すでに決まったタスクのアサインではなく「組織の課題を解決するためのツール選定・導入をしてほしい」と、良い意味でざっくりとした粒度でこの業務を任せてもらいました。

TVerに入社してまだ数ヶ月ですが、仕事における裁量の大きさをすでに実感しているところです。

——TVerの全社的なインフラ・セキュリティ体制はどのようになっているのでしょうか?

丸山:担当としてはSREチームで担っておりますが、非常に影響範囲の広い領域であるため、SREチームだけで業務が完結することはほぼありません。

エンジニアリングタスクに所属する開発者やディレクター、セキュリティマネジメント推進室のメンバー、協力会社の皆さんと協働しながら進めています。

今後、ツールの導入やセキュリティ体制の構築などについては、TVerのバックエンドフロントエンドと同様に内製化を目指す予定です。一方で、セキュリティ状況の解析や分析、コンサルティングの部分は引き続きプロフェッショナルな第三者機関に力を借り、組織としてバランスの良い状態を保てるようにしたいと考えています。

エンジニアメンバーが「全力で走れる」ように。土台を固め、支援する役割の重要性とやりがい

——一定のユーザーを抱える大規模なサービスのセキュリティ管理において、少人数体制で品質担保を実現するための工夫や取り組みについて教えてください。

丸山:基本方針として「選択と集中」を意識しながら業務に向き合っています。自分たちはシステムの運用と管理に集中し、プロダクト戦略にも関わる部分については、エンジニアや開発ディレクターなどサービスプロダクト本部内のメンバーとともに進めてきました。

インフラやセキュリティの領域は、プロダクトを支える根幹であり、影響が及ぶ範囲も大きいです。だからこそ、あらゆる知見を持つ仲間を巻き込み、議論しながら意思決定していく姿勢を大切にしています。

鈴木:TVerへ入社後、SREチームに加わって驚いたのは、取捨選択の見極めがしっかりとなされていることでした。目標達成のために一番インパクトの強いタスクは何なのか、最低限担保しておくべき部分はどこか。そういったことを常に考えているからこそ、少人数体制でもシステムの安定稼働を実現できているのだと思います。

——お二人は、TVerでの仕事のどのようなところに意志やおもしろさを感じていますか?

鈴木:まず何よりも、多くのユーザーに利用いただく大規模サービスの信頼性向上に携われる点が大きな魅力です。
ユーザーが安心して快適に利用できるサービスを目指して、問題を未然に防ぎ、重要な情報資産を守るポジションは非常に責任の大きい仕事だと感じています。

SREチームは、社内外のさまざまな立場の方と横断的に関わる場面が多いため「自分たちの取り組みによって、多くの人の役に立てた」と達成感を得られるのも、この仕事ならではの醍醐味ですね。

それから、toBサービスに携わってきた以前と比べ、家族や友人に自分の仕事をイメージしてもらいやすくなりました。名前から「ああ、あのサービスね!」と多くの人にすぐイメージしてもらえるサービスは、日本国内を見てもそう多くありません。TVerというサービスを作る一員として、誇りを持ちながら仕事ができています。

丸山:SRE/セキュリティエンジニアの仕事は、これまで培ってきたシステムの運用・設計における知見を大いに活かせる仕事です。自分の強みを発揮できる点にやりがいを感じています。

私たちはいわば、開発組織が勢いよく走っている最中にさらに速度を上げられるよう、その足元をしっかりと固めてアシストするようなポジションです。

サービスが拡大する中では、新規開発やプロダクトの拡張を担う役割に注目が集まりがちですが、成長過程でも、数年先を考慮した全体最適の視点が不可欠でもあります。他の開発メンバーが業務に集中できる環境をサポートできることが、仕事の楽しさにつながっています。裏方にどんと構えるような立ち位置が、自分には合っているんですよね。

加えて、今のTVerだからこそ感じるおもしろみもあります。少人数かつベンチャー気質で業務を進めてきたところから、今後は持続的な成長を実現する組織へ。組織のあり方にも変化が求められる中で「何をやるべきか」から自分たちで考え実行していけるんです。

負荷軽減と自動化に取り組み、さらなる業務効率向上を

——今後、SREチームでどのようなことに取り組みたいですか?

丸山:チームとしての組織力の強化と、全社的なプロセス統合を実現したいです。

例えば、TVerサービスを支えるエンジニア組織において利用しているDevOps基盤については、これまでは規模が少ない頃に作成したGitLab(セルフホスト版)を利用していました。

しかし、他部署では異なる基盤を利用していたこと。さらに、新たな入社メンバーや他部署、外部パートナーの方との連携が増えるに従って、管理の面で複雑性・メンテナンスコスト・セキュリティといった課題も増してきました。

そこで上記の課題解決のため、開発者より要望が強かったGitHub Enterprise Cloudを全社基盤として導入する提案を行い、このプロジェクトについて入社したばかりではありますが鈴木の方が主体となり動いていく形となりました。

鈴木:GitHub Enterprise Cloudの導入に向け、それぞれの開発部署とセキュリティ部署に要望をヒアリングし、利便性とセキュリティの観点からバランスよく運用設計するよう心がけています。加えて、GitHub Enterprise Cloudの基本的機能の検証やドキュメントの作成、導入後の使い慣れていない利用者へのトレーニングの準備などの業務を一気通貫で任せていただいています。

また上記業務だけでなく、SREとしてコストやキャパシティの可視化、ドキュメントの標準化、トイル削減などにも取り組み始めているところです。

丸山:インフラやセキュリティの構築・運用において、私たちにはまだまだやるべきことが多くある状態です。裏を返せば、伸びしろが非常に大きいとも言えるでしょう。柔軟に最新の技術や管理手法を取り入れながら、組織としての成長を実現していきたいと思います。

——最後に、候補者の方へメッセージをお願いします!

丸山:課題が多くある中で、ご自身がやってみたいことに対して積極的に手を挙げていただける方をお待ちしています。もちろん、私たちがまだ拾えていないような課題から見つけていただくことも歓迎です。

SREチームとしては、体制や業務フローの仕組み化も重要なテーマのひとつとなっています。ドキュメントの整備やナレッジを蓄積・共有できる環境づくりに関心のある方にも、ぜひ来ていただけたら嬉しいです。

鈴木:手を挙げれば挑戦させてもらえる環境だと、私自身もTVerへ来て大いに実感しています。

個人的には、今後もSREのキャリアを積んでいきたいと考えているため、同じく運用コスト削減やパフォーマンス改善に興味を持っている方とご一緒したいです。TVerという大規模サービスに携わりながら、切磋琢磨してより良いパフォーマンスを目指していきたいですね。

丸山:SRE/セキュリティエンジニアの役割は、バレーボールでいうとセッターのような立ち位置です。組織全体を見渡して、ボールが落ちてくる地点を予想して動ける方には、能力を発揮してもらいやすいのではないでしょうか。

反対に、現時点ではセキュリティ向上やSREに関する専門性の深さは求めていません。SRE/セキュリティの分野に少しでも興味を持っている、チャレンジしていきたいなどありましたら、ぜひカジュアルにお話しさせてください!


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取材協力:CASTER BIZ recruiting