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コロナ発症直後と後遺症のはじまり | コロナ後遺症体験談#2

発症直後の症状

いつどんな風に体調が急変するか分からないので、常に体調をスマホに記録していました。熱が何度まで上がったか、どんな症状が出たか、など。

これが当時の記録です。

発熱
鼻水、咳、喉の痛みなど風邪のような症状
悪寒、鳥肌が止まらない
腰の痛み、特に仙骨のあたり
骨の痛み
焦げたような臭い
肺の違和感

インフルエンザや風邪と大きく違うと感じたのは、腰の痛みでした。「骨に響くような痛み」「激痛」と言う風に、記録をさかのぼると何度も「痛い」と書いてあります。

仙骨のあたりが尋常じゃない痛みに襲われていました。

「腰が爆発しそう…」とずっと思っていました。本当に痛い。骨に響くような変な痛みです。

「痛い、痛い」と声に出して、気を紛らわせていました。

肺に関しては違和感や多少の痛みはあったものの、血中酸素濃度も異常ありませんでした。コールドクターを利用して先生に診て頂いた時も、肺の音は問題ありませんでした。

熱は38度まで上がり、高熱の時の記憶は曖昧な部分も多いです。ですが、ひたすら保冷剤で冷やしても、あっという間に溶けていったことはよく覚えています。氷枕がなかったので、買っておけばよかったと思いました。

首に巻くタイプの保冷剤が家にあって、かなり役に立ちました。氷枕のような使い方をしたり、おでこにのせたり、脇に挟んだり。

発熱が落ち着いてからも、微熱や熱っぽさがダラダラと続きました。体感では凄く熱っぽいのに、37度台の熱しかないということも。

これからどうなってしまうのだろう、という不安

発熱して寝込んでいる時は「これからどうなるのだろう」という不安と常に隣り合わせでした。ちょうどこの時、基礎疾患のない若年層の方が亡くなったというニュースが話題に…。

でも「なるようにしかならない」と、冷静な自分もいました。

色々な病気を抱えながら仕事をしていた時のことを思い出していたからです。

勤めていた当時、倒れて意識が飛ぶことが何度もありました。脈が下がっていって、息苦しくなって、意識が遠くなっていく。検査しても原因がわかりませんでした。

意識が遠のくたびに「今、体の中で何が起きているんだろう」「このまま永遠に目が覚めなかったらどうしよう」と、恐怖と不安で頭がいっぱいになりました。

朝起きてご飯を食べていたら熱が出てきて、病院で診察中に倒れたこともありました。熱は39度近くまで上がりました。先生たちも騒然となって、ストレッチャーで運ばれてあれこれ検査をしましたが、結局これも原因が分からず解熱剤で事なきを得ました。

そんな経験があったので、正体不明の病気というものを、ありのまま受け容れることに少し慣れていました。

今はただ、高熱が出ているという事実をそのまま受け止めよう。悪い方に考えても今の症状は良くならないから、今この瞬間を乗り切ることだけに意識を向けよう。

そんな気持ちでした。

バセドウ病患者が気を付けることは?

ご存知の方も多いと思いますが、私はバセドウ病です。

2013年に発症、何度か再発して、2019年にアイソトープ治療を行いました。発症時もまだ数値が安定していなくて、メルカゾールを週に3錠飲んでいました。

発症してまず思ったのが「私、バセドウ病だけど大丈夫なのかな」でしたが、コロナの症状が出ている間も、コロナ後遺症になってからも、バセドウ病が特別悪さをしているという実感はありませんでした。

数値も特別悪化するということはありませんでした。

発症してすぐ病院に問い合わせたところ、下記の様な回答を頂きました。なお、こちらは私のカルテをふまえた上で回答頂いたものですので、バセドウ病治療中の方は必ず主治医の指示に従ってください。

「バセドウ病の場合は発熱で脱水症状を起こしやすいので、水分をしっかりとること。メルカゾールは続けたままで良い。現時点(2021年5月)では、バセドウ病でコロナが悪化したというデータは無い。」

医師からこのような回答を頂けたのは非常に心強いことでした。

水分補給については、どのバセドウ病患者の方にとっても等しく大切なことと思いました。

嗅覚の異常、コロナ後遺症のはじまり

熱も落ち着いた5月16日のこと。

ごま油を口にしたときに、違和感を覚えました。

最初は、熱が下がったばかりでまだ味覚がおかしいのだと思っていました。熱が出ている時って、味がおかしくなることが多いから。

でも、それにしても何かがおかしいと思いました。

味がしないというよりは…香りがしていない?

まさかと思って、急いでアロマオイルの瓶を手に取り、キャップを開けて匂いをかぎました。

何の香りもしませんでした。

ゼラニウムも、グレープフルーツも、ラベンダーも、どの香りも全て無臭でした。あまりにもびっくりして、アロマオイルが古くなってしまったせいかもしれないと思い、旦那さんにも匂いをかいでもらいました。

「ちゃんと香りがするよ」と言われました。

嗅覚障害で私の鼻がおかしくなったのだと分かった瞬間でした。

陽性を伝えられた時の衝撃も相当なものでしたが、この時の衝撃も結構大きかったです。

嗅覚が無くなるってこういうことなんだと、初めての感覚に唖然としました。「嗅覚がなくなる」という一言から想像していたものよりずっと、大変なことのように感じました。

ここから2年近く続く、コロナ後遺症とのお付き合いがスタートした瞬間でした。


ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

私の体験談が少しでも参考になれば幸いです。

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