見出し画像

多国籍クリエイティブ講師チームでやってみたいこと

2006年から2019年まで京都精華大学という美術系の大学でプログラミングを中心に教えてきました。
そして2021年の春から再び教鞭をとることになりました。今回は新しくできる学部「メディア表現学部」というところの担当になります。

僕が今取り組んでいる「ビジネス」「プログラミング」「海外」というキーワードを全部取り込んだような学部でとても楽しみにしているのですが、その中でも特に楽しみにしているのは講師陣の国際化です。

今まで僕が「多国籍クリエイティブチーム」というと、主に開発メンバーの国際化のことだったのですが、今回は「多国籍クリエイティブ講師チーム」という教える側の国際化が実現しそうです。

まだ先のことになりますが、来年度を見据えて、今からやってみたいことを書こうと思います。


やりたいこと1. 英語を交えた授業をする

画像1

まず誰でも思いつくのがこれですね。
英語が話せる外国人の講師がいるのであれば、英語で行う授業もあっていいかなと思っています。
ただ、全部英語でやってしまうと全くわからなく人もいると思うので、僕とのやりとりを英語にしたりして、学校では普通に英語も飛び交っているんだよという雰囲気を作りたいです。

これは些細な事なのですが、すごく大事で、今の会社でもそうやって英語を使いながら仕事をしていると、他の日本人の従業員もなんとなく自然に英語を使うようになります。
最初は抵抗感ある人もいますが、英語しか通じないと思うと、みなさんそれなりに英語で会話をするようになります。


やりたいこと2. 様々な国から留学生を招く

画像2

コロナが今後どのようになるかによりますが、留学生がたくさん来てほしいなと思っています。
今でも大学には多くの留学生がいるのですが、多くが中国人と韓国人でみなさんとても日本語が上手です。
それに関しては何の不満もないのですが、日本語をきっちり話さないと授業についていけないという敷居をもう少し下げられないかなと思っています。

もし講師陣が英語でも対応できるのであれば、日本語はあまりできなくても受け入れられる範囲を広められるのではと考えています。
そうすることでインド人、アフリカ人やその他英語がそれなりにできる人であれば誰でも大学に来てもらえることでしょう。

ちなみに僕自身が各国を飛び回って海外の大学に営業にいけたらなと勝手に考えています。


やりたいこと3. 海外のサービスやビジネス事情をリサーチする授業をする

画像3

授業を行うにも多国籍講師陣は今までとは違うアプローチができます。
それはアプリやサービスの企画を考えるときに講師を通じて、その講師の国々に向けた企画を建てられるということです。
もちろん自分でその国を調べて企画すればいいわけですが、本人にヒアリングしたり、家族の生活状況などを聞くことで、より具体的な企画やアイデアが生まれると思っています。

世界に目を向けるきっかけとして、多国籍講師陣はとても有益な役割を果たすでしょう。


やりたいこと4. 海外のエンジニアチームに発注するプロジェクトを立ち上げる

画像4

そして、実際のプロジェクトが始まるときは海外チームと共同でプロジェクトを進めたいです。
日本人チームだけでは足りない技術を海外の制作会社や大学生にお願いして手伝ってもらいます。

たとえばインドに向けたサービスの企画をこちらで考え、開発はインド人エンジニアチームと共同でするということができます。

3番と4番の組み合わせで、3. 現地の事情を深くリサーチし、4. 現地の人と一緒に開発する、これはなかなか面白い試みになると思います。


やりたいこと5. 海外インターンシップを実施する

画像5

最終的には学生には海外に実際に足を運んでほしいと思っています。
現地に旅行にいくのではなく、現地にいって、現地の人とプロジェクトをする。これができれば学生にとっては本当に素晴らしい経験になると思います。


これらをやることで何が得られるか?

画像6

どうしてこういうことをしたいかというと、学生に多様的な価値観を感じてほしいというのがもちろんなのですが、とりわけその中で体験してほしいのが、「アウェーの状況で自分が何ができるか」を身をもって経験してほしいです。

海外の人が周りにいることは特別なことではなくなった昨今ですが、日本にいる限り自分はずっとマジョリティ(つまりホームの状態)であります。
例えば留学生の友達が日本語が余り上手でなく、輪に溶け込めない状態だと「もっと日本語を勉強して会話を理解したほうがいい」という考えになります。つまり向こうがこちらに歩み寄ってくる必要があるという認識です。

ただ、教える立場の講師とコミュニケーションがとれないというのは違った状況になります。さらに周りも英語を話す留学生がたくさんいれば一気にマジョリティの立場が逆転します。
そういった状況の中で、自分にできることは何か?アイデアなのか、技術なのか、それとも雰囲気づくりなのか。いろんなことを考えられる環境がこの「多国籍クリエイティブ講師チーム」なのではないかと思っています。
正直なところ、いきなりこういう状況になるはずはなく、学生もいきなり無茶振りされても困るので、最初の数年間は日本語で教えることが主になりますが、ある程度落ち着いたらいろいろとトライしたいと考えています。

最後に宣伝になりますが、この京都精華大学では僕が教えるメディア表現学部ともうひとつ国際文化学部というのが立ち上がります。それを記念してウェブナーを数回に分けて行います。
今の学長がマリ人で、アジアやアフリカに積極的につながっていくと公表しており、僕も学長の行動にとても注目しています。

もしご興味ありましたらぜひ下記のウェビナーに参加していただけると嬉しいです。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?