「おばさん」じゃなくて「おかあさん」

昨今の、特に都市部においては「おばさん」という単語が非常にデリケートなニュアンスを持つようになったという話を聞きました。

その結果、子持ち界隈におきましても、同級生の母親については「おばさん」ではなく「☆☆さんのおかあさん」と呼ぶことを推奨されているらしいのです。

ちなみに「君」と「さん」の使い分けも男女平等教育の一環として「さん」に共通すべし、ということになってるらしいです。あくまで一部では。「本当にくだらないナァ」という感想しか湧きませんが。

ここでポイントなのは「おばさん」がダメというだけで「おじさん」については大して騒がれていないらしいということです。

要は「一部のナイーブな子持ち女性が騒いだ結果、子ども(とその親)に気を遣わせている」という話らしいんですね。なんとも情けないことだと思いませんか。

「大人というのは子どもに与えられるからこそ大人」なのであって、いい歳の女性がそのように細やかな配慮を子どもに求めるというのは「幼稚そのもの/どっちが子どもかわからん」と感じてしまいます。

非常に残念ながら、私の周りでも一定年齢をとうに過ぎており、夫も子どもも抱える女性の方が「女はいつまでも女なのよ」みたいなことをのたまうことはままあります。

それについて、私としては「いつまで"女子ども枠"のつもりなのか。大人の女性のつもりなら自身の老化を認めて、大人の大人たる自覚と落ち着き、および周囲への寛容をお持ちになってはいかがか」と叱咤したくなります。

情けない。本当に情けない。

そういうのは「自分の幼児性について無自覚でありつつ、開き直りながら恥を晒す行為である」と私は考えております。

ここからは身内の恥ですが、私の母も「おばあちゃんとは孫に呼んでほしくない」みたいなことをのたまっており「お前もう70やろ。どこから見てもババアなんやから自覚と恥を知れや」と至極丁寧に伝えておきました。 そのような台詞を身内以外の居るところで吐かれては、こっちが恥ずかしいからです。

私もそこそこの年齢の男でありますし、こういう内容はたいへん女性ウケが悪いことくらいは存じ上げております。

しかしながら、だれもこのような指摘をしないからこそ(そして実際起こりうる反発を恐れすぎるからこそ)一部ではそういう「わけのわからん規範を周囲に求める人間が増えてしまったんだろうなあ」と嘆息する日々であります。

(了)

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