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人と人・団体・情報をつないで宇和島市を支える「 宇和島NPOセンター」

今回は愛媛県宇和島市で人と人・団体・情報をつないで調整役を行い、中間支援組織を担う特定非営利法人 宇和島NPOセンター(以下、宇和島NPOセンター)を紹介させていただきます。

平成30年7月に襲った西日本豪雨を皆さんは覚えているでしょうか。当時のニュースがYoutubeにあったのでご覧ください。(ANNnewsCHより)宇和島市はこの未曾有の豪雨により13名の方が失われました。

この災害をきっかけに設立されたのが宇和島NPOセンターさんで、今日に至るまで災害援助をはじめとした活動を通して宇和島市を支えています。

災害直後に中間組織支援が必要なことから誕生

西日本豪雨発災直後から宇和島市での災害支援に関する情報共有や課題解決を目的として定期的に開催している「牛鬼会議」というものがあります。

この牛鬼会議で情報共有・問題解決のための議論が重なる中、人と人・団体・情報を繋いで調整役を担う「中間支援組織」が必要となり、この災害で生まれた地域のグループや多彩な市民活動をこれからのまちづくりに活かすべきであるとの結論となりました。

災害関係の課題を解決へ向かい、宇和島市民のニーズに寄り添って柔軟に応えるため、市民の皆様・市民活動団体・NPOと連携し、行政・社会福祉協議会、企業等と協働しながら、分野横断的に市民を「つなぐ」役割を担う中間組織支援として宇和島NPOセンターさんが誕生されました。

代表理事は谷本友子さんで、2020年を持ってNPO法人化となりました。立ち上げ当初は一番被災が大きかった宇和島市吉田町の災害支援を行い、この後に記載している活動へと幅が広がっていきます。

主な事業内容

よりよい宇和島市を目指すために、中間組織支援としてつなぐ役目をすることでよりスピード感を持つことを強みに、細やかな支援を行われています。

災害時だけでなく平時でも顔の見えるネットワーク作りを行い、継続した活動を行うことで、今後予想される大災害時の対応強化と地域のつながりによる地方の活性化を目指されています。

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地域のネットワーク構築、NPO団体の支援、災害支援、防災教育、産業振興が実施内容とされています。

◎防災教育

宇和島NPOセンターさんが主催の防災フォーラム「きさいや!BOUSAIゼミな〜るー 「なりゆきの未来」から「なりたい未来」へ ー」は、福島県立福島高等学校と宇和島東高校生防災チームの皆さんがそれぞれの災害の記憶から問題提起し、専門家の方々とディスカッションを行われました。

第一回目は平成30年7月豪雨災害の発生原因と被害状況の事例報告後、高校生が思ったことや考えたことを話し合いです。

第二回目は福島高等学校の代表が東日本大震災・原子力災害伝承館を見学し、そこで考えたことや「10年後の福島のアンケート」の分析、感想を発表し、「災害復興とは何か?」について福島チームと宇和島チーム双方で思うことをブレーンストーミングで話されました。

現地で被災経験をした同志だからこそ共感できるものもあり、学び直すことで今後の減災へつながる貴重な機会です。

◎物資の支援

被災された方やボランティアで滞在されている方へ、使われた家財をリサイクルとして届ける支援をされています。収納ケース、下駄箱、冷蔵庫などさまざまです。急には揃えられない家財がなくて困っている方を助けてくれます。

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◎清掃活動

豪雨災害により川に流出したゴミ等を掃除する事で防災や減災対策を進めること同時に、川の清掃から海のゴミ問題を考えるきっかけになることを目的としています。

宇和島市の高校生が参加され、今年2月に実施されました。宇和島市内から総勢32名が参加され、雑草をトンバックで回収し、ロープを使って引き上げると言う大掛かりな作業をされました。

回収されたごみは1トンバック19袋分にもおよび、回収した雑草は農家さんの畑の肥料となりました。

◎線香花火ナイト

東日本大震災が起きた3月11日に合わせ、全国各地で線香花火を灯し、大切な人と心を繋ごうと企画したものです。線香花火を囲んで、大切な人に貴方が大切なんだよという事を伝え、星空にお祈りをするものです。

宇和島市も中継会場となっており、宇和島NPOセンターが開催場所となっています。今年2021年3月11日も行われました。

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今後は被災地のあったところのツアーも

今年の2月に代表者の谷本さんとオンラインでお話をさせていただきました。豪雨災害と現在のコロナ情勢もあり、元気がなくなりつつある宇和島市を再興させるために谷本さんは精力的なご活動を続けています。

今後は宇和島市で被災のあったところを回るツアーも考えており、そのツアーの中にみかんの収穫を取り入れることも計画中です。

今回の豪雨で名産であるみかん畑も大きくダメージを受け、現在も復旧作業が続いています。谷本さんを筆頭に、宇和島NPOセンターさんのサポートで宇和島の名産物も通常通り獲れる日が戻ってくるのも待ち遠しくなります。

宇和島NPOセンターさんの活動に触れてみる

平成30年7月の豪雨から復興が少しづつ進んでいる宇和島市です。その背景には人や団体、組織をつなぐ橋渡しを担っている宇和島NPOセンターさんの支えがあったのは間違いありません。

宇和島市やその界隈で住まれている方で、困りごとがあった際は宇和島NPOセンターの情報をまず取りにいくのも良いですね。
また愛媛県や四国地方意外で在住の方でも、何かボランティア活動や地域貢献をしたい目的で宇和島NPOセンターさんの活動内容に触れてみたり、実際にボランティア活動に参加されるのもいいですね。

みかんや真珠の名産地であり宇和島城もあり、景勝地も沢山ある宇和島市は観光地としても素晴らしいところです。

宇和島NPOセンターさんの支えで、盛り上がりの増してくる宇和島市が今後も楽しみです。

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