今年のクリスマス

先日のクリスマス、ひとあし早い仕事納めであった。
本来、28日の午前中まで会社自体はあるのだが支店全体で最終日は極力有休消化に努めるようにと言われていたので金曜日が年内最終出社日だった。

最終日が短いので皆あわただしく仕事をしていた。少なくとも私は結局年内すっきりして仕事を終えたというよりも帳尻合わせで終えた。

支店は本社の間接部門にいた時より仕事に追われ、時間に追われる。

効率を考えて先に先にと細かい準備をしているが気が付けば仕事量は増える一方。

今年は年の初めから世界中が今までにない見えない敵と戦う羽目になり、実際に顔を合わせて楽しく話す機会が激減した。

会社でも「いつものメンバーで人数も４人」という縛りでの飲食しかできない。そんな飲食さえも憚られる雰囲気がどこかにあった。

だから今年は本当にアフターファイブの楽しみがなかった。

美味しい料理と美味しいお酒を仲の良い人たちと楽しめる日々はとても平和なことなのだと当たり前にしていたことが出来なくなって初めて意識できた。

せめてクリスマスの晩サンタクロースが願いを叶えてくれるならそんな時間を私にくれないだろうか？

私はいつも大切にしている職場の仲間に連絡を取った。

「最終日、美味しい生パスタを食べに行きませんか？」

暗黙のうちに誰も誘わなくなった今、非常識だと言われたらどうしよう？

一抹の不安がよぎったが、快く了承を得られた。

当日は白ワインで気持ちも軽くなり、カモのローストでこころも華やいだ。

生パスタを頂く頃にはまた近いうちにこの絶品パスタを食べに来ようね、と話した。本当に楽しい晩だった。

店は非常時下なので２２時で閉まったが、金曜の夜は翌日を気にせず飲める日々が早く戻ることを願いながら解散となった。

「よいお年を」と言って。

来年は本当に世界中が良い年になればいい。

#ここで飲むしあわせ