そして迎えた28分、私の心に突き刺さったフリーキック。
2015年8月29日
社会人1年目、少ない給与の中から新幹線代とチケット代を捻出し、向かった先は日産スタジアム。
新横浜駅から徒歩で向かう。
スタジアムが近づくにつれ、自然と胸が高鳴る。
J1第2ステージ9節
横浜F・マリノスVS浦和戦
ピッチ中央の指定席から眺める視線の先には
日本のファンタジスタ、中村俊輔。
「もし良ければ、フリーキックで1発お願いします。新幹線乗って来たので・・・」
そんなことを願いながら、キックオフを迎えた。
試合は立ち上がりからマリノスが主導権を握る。
俊輔の正確なキック、アデミウソンの高度なテクニックを中心に、じわじわと相手ゴールへ迫る。
そして迎えた28分。
マリノスがゴール正面、約24mの地点で
フリーキックのチャンス。
キッカーはもちろん俊輔。
この瞬間を待っていた私は、静かに祈る。
GKは日本代表の西川。
俊輔がキックモーションに入ってから数秒の出来事。
私はこの先、一生忘れないだろう。
左足から放たれた高速スライダーのショットは、美しい弧を描いてゴール右隅に突き刺さった。
ボールが突き刺さった音と、
スタジアムが歓喜で揺れたあの瞬間
帰りの新幹線で、何回もハイライトシーンを見た。
今でも時々見て、当時を思い出す。
私の心に突き刺さったフリーキック。
ありがとう、俊輔。
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