【読書メモ】『優駿』(著:宮本輝)
本日から始まりましたナイスネイチャの名前を冠したドネーション、今年からは「メモリアルドネーション」と名称をあらためています。今年の目標額は「2,500万」、と、現時点(4月16日22時時点)で「2,800万」にまで到達してますね、、えぇい、一日も持たないのか連邦の(略、、何はともあれ締め切りの5月15日まで可能な限りに集まってほしいなぁ、との祈りとともに。
それでふと思い出したのが『優駿』との一冊、最後に読んだのは(メモ的には)オルフェーヴルが凱旋門に挑戦した辺り(2012-2013年頃)ですから、もう10年以上前か、久々に読んでみようかな、なんて考えながら。
今までも何度か再読していますが、2012年頃は確か、恋愛をテーマとした読書会に持って行こうかと検討していたようです。どちらかというと家族愛の要素の方が強いようにも感じますが、、でもまぁ、一番愛情が向けられていたのは、馬(サラブレッド)に対してだろうなぁ、と。
主役となるのは、オラシオン(祈り)という名を与えられた一頭のサラブレッド、そして一組の男女とその家族たち。時系列としては、仔馬の誕生からダービー挑戦に至るまでの、数年間。
ここ最近でこそ冠名の無いお洒落な馬名も増えましたが、当時としては珍しい部類だったような、、小説だからできたことなのかもしれませんが。でもまぁ、強い馬の名前は何でもカッコよくなってしまうものですけども。それこそ、オルフェーヴル(金細工師)、とか。
さて、本書では「サラブレッド」への想いが、愛情が、これでもかというくらいに綴られていきます。そしてたまらなく夢を追いかけたくもなりますが、その一方で冷徹な現実も立ちはだかってきます。
人の世は有為転変、それでも自分の軸を見失うことが無ければ、どこかで一つに結実していくのでしょうか、それこそ祈りとともに、、なんて風に感じさせてくれる物語です。宮本さんの物語はたまに浸りたくなるのですよね、、等身大の人々が描かれているからでしょうか。
舞台となる1980年代は、今(最大18頭)とは違い多頭数立てのダービーの時代ですから大分古めかしいハズなのですが、今読んでも普通にその情景が浮かんできます。東京競馬場のラスト3ハロンの描写など、本当にたまらない。
そういった意味では、時代をも超越していけるのでしょうか、競馬というスポーツは。
また、社台ファームをモデルにした牧場も出てきたりと、日本競馬界での影響の大きさが伺いしれます。そして今年の凱旋門、その社台の血統にもつらなっているドウデュースに期待しています。前走(ドバイ)はワチャコチャしてしまったようですが、それでも掲示板には入ってきていますし。それこそ祈りをこめて、その日を楽しみに待ちたいと思います。
個人的には『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』や『ダービージョッキー』、『騎手の誇り』、『風の向こうへ駆け抜けろ』などともあわせて、競馬に興味を持たれた方には是非お勧めしたい一冊です。
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