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【読書メモ】『負けるのは美しく』(著:児玉清)

2011年に亡くなった児玉清さんの半生が綴られたエッセイ集。若くして亡くなられた娘さんへの愛情がこめられた一冊でもあります。

アタック25の司会やドラマ『HERO』、『龍馬伝』での印象が強い身としては、これほどに「ロマンスグレー」との言葉が似合う方もいないだろうとの思いでしたが。

そんな児玉さんの、いまいちぱっとしない映画の俳優時代から、テレビというメディアの登場と、そのテレビでのご活躍なども。

その道筋を追っていく中で「負けるのは美しく」とのフレーズが、そこはかとなく浮かび上がってくるようで、引き込まれてしまいました。

自身にブレない軸を持つのと「負ける」との要素、決して相いれない要素ではないな、との勇気もいただきました。

ふと感じたのが、テレビの広がりに伴う映画の凋落は、今のネットの広がりによるテレビの凋落とも通じる部分がありそうだな、と。映画サイドから見れば、いつか来た道位に感じているのかもですが、さて。

そして、娘さんにまつわる最終章では、医療の闇の部分を突き付けられた気がします。まだ10年、もう10年、、どちらともとれそうですが、決して他人事ではなく。

折々で、フラッと読み返したくなる一冊でもあります。

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