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構造デザインの講義【トピック6:用途と構造のデザイン】第1講:大スパンの構造とデザイン(1)

橋梁と大空間建築の関係

東京理科大学・工学部建築学科、講義「建築構造デザイン」の教材(一部)です



大空間建築と橋梁の構造とデザイン

大空間建築には、橋梁の構造技術を見ることができます。
・東京国際フォーラム・ガラス棟はサスペン・アーチの橋梁(ロイヤルアルバート橋、イナコスの橋、など)、
・国立代々木競技場は吊り橋、
・大阪万博・お祭り広場のお屋根はトラス橋、
の原理が、生かされています。

サスペン・アーチ構造による東京国際フォーラム(大空間建築)とロイヤルアルバート橋(橋梁)のアナロジー
(写真:Pixabay, https://pixabay.com/ja/)
吊り橋による国立代々木競技者(大空間建築)と明石海峡大橋(橋梁)のアナロジー

歩道橋は、大きなスパンをかけるだけでなく、人々が行き交い、交流が生まれ、憩いの場にもなります。
安定した構造で、都市を彩るためには、場所性も考えて、適切なフォルムと構造を用いることが大切です。

鉄骨、木造、RCによる歩道橋は、それぞれの地域に溶け込むように素材が選択されます。
建造物を考える第1歩、それは、どのような材料で、どのような構造を使うか。建築も、土木も、同じです。

橋梁には、様々な構造があり、材料との組み合わせにより、特徴的な表情を見せます。
建築空間を考える場合の、構造デザインのヒントが、見つかるかもしれません。

桁とアーチがハンガーケーブルによって接続されて抵抗を得る。さらに、桁とアーチを平面的にずらすことで、水平力に対する抵抗機構を構成している。立体的な構造システムである。
(写真:Pixabay, https://pixabay.com/ja/)

ローヴェントロールの歩道橋
(写真:Structurae, https://structurae.net/en/)
吊り橋の原理、すなわち、支柱とメインケーブル、そしてバックステイの構成によるが、立体的な組み合わせにより、唯一無二の構造を見ることができる

構造デザインの巨匠、ヨルク・シュライヒによるケルンハイムの歩道橋
(写真:Mayr|Ludescher|Partner, https://www.mayr-ludescher.com/)
吊り橋の原理、すなわち、支柱とメインケーブル、そしてバックステイの構成によるが、立体的な組み合わせにより、唯一無二の構造を見ることができる

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