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年に1度の年金チェック~「ねんきん定期便」

誕生日の月に、日本年金機構から届くハガキ、「ねんきん定期便」。
年齢によっては(35歳、45歳、59歳の時は)、大きな封筒で届きます。

誕生月に届くからといって、特にうれしくも何ともないかと思いますが、中身は見ているでしょうか?
「何を見たらいいのか分からない……」
ポイントを2点挙げます。

①自分の払った保険料、きちんと反映されているのか?


会社員の方であれば、毎月の給与から天引きされる社会保険料。
自営業等の方であれば、月々納めている国民年金の保険料。
もしもそれらが正しく記録に反映されず、その分、年金が少なくなっていたら、どう思いますか?

ひと昔前の平成19年ごろ、年金記録問題というのが起こりました。
記憶にある方もいらっしゃるでしょう。「消えた年金」「宙に浮いた年金」などと連日、ニュースで騒がれていました。

これを機に始まったのが、「ねんきん定期便」。
ハガキ形式のものには、「最近の月別状況です」という欄があります。ここに、直近13か月分の記録が印字されています(直近といっても、何ヵ月かのタイムラグがありますが)。
大きな封筒で届いた方は、直近のみならず、いままでのすべての記録が書かれています。
ここをチェックすることが大切です。

<社会保険に加入されている方>
「加入区分」欄に「厚年」と記載されているかどうか、ざっと見ます。
さらに、一番右側の「保険料納付額」の欄もチェックします。ここは、給与から控除されている保険料と金額が合うはずです。給与明細の「厚生年金」欄の金額と照らし合わせてみましょう。端数処理の都合上、1円違っていることがあるかもしれませんが、年金の金額には影響しません。
ボーナスが支給された月は、その分も合計でみます。

<上記の方以外=国民年金の保険料を納めている方など>
「国民年金(第1号・第3号)納付状況」欄が「納付済」となっているか、チェックします。
※扶養に入っている方の場合には「3号」と記載されます。その他の意味については、日本年金機構のホームページ(ⓓ国民年金(第1号・第3号)納付状況の欄)をご覧ください。
リンク先:04.pdf (nenkin.go.jp)

<なぜ、わざわざ自分でチェックしなければならないのか>
年金の一番厄介な部分というのは、年金額の計算方法です。
簡単に自分で計算できるものであれば、たとえ誤りがあったとしても、「あれ? この年金額、少ないんじゃない?」と本人が気づくことができます。年金記録問題が起こるまで、不備や誤りが長く見過ごされてきてしまったのは、年金額の計算が難しいということも一因なのかと思います。

だからといって、もう少しシンプルに計算できるものを……というわけにもいきません。
厚生年金の場合、会社で働いていたときの給与額をベースに計算されます。40年間もの長きにわたって、給与の額が一定ということはありませんし、何十年も前のお金の価値を現在に換算するということも必要です。さらに、法改正も絡んできます。
そうなると、計算方法が複雑怪奇になってしまうのです。

最低限、自分たちができることは、「自分の払った保険料がちゃんと記録に反映されているのか」チェックしておくことです。現在のところ、それしか自分の年金を守っていく方法はないのかなと思っています。


②将来の年金額はいくらなのか?


「ねんきん定期便」には将来の年金額に関わる数字も記載されています。
この点は、以前、簡単に記しました。40代以下であるか、50代以上であるかにより、意味合いが異なってきます。

<40代までの方>
「これまでの加入実績に応じた年金額」という欄があります。
チェックポイントに挙げてありますが、これからまだ増えていくことになるので、あくまでも参考程度でよいかと思います。

<50代の方>
「老齢年金の種類と見込額(年額)」
という欄があります。
「もしもこのまま60歳まで、現在と同じ条件で加入したら……」と仮定しての計算額です。この金額を元に、ある程度、将来に向けていろいろな準備ができるかと思います。
ただし、この後、「転職で給与が変わった」「退職した」という場合には、また金額が変わってくる可能性があります。

日本年金機構ホームページ:「ねんきん定期便」の様式(サンプル)50歳以上の方
https://www.nenkin.go.jp/service/nenkinkiroku/torikumi/teikibin/teikibin.files/02.pdfより加工作成


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