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外国人エンジニアとうまく働く5つのコツ

ベトナム人エンジニアを雇用してから一年半が経ちました。
また、インド人エンジニアを2月から受け入れ、会社も本格的に多国籍チームの雰囲気を要してきました。
僕も外国人と働くことで良いことも、そして悪いこともいろいろと見えてきました。
特にうちにいる外国人は一人が日本語検定5級、もうひとりが「こんにちは」くらいしか話せない日本語レベルなので、コミュニケーションの面では完全にディスアドバンテージになっています。

そういった中でも、いくつかコツはつかめてきたので、紹介したいと思います。

1. 説明するときは図に書く

これは日本人に対してもそうですが、外国人とコミュニケーションするときは必須です。
まず概念的なものを説明するときは必ず図にします。手書きでいいので図にするということが大事です。
出来上がった図は実は四角形の羅列だったりしますが、特にエンジニアリングについては、どこからどんな情報がきて、それをどう処理するのかを明確にするには何かに書いたほうが確実に伝わります。

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2. 英語の単語はカタカナで書かずに英語のスペルで書く

エンジニアリングの言葉については僕たちもとても多くの英単語を使っています。
デプロイ、ステージングなど技術用語から始まり、ジャストアイデア、デフォルト、フィックスなど、通常の会話にも多く取り入れられています。

英語なので、思わずそのまま使えば外国人に通用しそうですが、これがなかなかやっかいです。
カタカナ英語がもちろん英語の発音そのままではないというのは僕たちも知っていると思いますが、海外の人も日本人と同じようにその国の特有の英語なまりがあります。

例えばブラウザのキャッシュをクリアするときのこの「キャッシュ」はベトナム人はどうも「キャッチ」みたいな発音で国内では使っているようです。
なので、「キャッシュ、キャッシュ」と何度伝えててもまったく通じません。
そういうときは日本語で伝えるのをやめて「cache」と素直に紙に書けばすぐに通じます。

なので英語が話せなくても、スペルは書くのはそんなに難しくないと思いますので、コミュニケーションが難しいと思ったらまずは、単語を英語で書くことをオススメします。

3. 日本語をゆっくり話すのではなく、シンプルに話す

これはうちの日本人社員がベトナム人に話すを見て、よく理解できました。
日本語を理解させるのにゆっくり話せばいいと思っている人が多いようですが、ゆっくり話すのはもちろんですが、もっと重要なのは「シンプルな日本語を話す」ということです。

例えば、エンジニアでいうと「ステージングに最新版が反映されていますか?」というような言葉があるとします。この中で「最新版」とか「反映」とかは多分少しむずかしい単語です。これをいくらゆっくり話してもなかなか通じない場合があります。この場合はこのように伝えます。

「Stagingのversionは今、一番新しいですか?」
※ Stagingとversionが通じないときは紙にスペルで書きます。

日本語的には少し変な言い回しですが、それでも十分通じます。
言い方をシンプルに話すことはスピードをゆっくりと話すよりも十分効果があります。

4. エンジニアリングのみに集中してもらう

これはタイトル通りもう正直かなり割り切った考え方をするしかないです。
つまりエンジニアにエンジニア以外のことを多く望むのはあまりしないということです。
日本人だと、将来的にはお客さんとやりとりしたりしてほしいという気持ちを持っていますが(その考え自体はもう時代に合っていないのかもしれないのですが)、そういう期待をまずは抑えることにしています。
彼らに技術に加え日本語コミュニケーションを求めすぎるのはかなりハードルが高いです。
そもそも日本人で英語が問題なくコミュニケーションできるレベルで、エンジニアリングもできる人がまわりにどのくらいいるかを考えれば、ハードルの高さが分かると思います。

思い起こせば僕がカナダでエンジニアをしていたときに、社長からはメールを丁寧に書けやら、コミュニケーションをうまくしろという指示はほとんどありませんでした。
まわりのエンジニアは中国人、イラン人、インド人などで、部署内の会話はほとんど語学学校レベルでした。それでもプロジェクトが進んでいたのは、彼らがとても優秀な技術を持っていたからです。

5. とりあえず楽観的に考える

最終的にはこれにつきます。
外国人を雇うこと、英語でコミュニケーションすることなど不安な要素は考えればたくさんあります。
ただ「まあでもなんとかなるだろう」「いい経験になるんじゃないか」と楽観的に考えることが相手にもプレッシャーにならずによい関係が築けると考えています。

そこまでして外国人を雇いたいか?と言われれば僕は雇いたいです。
なぜなら制作会社にとって技術力を担保するのはとても大事なことであり、正社員でなくても外部パートナーや外注先として技術者とつながっていることは重要です。
ただ、現在優秀なエンジニアを雇うことが難しい段階になっており、人の流動性も激しい中で、変わっていかなければいけないのは雇われるほうではなく、雇う側にあるのではと考えています。

まあそういう硬い事情もありますが、僕としては単純に異文化に触れられるというのがとても楽しく、何事にも変えられない経験なので、不安をいだきつつも楽しんで今後もいろんな外国人を接していきたいと思っています。


6. リモートワークでもうまくいくか?

今コロナウィルスの影響で、世の中はリモートワークの流れがきています。
うちの会社も3週間ほど前から週一回だけ会社に集まり、それ以外は基本はリモートワークに切り替えています。こういった中で外国人とのコミュニケーションはうまくいくのか?

結論からいうと、正直日本人同士よりは難しいです。
backlogにタスクを書き、slackで蜜に連絡をとり、zoomで朝会をしていますが、こちらが気軽にお願いしたことがを余計に難しく考えてしまったり、ちょっとしたニュアンスが文章では伝わらなかったりと対面で話すよりは何倍かの苦労があります。

ただオフショアでアウトソーシングするということはこういうことなんだなと改めて感じ、これもいい経験だと思って取り組んでいます。

白い紙にペンで四角を書くだけのコミュニケーションの大切さがよくわかりました。

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