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代謝に関する症状 | バセドウ病体験談#6

今回のテーマは「代謝に関する症状」です。

バセドウ病では代謝が良くなりすぎてしまうことで、様々な症状が生じます。

食べても食べても減っていく体重

体重減少は、多くの方が経験する症状だと思います。

まだ原因が分からなかった発症当時は、いつも通り食べているのにどんどん体重が減るので恐怖でした。ネットで色々と調べて「もしかしてお腹にサナダムシがいるのでは!?」と本気で悩んだりもしました。

周囲からも「痩せたね」と心配されることが多くなりました。

バセドウ病の数値が悪い時、私の場合は胃の調子が悪くなることが多いです。しかし、異常なほど食欲が増すという話や、体重が減るのではなく増えたという話もよく聞きます。症状は人によって本当に様々です。

体重を減らしたくてバセドウ病になっても薬を飲まないという話も聞いたことがあります。でもリバウンドは避けられませんし、失うものが多すぎると感じます。

私自身、バセドウ病を発症するたびに、5kgくらいの増減は当たり前のように繰り返しています。体にとっては大きな負担だと思いますが、痩せたくて痩せているわけでも、太りたくて太っているわけでもないのです。

体重のコントロールがきかないというのは、痩せることも、太ることも、同じくらいに辛いものです。

また、私の感覚として、病気痩せは一瞬でもとに戻ります。

バセドウ病は脂肪だけではなく筋肉も減ります。誤った食事制限のダイエットと同じように、筋肉が落ちて代謝が落ちて太りやすい状態になっているため、数値がよくなってきて今まで通りの食事を続けると、体重が増えてしまうのだと思います。

体重が減りすぎてしまっても、増えすぎてしまっても、あまり気落ちしないようにつとめる。まずはゆっくり休んで数値が落ち着くのを待つ。自分の体重と向き合うのは、運動ができるくらい元気な体が戻ってきてから。

バセドウ病の治療のコツは、焦らずゆっくり少しずつ積み重ねていくこと。数ヶ月から数年かけるつもりで、じっくり向き合っていくことが大切です。

女性特有のつらさ、生理不順

もともと生理不順体質だったのですが、発症当時は3か月くらい生理が来ていませんでした。体重が減りすぎてしまったせいもあると思います。

産婦人科の先生が教えてくださったのですが、甲状腺のホルモンをつかさどる場所と女性ホルモンをつかさどる場所は位置が近いので影響しやすいのだそう。そのため生理不順を招きやすいのかもしれません。

生理痛や生理前の不調も再発を重ねるたびに悪化しました。鎮痛剤の効果が切れると痛みで動けなくなるので、常に飲み続けていました。

最終的には低用量ピルでコントロールする方法を選びました。仕事のストレスもあったと思いますが、根本的なところでバセドウ病が影響していたように思います。

ドン引きレベル!大量の抜け毛

バセドウ病の数値が悪い時はいつも髪の毛が大量に抜けます。髪の毛を洗う時が一番わかりやすく、試しに旦那さんに見せたら「うわっ…」と真顔でドン引きされたほど。

私としてはいつもの事なので冗談交じりに見せたのですが、でもやっぱり初めて見る人からしたら凄く怖い量が抜けているのです。慣れてしまいすっかり忘れていましたが、私も最初は不安で怖くて仕方なかったことを思い出しました。いつもなら髪ゴム3巻きくらいでまとまる髪が、4巻きしないとまとまらないくらい髪の量が減ったこともありました。

特に女性にとっては本当に衝撃ですし、何よりショックだと思います。こんな風に小さなひとつひとつが積み重なって、精神的に追い詰められていくのもバセドウ病の辛さです。

ちなみに私の髪の毛は、どれだけ減っても毎回きちんと戻っています。美容室で「何を食べたら短期間でこんなに髪の毛が増えるんですか」と言われるほど。

個人差はあると思いますが、代謝が戻れば髪の毛も戻っていくはずですので、いま抜け毛で悩んでいる方にも希望を持って頂きたいです。

便秘体質から一転、お腹がゆるくなる

昔から便秘症であらゆる手段を試してきた私ですが、バセドウ病の時はお腹がゆるくなります。腸の代謝も良くなりすぎてしまうのでしょうか。

バセドウ病になるまでは常に便秘と戦っていてお腹がゆるくなる経験をしたことがほとんどなかったので、私にとっては不思議な体験でした。

とにかく辛い、不眠とのたたかい

動悸などの関係もあると思いますが、とにかく眠れなくなります。ずっと頭も体も覚醒してしまっているような感覚です。

私の場合はバセドウ病に加えて心の不調や機能性低血糖症でよく不眠になりますが、何度も起きてしまう中途覚醒、朝早くに目が覚めてそれ以降眠れなくなってしまう早朝覚醒になりやすいです。

2022年の今現在も、不眠症を引きずっています。

「眠らなければ」という思いにとらわれるとかえって眠れなくなりますので「眠くなったら寝るか」「外が真っ暗でも、私が起きた時間が朝」というおおらかな気持ちでいることを心がけています。

社会人の方や学生の方は余計に焦ってしまうかもしれません。私自身、正社員としてフルタイムで働いていた上に家事もほとんどやっていたので、仕事があるのに全然眠れないのは本当に辛かったです。

眠れないのは本当に苦しいです。でも、とらわれればとらわれるほど眠れなくなっていくのも事実。

不眠と戦おうとせず、眠れない事実を受け入れること。適切な治療を地道に重ねながら、無理をしないことが大切です。

眠れない自分に「できる限り労ってあげよう」という優しい気持ちで寄り添ってあげてください。あなたはそれくらい、頑張っているのだから。

さいごに

今回お伝えした症状は、恥ずかしくて言えない、言葉では程度を伝えにくい、本人にしかわからない、人に伝えるほどではないと感じてしまう、そういうものが多かったかもしれません。

ですが、それこそバセドウ病の辛さだと思っています。バセドウ病は目に見えない病気。骨折などのような一目瞭然の病気ではありません。

だから、目に見えている以上に辛い思いをして、追い詰められているにも関わらず、その辛さを理解してもらえないことが多々あります。

私はSOSを出すのが苦手なので、倒れるぐらい具合が悪くなってからはじめて周囲が異変に気が付く、ということがよくありました。会社や学校に行っていればなおさら、助けてと言えなかったり、つい我慢して頑張ってしまうこともあると思います。

残念なことに世の中には心無い人もたくさんいます。そのような人に最初に出会ってしまうと「どうせ誰もわかってくれない」と心を閉ざしてしまうこともあるかもしれません。病気で心が弱っていると、普段は気にも留めないような些細な一言が深く胸に突き刺さることだってあるでしょう。

確かに、すべての人に理解してもらうことは不可能です。でも、寄り添ってくれる人は必ずいます。SNSなどのインターネットなどでも良いので、話を聞いてくれる、共感してくれる人をぜひ探してください。

病気は人を孤独にします。色々な繋がりから、私たちを切り離してしまう性質を持っているから。

でも、孤独とひとりぽっちは似ているようで全然違います。

あなたは決して、ひとりぽっちではありません。どうかそれだけは忘れないでください。

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バセドウ病体験談の記事まとめ↓

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