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【読書メモ】『猫が背筋を伸ばすとき』(著:杉作)

巨大な馬に寄り添ってポーズを決める猫。彼の名は「メト」(推定5歳)。

引退した競走馬が暮らす牧場で、サラブレッドに劣らぬ存在感を見せつけている。

出典:「猫の相棒はGⅠ馬 「ネコパンチ」入厩でたまらず…北海道新冠町の養老牧場へ」
(『産経新聞』2024年6月20日)

やはりメトさんは可愛いなぁ、、猫、飼いたいなぁなんて考えながら思い出したのが『猫が背筋を伸ばすとき』、10年ほど前に献本でいただいた一冊となります。

ほんわかした絵柄がなんとも魅力的な猫の漫画、一匹の猫と一人の少女の、一年間の交流の軌跡なんていうと大げさですが、共にあらわされる四季の移り変わりも美しく、日本っていいなぁ、とも感じられる物語です。

頂いたときに小学2年生くらいだった息子も「これ、僕にも読めるかな?」と手に取っていました。普段はドラえもんやポケモンに夢中な息子ですが、なんとも熱心に読んでいて「絵が可愛いね」と気に入ったようです(今となっては覚えてないだろうなぁ)。

主人公は「ノブナガ」とよばれる三毛猫のオス、そのノブナガがボスをつとめる町内に、もう一人の主人公「ほのか」が訪れるところから物語が始まります。

このほのかさん、両親が離婚し、母親とともに居酒屋を営む強面な大伯父さんの近くに身を寄せることになったのですが、シングルマザーとなった母親とは仕事に忙しくすれ違いの日々。そんな寂しさの隙間を埋めてくれたのが、大伯父さん「権じい」とノブナガでした。

といってもノブナガは、ほのかを見守ってはいますが、決して媚びるわけでも慣れ合うわけでもなく、そうそう簡単には触らせても、近寄らせてもくれません。権じいも生来の不器用さからか、いまいち馴染めずにいます。

それでも、ノブナガの凛とした立ち振る舞い勇気づけられるかのように、小学校に入学し、次第に人見知りもなおり、友人もでき、、そんな風に一歩一歩、自分の世界を広げていく、ほのかさん。季節の移ろいと共に少しづつ距離を縮めていく一匹と一人と、一人。そんな様子が微笑ましく、ただ愛おしいと感じます。

1話は大体2Pほど、そんな何気ない日常の積み重ねが優しく描かれていて、息子が小学校に入ったころを思い出しながら、ほっこりと読めました。うちも共働きですので、普通の小学生よりは淋しい思いをさせてしまっているなぁ、、との感謝と共に(今となっては立派?に育ってくれて、これはこれで感謝ですね)。

この先息子が就職、結婚などで家を出ていくのであれば、猫を飼うのも相談してみたいなぁ、なんてあらためて思いながら。

それはそれとして、こちらの一冊も手元に置いておこうかな、、少しでも支援につながるとよいなぁ、なんて考えながら。


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