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甥に発達障害が〜姉妹仕舞い

 事態が変わったのは、生まれた子供に障害があったことだ。今はやりの発達障害というやつ。
 それに対する義兄の対応は最低幼稚卑劣だった。マザコンの義兄は義父母に障害を隠したのだ。小学生のネコババじゃあるまいし、黙っている事だろうか。その上義母は看護婦だからいつかはばれるに決まっている。しかし姉は逆らわなかった、いや逆らえなかった。従属することで手に入れていた幸せのパターンしか知らないからだ。

 今回はその手は使えなかった。子供はどんどん大きくなり、随所に発達障害の症状が出てくる。  
 障害を知らないからこそ心配で口を出す義母を姉は圧力と感じる。理解出来ない、したくない、端的に言えば器が小さい義兄は子供へ八つ当たりをする。苛立ちから姉に離婚するぞ、慰謝料も養育費も払わないぞと脅す。姉は軽度発達障害をもつ母のよくあるパターンとしてノイローゼ、自殺未遂、そして家庭崩壊を辿り、結局2年になる実家療養を受け入れる羽目に陥った。

 不幸が重なるとはこういうことだ。私は転勤のある会社の総合職で体を壊し、ようやく療養を終え、人生の再出発を図っていた所であった。恩師からは体力的な要素を考えて大学院に行きアカデミックな世界で生きたらどうか、と言われわざわざアメリカの大学の教科書を取り寄せて準備を進めていた。ところが、姉が離婚出戻りの可能性が出てきたので、やむを得ず、体力的に負担の無い再就職先を探す事となったのだ。私の人生は、いつも姉に狂わされる。

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