第695回 2020/3/10〜16の歴史ニュース

1、こんな時でも歴史の話題

毎週月曜日はフォロワーさんたちがTLに流してくれた

歴史ニュースをまとめてご紹介します。

一回につき10件程度ご紹介に留めていますので

少しタイムラグが発生しているのはご容赦ください。

ヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。

2、今回は全体的にリアクションが低調

①奈良県橿原市田中廃寺が平松廃寺の前身であることが明らかに R20 C

②大坂城歴史博物館で「発掘成果から考える 近世都市『おおさか』の食文化」を開催。5月11日まで R10

③特別史跡「名古屋城跡」で無断工事 R60 C

④徳島県立鳥居龍蔵記念博物館で企画展「文化財調査の先覚者 鳥居龍蔵、徳島を探る」を開催。3月15日まで R19

https://torii-museum.tokushima-ec.ed.jp/event.html#kikaku

⑤京都市東山の清水寺本堂が50年ぶりに屋根葺き替え R15

⑥高知県で県政150年にあたる2021年度から50年ぶりに県史編纂に着手 R16

⑦兵庫県福崎町西田原の「大庄屋三木家住宅」で柳田國男の祖母、松岡小鶴の直筆書簡見つかる R16

⑧国立科学博物館で特別展「和食〜日本の自然、人々の知恵〜」を開催。6月14日まで R29

⑨愛知県豊橋市の羽田八幡宮所蔵の古文書2点について、後奈良天皇と後陽成天皇の直筆の書(宸翰〈しんかん〉)と確認されたと発表 R73

⑩京都府精華町の国立国会図書館関西館が竣工 R13

3、守り伝えていくことはかくも難しい

いかがだったでしょうか。

貴方の気になるニュースもあったでしょうか。

もっともリアクションが多かったのは⑨の宸翰の話題。

御宸翰といえば東北人としては幕末に会津の松平容保公が孝明天皇から賜ったものをすぐ思い浮かべてしまいますが

やはり時の帝直筆の書をいただくということは特別なこと。

しかし戦国の世に生きた帝は大変なご苦労をされていたことが知られています。

後奈良天皇は資金繰りがつかず、10年間も即位の儀式ができなかったのです。

普段の暮らし向きも困窮を極め、御宸翰を路傍で売らせて生活の糧にしていたとされているほど。

ひ孫にあたる後陽成天皇は秀吉が天下人となっていた頃の帝なのでそこまで困窮はしていませんでしたが、

関ヶ原の戦いの際には歌道の師である細川藤孝を救うために勅令を出すなど

和歌の道を尊重することで、自らの言葉に重みを持たせていたとも言えるのではないでしょうか。

共に比較的多くの御宸翰を残している天皇ということはあるのでしょうが、

地方の一つの神社に複数の御宸翰が残されているということは

それだけ歴史的背景に厚みがあるということなのは間違いないでしょう。

ついでリアクションが多かったのは③の名古屋城の話題。

もう出てくる話題が全て負の要素ばかりで

本当に木造で復元できるのか不安になってきますよね。

一つケチがつくと芋づる式に問題点が噴出して収拾が付かなくなる、ということはよくある話。

行政の判断は往々にして誤りだと分かっていても引き返せないことがありますが

時には英断も必要なのかもしれませんね。

スケジュールありきではなく、一度立ち止まって議論を尽くしてみることも必要になるのでしょう。

なにはともあれ、貴重な文化遺産がこれ以上毀損されないことを願うばかりです。


本日も最後までお付き合いくださりありがとうございました。



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