見出し画像

母の日

「おはよう☀️地震大丈夫だった?💦」

そんな母からのLINEに「大丈夫だったよ」の一言が返せないでいる。「心配してくれてありがとう」とも。既読さえつけれないでいる。

いまだに「やっぱり気持ち悪い」の感情から抜け出せれない。
情けなさすぎる。

友人も「もういいじゃん」となっている。「謝りなよ」とも言われた。
「私が悪いの?」と聞くと「そういう訳じゃないけど…」と言っていた。

いや、私が悪い。でも母も悪い。
私は間違ってない。でも母も間違ってない。

抜け出せない負のループ。
光の見えない感情とのお付き合いもそろそろ慣れてきた。




何かハマる趣味でも見つければ気が紛れると思った。

きっかけとなったその日、「バイクの免許が取りたい」と思った私はそのままバイクの免許を取った。「これがあればもう無駄に考えることはないだろう」と思った。

しかし、全くそんなことはなかった。
それはそれ、これはこれ、だった。

そう、母の穴は母でしか埋まらないのだ。
他の何にも埋めることはできない。

空いた穴は、原因となった穴でしか埋まらない。
そういうものだと知ることができた。



書類の「緊急連絡先」に父の名前と住所を書いた。
今までは母だったけど。

どこに住んでるのか知らなかった。
結婚したばかりの妹の住所も。

「こんな感じか」。初めての感情が湧いた。

私が素直に「おめでとう」と言えれば、今でも2人と仲良く連絡し、地元に帰ったら遊びに行っていたのだろう。
私が素直に「おめでとう」と言えれば、母は気持ちよく婚姻届を出せるのだろう。


「彼女の娘に拒絶されるなんて、相手の人もかわいそうじゃん」と言われた。そんなの頭では分かってる。でも今の私には関係ない。

結婚した瞬間から、その人は「他人」の枠組みになり、「知らない人」になる。肉親だと、家族が「増える」のではなく「減る」感覚。


あまりにも幼稚な考えの私を、もう少しだけ許して欲しい。




もうすぐ母の日。

連絡はしないだろう。

冒頭の連絡にも返事はしない。


「その時」が来るのはまだずっと先だ。


親不孝者でごめんなさい。
幸せは祈ってます。