【1】日本における商標登録の数

こんにちは、商標弁理士Nです。

今日から心機一転、商標に関する記事を書いていきます。

で、早速ですが、「商標登録」をご存知でしょうか?
経営者ではない方でも、一度くらいは聞いたことはあるかと思います。

※「商標登録とは何ぞや?」については、また後で書きますので、とりあえず、皆さんそれぞれのイメージで読み進めていただければと思います。

では、日本ではどれくらいの数の商標が、商標登録されているかご存知ですか?1000件?1万件?それとも、もっと多いでしょうか?

諸説ありますが、現存する日本の商標登録の数は約200万件と言われています。

たしかに、特許庁のデータベース(J-PlatPat)の「商標検索」で、「登録日」が「1870年1月1日」以降のものを検索すると、1,998,147件がヒットしますので、そのくらいの数なのでしょう。

ちなみに、1年間に商標登録の申請がされる数は、約18~19万件です。
ちょうど昨日、特許庁のウェブサイトで「特許庁ステータスレポート2021」が公表されましたが、これによると、昨年2020年は181,072件の商標登録の申請がされたということです。やはり、18万件程度といったところですね。毎日、だいたい約500件くらいが申請されている計算になります

なお、↑では「商標登録の申請」と言っていますが、正確には申請ではなく「出願」と言います。われわれ弁理士の中で「商標登録の申請」とガチで言う人は多分おりませんが、一般の方々には「申請」の方がわかりやすいと思いますので、本noteの記事では「申請」とします。

さて、この年間約18万件の申請数とか、約200万件の商標登録総数というのは、多いと言えるのでしょうか?

日本の中小企業の数は、約358万社あると言われています。
商標をまったく使わずに事業を行なう企業などは、あまりないと思います。
どんな企業でも、1つくらいは自社独自の商標があるものではないでしょうか。

そう考えると、さすがに上記の数が多いとは言えないでしょう。「日本のほとんどの事業者は、商標登録をしていない」というのが、リアルなところではないかと思います。

こう言うと、「え?商標登録をしないと何かヤバイの?」という声が聞こえてきそうですね。

たしかに、商標登録は事業者の義務とはされていません。
するもしないも、経営者の自由です。お金もかかりますからね。

ですが、しないとすると、それはそれで結構ヤバイこともあるかもしれません。ヤバイというか、「怖い」と言った方が適切かもしれません。
※もちろん、事業規模や事業内容などによっても程度は変わります。

商標登録をしないで事業を行なうのは、RPGで武器や防具を装備せずにフィールドでウロウロしているようなもの、だと私はよく例えます(笑)。まぁ、ちょっと大げさかもしれませんが。

では、なぜ商標登録をしないと「怖い」のでしょうか?
その理由は・・・次回の記事に続きます!

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